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就労継続支援A型

うつ病からの社会復帰に。就労継続支援B型を活用するメリットと仕事内容

うつ病の療養を続ける中で、「少しずつ外へ出られるようになってきた」「そろそろ仕事のことも考えたい」と感じる一方、いきなり一般企業へ復帰することには不安がある方もいるのではないでしょうか。

以前のように長時間働ける自信がない、朝起きられる日と起きられない日がある、人と話すだけで疲れる、集中力が続かない。うつ病からの回復途中では、このような状態が見られることがあります。

そのようなとき、社会とのつながりや「働く感覚」を少しずつ取り戻すための選択肢の一つとして、就労継続支援B型があります。

就労継続支援B型は、うつ病そのものを治療する場所ではありません。しかし、現在の体調や生活リズムに合わせながら作業へ参加し、「決まった時間に外へ出る」「一定時間作業をする」「人と関わる」といった経験を少しずつ積み重ねる場として活用できる場合があります。

この記事では、うつ病から社会復帰を考えている方やご家族に向けて、就労継続支援B型の役割、その日の体調に合わせた仕事内容、生活リズムを整えるための考え方、自信を取り戻しながら次の一歩へ進むためのポイントを分かりやすく解説します。

この記事で分かること

  • うつ病からの社会復帰でB型を活用する考え方
  • その日の体調に合わせて取り組める仕事内容
  • 生活リズムを整えるための通所の活用方法
  • 働くことへの自信を少しずつ取り戻す考え方
  • 見学や体験で確認しておきたいポイント

1.うつ病からの復帰ステップとしてのB型

うつ病からの社会復帰というと、「以前の会社へ復職する」「新しい会社へ就職する」といった一般就労を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、療養によって少し体調が良くなってきても、すぐに週5日・長時間の勤務へ戻れるとは限りません。

自宅ではある程度動けるようになっていても、朝決まった時間に起きる、身支度をする、電車やバスで移動する、職場で数時間過ごす、人と会話する、仕事の指示を聞いて作業するといった行動には、想像以上にエネルギーを使うことがあります。

「働きたい気持ちはあるけれど、まだ一般就労には不安がある」という段階では、いきなり元の働き方へ戻すのではなく、少しずつ活動量を増やしていく方法もあります。

就労継続支援B型は、一般企業などで雇用契約に基づいて働くことが難しい方に、生産活動などの機会を提供し、就労に必要な知識や能力の向上・維持を支援する障害福祉サービスです。

B型では原則として事業所と雇用契約を結ばず、本人の体調や希望などを確認しながら作業へ取り組みます。だいこん畑のB型サービスについては、大阪市の就労継続支援B型「だいこん畑β」でも詳しくご案内しています。

1-1.すぐ一般就労へ戻らなくてもよい

社会復帰を考え始めると、「早く働かなければ」「長く休んでいるから遅れを取り戻さなければ」と焦ってしまうことがあります。

特に、以前はフルタイムで働いていた方ほど、「前はできていたのだから、同じところまで戻らなければ」と考えてしまうことがあります。

しかし、社会復帰には段階があります。

最初の目標を「週5日働く」にするのではなく、例えば次のように小さく分けて考える方法があります。

  • 決まった時間に起きる日を増やす
  • 朝に着替えて外へ出る
  • 週に何日か予定を入れる
  • 一定時間、作業に取り組む
  • 人と挨拶や簡単な会話をする
  • 疲れたときに休憩を取る
  • 困ったことを人に相談する

一つひとつは小さなことに見えるかもしれません。しかし、療養期間が長かった場合には、このような行動を安定して続けられることが、その後の社会復帰につながる土台になります。

以前の自分と比較するよりも、「今の自分ならどのくらい続けられるか」を確認していくことが大切です。

1-2.B型で働く感覚を取り戻す

就労継続支援B型では、作業を行うことだけが目的ではありません。

決まった時間までに事業所へ行き、職員やほかの利用者と挨拶をし、作業の説明を聞き、途中で休憩しながら作業を行い、終わったら報告する。この一連の流れも、働く感覚を取り戻す経験になります。

例えば、利用を始めたころは1時間の作業でも疲れていた方が、少しずつ慣れてくることがあります。

その中で、

  • 午前中より午後の方が集中しやすい
  • 静かな場所の方が疲れにくい
  • 単純な作業は比較的続けやすい
  • パソコン作業の方が取り組みやすい
  • 1時間ごとに休憩すると安定する

など、自分自身の働き方の特徴が見えてくることがあります。

こうした情報は、将来A型や一般就労などを考えるときにも役立ちます。

ポイント

B型を利用する目的は「すぐに就職すること」だけではありません。通所や作業を通して、自分が無理なく続けられる時間、仕事内容、環境を知ることも大切です。

1-3.医療と就労支援を分けて考える

就労継続支援B型は、うつ病そのものを治療する医療機関ではありません。

診察や服薬、治療方針などは主治医などの医療機関と相談し、B型事業所では通所や作業、働き方などについて支援を受けます。

社会復帰を急ぐあまり、治療を自己判断で中断したり、急に活動量を増やしたりすることは避けましょう。

「そろそろ通所しても大丈夫だろうか」「どのくらいの活動量から始めるとよいか」と迷う場合には、必要に応じて主治医や相談支援専門員、希望する事業所の職員などへ相談してください。

医療と就労支援の役割を分けながら、それぞれを活用して社会復帰へ向かうことが大切です。

2.体調に合わせて調整できる作業内容

うつ病からの回復途中では、日によって体調や集中力に差が出ることがあります。

昨日は問題なく作業できても、今日は疲れやすい。午前中は体が重くても、午後になると少し動きやすくなる。人と話せる日もあれば、できるだけ静かに過ごしたい日もある。

このような状態があると、毎日まったく同じ作業量を求められる働き方は大きな負担になることがあります。

B型事業所では、本人の状態や事業所の支援体制に応じて、仕事内容や作業量について相談しながら利用できる場合があります。

ただし、利用日数、利用時間、作業の変更方法などは事業所によって異なります。見学時には、自分が希望する利用方法に対応しているか確認しましょう。

2-1.軽作業から無理なく始める

仕事から離れていた期間が長い場合、最初から複雑な仕事に取り組むことに不安を感じる方もいます。

そのようなときには、手順が比較的分かりやすい軽作業から始める方法があります。

  • 袋詰め
  • シール貼り
  • 商品の仕分け
  • 検品
  • 数量確認
  • 梱包
  • 封入
  • 出荷準備

例えば「商品を10個数えて袋へ入れる」「商品に傷がないか確認する」といった作業であれば、何をすれば終わりなのかが分かりやすく、一つずつ進めることができます。

久しぶりに仕事に近い活動へ取り組む場合、「一つの作業を最後まで終えられた」という経験そのものが自信につながることもあります。

就労継続支援B型には、軽作業以外にも食品加工、清掃、パソコン作業など、事業所によってさまざまな仕事があります。仕事内容をもっと詳しく知りたい方は、就労継続支援B型でできる仕事一覧と利用の流れもあわせてご覧ください。

2-2.パソコン作業も選択肢になる

事業所によっては、パソコンを使った作業もあります。

  • データ入力
  • 商品情報の入力
  • 画像の整理
  • 写真撮影
  • 簡単な画像加工
  • ECサイトへの商品登録
  • 文章入力
  • 文書作成

パソコン作業は、座った状態で一人で集中して進められるものもあります。そのため、人との会話が多い仕事に負担を感じる方には取り組みやすい場合があります。

一方、画面を長時間見続けることで疲れる方や、集中すると休憩を忘れてしまう方もいます。

「パソコン作業だから楽」「軽作業なら簡単」と決めつけず、実際に体験しながら自分に合う仕事を確認していくことが大切です。

2-3.その日の状態を伝える

うつ病の回復途中では、毎日まったく同じ状態で過ごせるとは限りません。

「昨夜あまり眠れなかった」「今日はいつもより疲れている」「集中力が続かない」と感じる日があるかもしれません。

そのようなとき、無理にいつもと同じように頑張るのではなく、自分の状態を職員へ伝えることも大切です。

  • 今日は少し疲れやすいです
  • 集中しにくいので、短い作業から始めたいです
  • 少し休憩を取りたいです
  • 人が多い場所では疲れやすいです
  • 今日は静かな作業の方が取り組みやすそうです

といったことを伝えられるようになることは、将来的に別の働き方へ進んだときにも役立ちます。

長く働くためには、体調が悪くても我慢して働き続けることだけが大切なのではありません。自分の状態を把握し、必要なときに相談できることも働く力の一つです。

3.生活リズムと自信を取り戻す支援

うつ病の療養期間が長くなると、仕事だけではなく生活リズムそのものが変化することがあります。

朝起きる時間が日によって違う、外へ出る機会が少なくなった、人と話す時間が減った、昼夜逆転に近い状態になっているなど、働いていたころの生活から離れている場合もあります。

その状態から突然、毎朝決まった時間に起きて通勤し、長時間働こうとすると、仕事内容以前に生活面の負担が大きくなることがあります。

B型への通所を生活の中の予定として活用し、少しずつ活動する時間を増やしていく方法があります。

3-1.通所を生活の予定にする

「毎週この曜日は事業所へ行く」という予定ができると、その時間に合わせて起きたり、身支度をしたりするきっかけになります。

例えば、

  • 朝に起きる
  • 朝食をとる
  • 着替える
  • 外へ出る
  • 事業所まで移動する
  • 一定時間作業する
  • 帰宅して休む

という一日の流れを経験するだけでも、自分がどの程度活動できるのかを確認することができます。

大切なのは、「毎日通わなければ意味がない」と考えないことです。

利用日数や利用時間は本人の状態、自治体の支給決定、事業所の受け入れ体制などによって異なります。最初から無理をせず、継続できる方法を相談しましょう。

うつ病の方が就労継続支援B型を利用するときの対象者や通所ペース、休んだ場合の考え方などを詳しく知りたい方は、うつ病でも就労継続支援B型を利用できる?通所ペースと作業の選び方も参考にしてください。

3-2.小さな達成を積み重ねる

仕事から離れていた期間が長いと、「以前は普通にできていたのに」「もう仕事ができないかもしれない」と感じることがあります。

そのようなときは、以前できていたことだけを基準にするのではなく、今できたことにも目を向けることが大切です。

  • 予定していた日に通所できた
  • 30分集中して作業できた
  • 初めての作業に取り組めた
  • 分からないことを職員へ聞けた
  • 疲れを感じたときに休憩できた
  • 作業を最後まで終えることができた
  • 前回より少し疲れが少なかった

一つひとつは小さな変化に見えるかもしれません。

しかし、「今日も事業所へ行けた」「この作業ならできた」という経験を積み重ねることで、少しずつ「自分にもできることがある」と感じられるようになることがあります。

社会復帰では、大きな成果だけを見るのではなく、小さな達成を確認していくことも大切です。

3-3.自分に合う働き方を知る

B型で作業を続ける中で、自分にとって働きやすい条件が少しずつ見えてくることがあります。

例えば、

  • 午前中より午後の方が動きやすい
  • 人が少ない場所の方が集中できる
  • 1時間ごとに休憩があると続けやすい
  • パソコン作業の方が疲れにくい
  • 手作業の方が気持ちを切り替えやすい
  • 一人で行う作業の方が集中しやすい

といったことです。

このような自分の特徴を知ることは、次の働き方を考える際にも役立ちます。

生活リズムや体調が安定してきて、「もう少し働く時間を増やしたい」「雇用契約を結んで働くことに挑戦したい」と考えるようになった場合には、就労継続支援A型などを検討することもあります。

A型について詳しく知りたい方は、就労継続支援A型についてをご覧ください。

A型・B型など各サービスの違いから確認したい場合は、福祉サービスについてで比較できます。

4.焦らず自分のペースで一歩を踏み出すために

うつ病から社会復帰を考え始めると、「早く元の生活に戻らなければ」「周囲より遅れている」と感じることがあります。

しかし、社会復帰はほかの人と競争するものではありません。

一度だけ無理をして長時間働くことよりも、自分に合うペースで安定して続けられる状態をつくることが大切です。

例えば、1日だけ3時間作業できたとしても、その翌日に強い疲れが出て一日中休む必要があるのであれば、今の自分には少し負担が大きい可能性があります。

「どこまで頑張れるか」だけではなく、「どこまでなら続けられるか」という視点で考えてみましょう。

4-1.調子の良い日だけで判断しない

社会復帰のペースを考えるときには、作業中の状態だけでなく、その日の朝から翌日までの状態を見ることが大切です。

  • 朝起きるときの負担は大きくなかったか
  • 事業所までの移動で疲れすぎなかったか
  • 作業中に集中できたか
  • 適切に休憩を取れたか
  • 帰宅後に強い疲れが出なかったか
  • 翌日に体調が大きく崩れなかったか
  • 睡眠に影響が出なかったか

こうした状態を数日、数週間という単位で確認すると、自分に合う活動量が見えやすくなります。

「今日は調子が良かったから、明日から一気に時間を増やそう」と決めるのではなく、安定して続けられる状態かを確認しながら進めていきましょう。

確認しておきたいこと

うつ病の症状や回復の経過には個人差があります。通所や活動量を増やしたことで症状が強くなった場合や、治療について不安がある場合は、無理を続けず主治医などの医療機関へ相談してください。

4-2.見学と体験で確認する

就労継続支援B型が自分に合っているか確認するには、実際に事業所を見学してみることが大切です。

ホームページでは仕事内容や利用時間を確認できますが、実際の作業場所の雰囲気、人の多さ、周囲の音、職員との話しやすさなどは、現地へ行って初めて分かることがあります。

見学時には、次のような点を確認してみましょう。

  • どのような仕事内容があるか
  • 自分でも取り組めそうな仕事があるか
  • 利用日数や作業時間を相談できるか
  • 疲れたときに休憩できる場所があるか
  • 体調について職員へ相談しやすいか
  • 作業場所の雰囲気が自分に合うか
  • 事業所まで無理なく通えるか

可能であれば、見学だけでなく実際に作業を体験してみると、さらに自分との相性を確認しやすくなります。

例えば、「思っていたより集中できた」「作業自体は好きだけれど人が多いと疲れる」「午前中だけなら続けられそう」といったことは、実際に体験して初めて気づく場合があります。

見学したからといって、必ずその事業所を利用しなければならないわけではありません。

複数の事業所を見たり、体験したりしながら、「ここなら無理なく続けられそう」と思える環境を探すことが大切です。

相談から見学・体験、利用開始までの詳しい手順については、就労継続支援A型・B型の利用・応募までの流れをご確認ください。

まとめ|社会復帰は自分のペースで進めよう

うつ病から社会復帰を考えるとき、必ずしも最初から一般企業でフルタイム勤務を目指す必要はありません。

決まった時間に起きる、外へ出る、一定時間作業する、人と関わるといった経験を少しずつ積み重ねることも、社会復帰への大切な過程です。

就労継続支援B型では、作業や生産活動を通して働く経験を重ねながら、自分に合う時間、仕事内容、環境を確認していくことができます。

  • 以前と同じ働き方へ急いで戻ろうとしない
  • 今の体調に合った作業時間を確認する
  • 軽作業やパソコン作業など自分に合う仕事を探す
  • 通所を生活リズムづくりに活用する
  • 小さな「できた」を積み重ねる
  • 作業中だけでなく帰宅後や翌日の疲れも確認する
  • 必要に応じて主治医や支援機関へ相談する

「まだ働ける自信がない」「B型を利用できるか分からない」という段階でも、事業所を見学して話を聞くことはできます。

まずは実際の仕事内容や事業所の雰囲気を知り、今の自分に合う一歩を考えてみてください。

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