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引きこもりでも生活保護は受けられる?受給条件・申請方法と社会復帰に向けた就労支援を詳しく解説

「働きたい気持ちはあるけれど動き出せない」「長く引きこもり状態が続き、生活費やこの先の暮らしが不安」。こうした悩みを抱えている本人や家族は少なくありません。

引きこもりが長期化すると、収入がない、親の年金や収入に頼っている、家賃や生活費を払えるか不安といった経済的な問題が大きくなることがあります。特に親の高齢化が進むと、いわゆる8050問題として、本人だけでなく世帯全体の将来を考える必要が出てくる場合もあります。

こうした状況で生活を支える制度の一つが生活保護です。引きこもりであることだけを理由に受給できるわけではありませんが、「引きこもりだから申請できない」「無職だから必ず受けられる」と単純に決まる制度でもありません。

生活保護は、世帯の収入や資産、生活状況などを確認し、最低限度の生活を維持することが難しい場合に必要な保護を行う制度です。また、生活を安定させた後には、生活困窮者自立支援制度やひきこもり支援、就労継続支援B型などを利用しながら、少しずつ社会との関わりを増やしていく選択もあります。

この記事では、引きこもり状態にある方が生活保護を検討するときに知っておきたい受給条件、実家暮らしや家族同居の場合の考え方、申請方法、扶養照会、相談先、社会復帰に向けた就労支援について分かりやすく解説します。

この記事で分かること

  • 引きこもりでも生活保護を相談・申請できるのか
  • 生活保護の受給条件と収入・資産の確認方法
  • 一人暮らしと実家暮らしで確認される点の違い
  • 生活保護の申請から審査までの流れ
  • ひきこもり支援や就労継続支援B型など社会復帰への選択肢

1.引きこもりと生活保護の関係

引きこもり状態が長く続くと、「お金がない」「親の収入に頼り続けている」「今後の住まいや生活費が心配」といった経済的な不安が大きくなることがあります。

引きこもりは、誰にでも同じ理由で起こるものではありません。学校や職場での人間関係、精神的な疲れ、病気や障害、家庭環境、仕事上の経験など、さまざまな要因が重なっている場合があります。

「働きたい気持ちはあるけれど外へ出られない」「また失敗するのではないかと不安」「自分自身でも何から始めればよいのか分からない」という状態が続くこともあります。

そのため、引きこもりを単純に本人の努力不足として考えるのではなく、必要に応じて医療、福祉、生活支援、就労支援など専門的なサポートを利用することが大切です。

1-1.引きこもりが長期化する背景

引きこもり状態になるきっかけには、大きな出来事が一つだけあるとは限りません。

学校でのいじめ、職場での人間関係、退職、精神的な不調、治療の長期化、家族関係など、複数の事情が重なることがあります。

一度自宅中心の生活になると、「人に会うのが怖い」「外に出るだけで疲れる」「仕事を探す気力が出ない」という状態が続く場合もあります。

家族が生活を支えているケースでは、本人自身が「迷惑をかけている」と感じていても、その気持ちだけで状況を解決できるとは限りません。

現在は、全国の自治体でひきこもりに関する相談支援が行われています。地域によっては、本人だけでなく家族から相談することもできます。

最初から就職や外出を目標にしなくても、「家族が相談へ行ってみる」「専門機関のサイトで情報を探す」といった活動から開始する方法もあります。

1-2.経済的不安と8050問題

引きこもり状態が長期化すると、収入がない期間も長くなり、本人だけで生活費をまかなうことが難しくなる場合があります。

一人暮らしであれば、家賃、食費、水道光熱費、通信費、医療費などが毎月必要です。実家に住んでいる場合でも、親が食費や住まいにかかる費用を負担していることがあります。

特に親が高齢になると、仕事を辞めて年金生活になったり、介護が必要になったりする場合があります。

高齢の親が中高年の子どもの生活を支え続ける状態は「8050問題」と呼ばれることがあります。

「親が元気なうちは何とかなる」と問題を後回しにすると、親の入院や死亡などをきっかけに、一気に生活が困窮する可能性があります。

生活費が不足してきた、家賃を払い続けることが難しい、住まいを維持できるか分からないという段階で、早めに地域の相談窓口へつながることが大切です。

2.生活保護の受給条件と仕組み

生活保護は、生活に困窮している方に対し、最低限度の生活を保障しながら自立を支援する制度です。

原則として世帯単位で保護の必要性が判断され、世帯の収入や資産、利用できる制度などを確認した上で、最低生活費を下回る不足分が保護費として支給されます。

そのため、「無職なら必ず生活保護を受けられる」「引きこもりなら対象になる」という制度ではありません。

反対に、「親と住んでいるから絶対に申請できない」「少しでも預金があったら相談してはいけない」と決まっているわけでもありません。

その人や世帯の実際の生活状況を見た上で審査されます。

ポイント

生活保護を利用できるかどうかは、「引きこもり」「ニート」「無職」といった呼び方だけで決まるものではありません。世帯の収入、資産、居住状況などを基に個別に判断されます。

2-1.収入・資産はどう確認される?

生活保護の相談や申請では、収入や資産の状況が確認されます。

例えば、預貯金、年金、給与、保険、土地、家屋、自動車、有価証券などについて確認されることがあります。

ただし、何か一つ持っているだけで必ず申請できなくなるという意味ではありません。資産の種類、利用状況、現在の生活に必要かどうかなどによって判断が異なります。

例えば、生活に利用していない土地や不動産がある場合、売却等による活用を求められることがあります。一方で、個別の事情がありますので、インターネットの情報だけを見て判断しないことが大切です。

また、就労可能な状態である場合は、能力に応じた就労について相談することがあります。

病気や障害によって今すぐ働くことが難しい場合には、医療機関での治療状況や本人の健康状態等を確認しながら支援が行われます。

2-2.実家暮らしでも申請できる?

「親と住んでいたら生活保護は受けられないのでは?」と考える方もいます。

生活保護は原則として世帯単位で判断されるため、実家暮らしの場合には、本人だけではなく家族を含めた世帯全体の収入や生活実態が確認されることがあります。

一人暮らしの場合は、本人の収入、預貯金、家賃、居住状況などが中心になります。

一方、親と同居している場合には、生活費を誰が負担しているのか、実際にどのような生活単位になっているのか等が確認される場合があります。

そのため、実家暮らしだから一律に対象外になるわけではありませんが、一人暮らしの場合とは確認される点に違いがあります。

生活保護を受けるためだけに新しい物件を探す、別の住まいへ移るといった判断を自分だけで行うのは避けましょう。

転居費用や家賃の扱いなども関係するため、住まいを変える前に福祉事務所へ相談することをおすすめします。

3.生活保護を申請する流れ

生活保護を希望する場合、まず現在住んでいる地域を所管する福祉事務所などの生活保護担当窓口へ相談します。

大阪市に住んでいる場合は、お住まいの区の保健福祉センター生活保護担当が相談・申請窓口になります。

相談後、申請を希望する場合には申請書を提出し、収入や資産、世帯状況などについて調査が行われます。

その上で、生活保護の要件を満たしているか審査され、保護の開始や内容が決定されます。

「必要な書類が全部そろっていないから相談できない」と考える必要はありません。まずは現在の状況を窓口へ伝え、必要な手続きを確認しましょう。

3-1.相談・申請時に必要なもの

生活保護の申請では、世帯の収入や資産を確認するために資料の提出を求められる場合があります。

  • 本人確認ができるもの
  • 預貯金通帳
  • 給与や年金など収入が分かる資料
  • 賃貸住宅の場合は賃貸契約書
  • 保険関係の資料
  • その他、生活状況を確認するために必要な書類

必要になる資料は本人の状況によって異なります。

引きこもり状態が続いていて、自宅から外へ出ることが難しい場合には、その点も含めて窓口へ伝えてください。

本人だけで手続きを進めることが難しい場合には、家族や専門の支援者を間に入れて相談する方法もあります。

3-2.扶養照会が不安な場合

生活保護の相談をためらう理由の一つが、「親や兄弟姉妹に知られるのではないか」という不安です。

生活保護制度では、親族から援助を受けられるかについて確認が行われる場合があります。

ただし、親族との関係や家庭環境には大きな違いがあります。

長期間連絡を取っていない、家庭内暴力や虐待などの事情がある、親族との連絡が本人に大きな負担を与えるといった事情があれば、相談時に必ず伝えてください。

「扶養照会があるかもしれないから申請できない」と自己判断するのではなく、自身の家庭状況を福祉事務所へ説明することが大切です。

4.生活を安定させた後の就労支援

生活保護を利用することと、将来働くことは別の問題ではありません。

まず生活や住まいを安定させ、その後に本人の体調や希望に応じて社会参加や就労を考えていく方もいます。

生活困窮者自立支援制度では、仕事の支援だけでなく、家賃相当額の支給など住まいに関する支援や、家計を立て直すための支援につながる場合があります。

また、引きこもり支援では、いきなり仕事を開始するのではなく、相談、居場所づくり、人との関わりなどから支援を始める場合もあります。

一般就労以外にも、就労移行支援、就労継続支援A型・B型など、本人の状態に合わせた選択肢があります。

各サービスの違いを確認したい方は、福祉サービスについてをご覧ください。

4-1.B型で少しずつ社会復帰する

引きこもり状態が長く、「すぐ一般企業で働くのは難しい」と感じている方の中には、就労継続支援B型を検討する方もいます。

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、生産活動などを通して働く経験を積む障害福祉サービスです。

事業所によって仕事内容は異なりますが、袋詰め、検品、食品加工、清掃、パソコン作業などがあります。

具体的な作業内容を知りたい方は、就労継続支援B型でできる仕事一覧と利用の流れも参考にしてください。

また、「毎日通うのはまだ難しい」「短時間からなら活動できそう」という方は、事業所によっては少ない日数や短時間から相談できる場合があります。

例えば、「週1日なら通えそう」「午前だけなら外へ出られそう」というところから始める方もいます。

大切なのは、最初から高い目標を設定することではありません。

まず自宅以外の場所へ出る、決めた日に通う、人と挨拶をする、短い時間作業するなど、小さな活動を続けながら、自分に合った働き方を探すことが社会復帰につながる場合があります。

大阪市の就労継続支援B型については、就労継続支援B型「だいこん畑β」もご覧ください。

5.困ったときに相談できる支援機関

引きこもりや生活困窮について相談できる場所は、生活保護担当窓口だけではありません。

地域によって、ひきこもり地域支援センター、生活困窮者自立相談支援機関、ハローワーク、地域若者サポートステーションなどがあります。

また、病気や精神的不調がある場合には、医療機関で治療を続けながら福祉サービスにつながるケースもあります。

「どこへ行けばよいか分からない」という場合は、一つの窓口ですべてを解決しようとしなくても問題ありません。

最初に相談した場所から、必要に応じて別の専門機関を案内してもらえる場合があります。

5-1.無料相談を活用する

行政や公的な支援機関には、無料で相談できる窓口があります。

例えば、次のような困りごとがある場合です。

  • 仕事をしていない期間が長い
  • 引きこもりやニート状態が続いている
  • 家賃が高い、または支払いが難しくなってきた
  • 生活費がなくなりそう
  • 親の介護や高齢化が心配
  • 障害や病気があり働くことに不安がある
  • 治療を続けながら利用できる支援を探している
  • 住んでいる地域でどこへ相談すればよいか分からない

支援を受けることで、自分だけでは分からなかった制度や選択肢について情報を得られる場合があります。

相談したからといって、必ず生活保護を申請したり、すぐ就職活動を始めたりする必要はありません。

まず今の状態を整理し、その後に何をするかを一緒に考えていくことができます。

6.引きこもりでも生活保護は受けられる?

結論として、引きこもり状態であることだけを理由に生活保護の対象外になるわけではありません。

生活保護を利用できるかどうかは、世帯の収入、資産、生活状況等を基に判断されます。

例えば、収入が少なく、利用できる預貯金や資産を活用しても最低生活費を下回っている場合には、保護の対象になる可能性があります。

一方で、親と同居しており世帯全体として生活できる程度の収入がある場合などは、判断が異なります。

土地や家屋などの資産がある場合も、その内容や活用できるかどうかを含めて確認されます。

つまり、「引きこもりなら受けられる」「実家暮らしなら受けられない」といった一律の判断ではありません。

全国には多くの情報サイトがありますが、実際の受給可否は個々の世帯の状況によって異なります。

自分の場合に受給できるか知りたいときは、現在住んでいる地域の福祉事務所へ相談してください。

7.自分や家族が困ったときの第一歩

引きこもり状態が続くと、「このままでよいのだろうか」と思いながらも、行動を始めること自体が難しくなることがあります。

家族も、「生活費をいつまで負担できるのか」「親がいなくなった後はどうなるのか」と不安を抱えることがあります。

そうした場合、最初から就職や自立を一度に目指す必要はありません。

まず生活を安定させる。その後、必要であれば治療を続ける。生活リズムが整ってきたら、外へ出る活動や福祉サービスの利用を考える。

このように段階を分けて考える方法があります。

生活上の問題を一人で解決することが難しい場合は、家族や専門の支援者を間に入れて相談する方法もあります。適切なサポートにつながることで、生活を立て直すきっかけを得られる場合があります。

また、家賃が高い地域では住居費が生活を圧迫する場合もあります。住まいや生活費に困っている場合も含めて、まず相談先を探してみましょう。

最初の一歩は大きなものである必要はありません。

相談窓口のサイトを見る、電話番号を調べる、家族に話す、支援機関へ問い合わせる。できるところから始めていきましょう。

まとめ|生活を安定させることから始めよう

引きこもり状態にある方でも、生活に困窮している場合は生活保護について相談・申請することができます。

ただし、生活保護は引きこもりであることだけで決まる制度ではありません。原則として世帯単位で、収入、資産、居住状況などを基に必要性が判断されます。

  • 引きこもりでも生活保護について相談・申請できる
  • 保護の要否は世帯の収入や資産などから判断される
  • 実家暮らしの場合は世帯全体の状況が確認されることがある
  • 申請窓口は現在住んでいる地域を所管する福祉事務所
  • 生活困窮者自立支援やひきこもり支援も活用できる
  • 状態に応じて就労継続支援B型などを検討できる場合もある
  • 最初からすべてを解決しようとせず、相談するところから始める

生活を安定させることは、その後の社会復帰や就労を考えるための土台にもなります。

「今の自分でも相談してよいのだろうか」と迷っている場合も、一人で抱え込まず、福祉事務所や地域の支援機関へ現在の状況を伝えてみてください。

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