「働きたい気持ちはあるけれど、毎日通う自信がない」「長い時間作業すると疲れてしまうので、まずは短時間から始めたい」。就労継続支援B型を検討している方の中には、このような不安を持っている方も少なくありません。
就労継続支援B型では、一般企業のように最初から週5日・長時間働くことだけを目標にするのではなく、本人の体調や生活リズム、障害特性、希望する働き方などを確認しながら利用方法を考えていきます。
事業所によっては、週1日や短時間から利用を相談できる場合もあります。まずは「決めた日に事業所へ行く」「短い時間でも作業をしてみる」ところから始め、慣れてきたら少しずつ日数や時間を増やしていく方法もあります。
ただし、すべての就労継続支援B型事業所で週1日・短時間利用ができるとは限りません。実際に利用できる曜日や時間、利用方法は、本人の状況、市区町村の支給決定、事業所の支援体制や受け入れ状況などによって異なります。
この記事では、就労継続支援B型を週1日・短時間から利用する考え方、短時間でも取り組める仕事内容、体力やメンタルに合わせたステップアップの方法、そして「まずは通う」ことから始める意味について分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 就労継続支援B型を週1日・短時間から利用する考え方
- 短時間でも取り組めるB型の仕事内容
- 利用日数や作業時間を少しずつ増やす方法
- 体力やメンタルに合わせたステップアップの考え方
- 事業所の見学で確認しておきたいポイント
目次
1.B型は週1日・短時間でも利用できる?
就労継続支援B型は、一般企業などで雇用契約に基づいて働くことが難しい方に、生産活動などの機会を提供し、働くために必要な知識や能力の向上・維持を支援する障害福祉サービスです。
B型では原則として事業所と雇用契約を結ばず、障害福祉サービスとして利用します。そのため、一般企業の勤務のように「必ず週5日・1日8時間働かなければならない」という仕組みではありません。
本人の体力、障害特性、生活リズム、通院状況、今後の目標などを確認しながら、利用方法を検討します。
そのため、「毎日は難しいけれど週1日なら通えそう」「午前中だけなら利用できそう」といった段階から相談できる事業所もあります。
一方で、週1日・短時間で利用できるかどうかは、事業所の体制などによって異なります。見学や相談の際には、希望する日数・時間に対応しているかを確認することが大切です。
だいこん畑のB型サービスについて詳しく知りたい方は、大阪市の就労継続支援B型「だいこん畑β」をご覧ください。
1-1.週1日から相談できる場合もある
「B型へ通うなら毎日通わなければならない」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、就労継続支援B型の中には、本人の状態を確認しながら週1日など少ない日数から利用を相談できる事業所があります。
例えば、次のような方です。
- 長く自宅で過ごしていて外出する機会が少ない
- 体力に自信がなく、毎日の通所が不安
- 精神的な疲れが出やすい
- 朝の体調が安定していない
- 通院と両立しながら利用したい
- 長時間、人のいる場所で過ごすと疲れてしまう
- まずは少ない日数から生活リズムを整えたい
このような場合、最初から「週5日通える状態になってから利用しよう」と考える必要はありません。
今の状態を事業所へ伝え、「週1日なら通えそう」「まずは短い時間から始めたい」と相談することで、自分に合った利用方法を検討できる場合があります。
大切なのは、周囲の人と同じ日数に合わせることではなく、今の自分が継続できるペースを探すことです。
1-2.短時間から始めるメリット
久しぶりに外へ出て活動する場合、事業所へ行くだけでも思っている以上に体力を使うことがあります。
朝起きて身支度をし、事業所まで移動し、人と挨拶をして、作業説明を聞き、一定時間作業する。普段自宅で過ごす時間が長い方にとっては、この一連の行動だけでも大きな変化です。
最初から長時間作業すると、事業所では何とか頑張れても、帰宅後に強く疲れてしまったり、翌日の体調に影響したりする場合があります。
そのため、まず短時間から始めることで、
- 事業所まで無理なく通えるか
- 作業場所で落ち着いて過ごせるか
- どのくらい集中できるか
- どの作業なら取り組みやすいか
- 帰宅後の疲れはどの程度か
- 翌日の体調に影響しないか
といったことを確認できます。
短時間利用は「働けないから仕方なく短くする」というものではありません。自分が安定して続けられる時間を知るための一つの方法として考えることができます。
1-3.利用日数や時間は人それぞれ
同じB型事業所を利用していても、利用日数や作業時間は一人ひとり違う場合があります。
週5日通う方もいれば、週1日・週2日程度から始める方もいます。1日を通して作業する方もいれば、短い時間から利用を始める方もいます。
例えば、「週1日は安定して通えるようになったので週2日にしてみたい」と考える方もいれば、「週2日に増やすと疲れが強くなるため、しばらく週1日を続けたい」という方もいます。
どちらが正しいということではありません。
利用の目的や体調は一人ひとり違うため、「自分にとって継続しやすいか」という視点で考えることが大切です。
ポイント
週1日から始めた場合でも、その1日を安定して続けられることは大切な一歩です。利用日数の多さだけではなく、「決めた日に通えた」「また次回も通えそう」という経験を積み重ねていきましょう。
2.短時間でも取り組める仕事内容
「短時間しか利用できないと、仕事らしいことができないのでは?」と心配する方もいるかもしれません。
しかし、B型事業所には、作業工程を区切りながら短い時間でも取り組める仕事があります。
重要なのは、何時間働いたかだけではありません。決められた作業を経験する、手順を覚える、分からないことを質問する、作業が終わったことを報告するといった経験も、働くために必要な力につながります。
就労継続支援B型では、軽作業や食品関連の作業、清掃、パソコン作業など、事業所によってさまざまな仕事があります。具体的な仕事内容や一日の流れ、利用開始までの手続きについては、就労継続支援B型でできる仕事一覧と利用の流れもあわせてご覧ください。
2-1.軽作業は短時間でも始めやすい
B型事業所で行われる代表的な仕事の一つが軽作業です。
- 商品の袋詰め
- シール貼り
- 仕分け
- 検品
- 数量確認
- 封入
- 梱包
- 出荷準備
例えば、「商品を10個ずつ袋に入れる」「決められた基準で商品を仕分ける」「商品の状態を確認する」といった作業であれば、一つの作業工程を区切りながら進めることができます。
短時間の利用でも、作業の一部分を担当することはできます。
最初は作業に慣れることを優先し、手順を理解できるようになったら少しずつ作業量を増やすという進め方もあります。
「短い時間だから意味がない」のではなく、その時間の中で無理なく作業経験を積むことが大切です。
2-2.パソコン作業という選択肢
事業所によっては、パソコンを使った作業も用意されています。
- データ入力
- 文字入力
- 商品情報の登録
- 画像整理
- 写真撮影
- 簡単な画像加工
- ECサイトへの出品作業
- 文書作成
パソコン作業も、作業量を小さく区切ることで短時間から取り組むことができます。
例えば、「今日は商品情報を5件入力する」「商品の写真を10枚確認する」など、取り組む範囲を明確にすれば、短時間でも達成感を持ちやすくなります。
一方、パソコンが好きだからといって長時間作業しても疲れないとは限りません。画面を見ることで目や頭が疲れたり、集中しすぎて休憩を忘れてしまったりする方もいます。
実際に作業を体験しながら、どのくらいの時間なら無理なく続けられるかを確認していきましょう。
2-3.長さより継続できることが大切
周囲の利用者が長時間作業していると、「自分も同じくらい頑張らなければ」と感じることがあります。
しかし、利用を始めたばかりの時期は、作業時間の長さだけを比べる必要はありません。
例えば、1日4時間作業したあとに強く疲れて、その後数日通えなくなる状態と、1日1時間を安定して継続できる状態では、今の本人にとって後者の方が適している場合があります。
作業時間を考えるときには、作業中だけではなく、
- 朝起きるときの状態
- 通所にかかる疲れ
- 作業中の集中力
- 休憩後の状態
- 帰宅後の疲れ
- 翌日の体調
まで確認することが大切です。
「今日は頑張れた」だけではなく、「このペースなら次回も続けられそう」という状態を目指していきます。
3.体調に合わせたステップアップ例
週1日・短時間から利用を始めたからといって、ずっと同じペースでなければならないわけではありません。
通所に慣れ、体力や生活リズムが安定してきたら、本人の希望や状態に応じて利用日数や時間を見直すこともできます。
ただし、ステップアップは必ず日数や時間を増やすことではありません。
今のペースで安定して利用することが目標になる場合もあります。本人が目指す働き方に合わせて考えることが大切です。
3-1.週1日から日数を増やす
例えば週1日から利用を始めた場合、次のように段階を踏む方法があります。
- まずは週1日の通所を続ける
- 決めた日に安定して通えるようになる
- 帰宅後や翌日の疲れを確認する
- 余裕が出てきたら週2日を検討する
- 一定期間、新しいペースを試してみる
- 無理がなければ次の目標を考える
「1回問題なく通えたから来週から増やす」というように急いで変える必要はありません。
まず現在のペースを一定期間続けて、安定しているかを確認します。
週2日に増やしたことで疲れが強くなった場合には、職員と相談して再び日数を見直すことも考えられます。
3-2.作業時間を少しずつ延ばす
通所日数を増やすだけでなく、一日の作業時間を少しずつ延ばす方法もあります。
例えば、最初は短時間から始め、通所や作業に慣れてきたら少し長い時間に挑戦するという流れです。
- 短時間の利用から始める
- 決めた時間を安定して過ごせるようにする
- 休憩を取りながら作業に慣れる
- 疲れが強くなければ少し時間を延ばす
- 昼食を含む利用なども検討する
- さらに長い時間を希望するか相談する
作業時間を増やすときも、「できるだけ長く」という考え方だけではなく、帰宅後や翌日の状態まで確認します。
将来的に就労継続支援A型や一般就労などを目指している方にとっては、「自分は何時間程度なら安定して活動できるのか」を知る経験にもなります。
3-3.負担が増えたら見直してよい
日数や時間を増やしたあと、思ったより疲れが強くなることもあります。
その場合、「一度増やしたのだから減らしてはいけない」と考える必要はありません。
例えば、
- 朝起きることが以前より難しくなった
- 事業所へ行く前から強い疲れを感じる
- 帰宅すると何もできないほど疲れる
- 翌日まで疲れが残る
- 作業中の集中力が大きく低下する
- 通所を考えるだけで強い負担を感じる
といった状態が続く場合は、現在のペースが合っているかを見直してみましょう。
ステップアップとは、日数や時間を一方向に増やし続けることではありません。
実際に試し、自分に合うか確認しながら調整していくことも大切です。
確認しておきたいこと
利用日数や時間、利用方法は本人の状態や事業所の体制などによって異なります。また、体調や症状に大きな変化がある場合には、必要に応じて主治医や相談支援専門員などにも相談してください。
4.まず事業所に通うことから始めよう
「B型を利用するなら、しっかり仕事をしなければ意味がない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、長く仕事や学校から離れていた方にとっては、「決めた日に事業所へ行く」という行動そのものが大切な一歩になる場合があります。
朝起きる、身支度をする、家を出る、事業所まで移動する、人と挨拶をする、一定時間その場所で過ごす。
こうした経験を積み重ねることで、少しずつ生活の中に予定が生まれ、外へ出る機会や人と関わる機会を増やすことができます。
4-1.通所そのものも大切な一歩
利用を始めたばかりの時期には、作業量だけでその日の成果を判断しないことも大切です。
例えば、
- 予定していた日に起きられた
- 時間に合わせて身支度ができた
- 事業所まで通えた
- 職員へ挨拶ができた
- 30分作業に取り組めた
- 分からないことを質問できた
- 疲れたことを職員へ伝えられた
- 次回も来てみようと思えた
こうしたことも一つひとつ大切な経験です。
特に体力やメンタル面に不安がある方の場合、一気に大きな目標を設定するより、小さな目標を積み重ねた方が続けやすいことがあります。
「今日は通えた」「この作業はできた」という経験が増えていくことで、自分に合う働き方も少しずつ見えてきます。
4-2.見学で確認しておきたいこと
週1日や短時間から利用したい場合は、事業所を決める前に実際に見学し、自分の希望する利用方法に対応できるか確認しておきましょう。
見学時には、次のようなことを質問してみると利用後のイメージを持ちやすくなります。
- 週1日から利用を相談できるか
- 短時間から利用できるか
- 利用できる曜日・時間帯はいつか
- どのような仕事内容があるか
- 自分に合いそうな作業があるか
- 疲れたときに休憩できるか
- 利用日数や時間を後から見直せるか
- 体調について相談しやすいか
- 自宅から無理なく通える距離か
また、「週1日から利用したいです」とだけ伝えるのではなく、その理由も説明すると相談しやすくなります。
例えば、「長く外出していなかったので、まず週1日から慣れたい」「午前中は体調が安定しないので、短時間から始めたい」「通院と両立しながら利用したい」といった形です。
自分の現在の状態を伝えることで、事業所側もどのような利用方法が考えられるか検討しやすくなります。
見学当日の流れや質問事項について詳しく知りたい方は、就労継続支援B型の見学では何をする?服装・持ち物・質問事項も参考にしてください。
相談から見学・体験、利用開始までの流れは、就労継続支援A型・B型の利用・応募までの流れで確認できます。
まとめ|週1日から自分のペースで始めよう
就労継続支援B型を利用するからといって、最初から週5日・長時間通わなければならないとは限りません。
事業所によっては、週1日や短時間から利用を相談できる場合があります。
大切なのは、ほかの利用者と同じ日数や時間を目標にすることではなく、今の自分にとって無理なく続けられるペースを探すことです。
- B型では週1日・短時間から相談できる事業所もある
- 実際の利用方法は本人の状態や事業所によって異なる
- 短時間でも軽作業やパソコン作業などに取り組める
- 長時間作業することより安定して継続できることを大切にする
- 体調が安定してきたら日数や時間を増やす方法もある
- 負担が強くなった場合は利用ペースを見直してよい
- まずは「事業所へ通う」ことを目標にしてもよい
「週5日通えるようになってから相談しよう」「もっと元気にならなければ利用できない」と考える必要はありません。
週1日なら通えそう、短時間なら作業できそうという段階でも、まずは事業所を見学し、現在の状態や希望する利用方法について相談してみてください。
大阪市で就労継続支援B型事業所を
お探しの方へ
自分に合う働き方を
だいこん畑で
一緒に考えませんか?
だいこん畑では、
大阪市内で就労継続支援A型・B型の
事業所を運営しています。
体調や生活リズム、得意なこと、
希望する働き方を確認しながら、
無理のない利用方法をご案内します。
「週1日から始めたい」
「まずは短い時間から試したい」
という段階でもご相談ください。
利用するか決まっていなくても、
見学や相談から始められます。
ご本人だけでなく、ご家族、相談支援専門員、
医療機関などからのご相談も
受け付けています。