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就労継続支援A型

就労支援の面接・面談で役立つ傾聴とは?質問例・声かけ・信頼関係の築き方

就労継続支援B型の個別支援計画書は、本人の希望を長期目標・短期目標・具体的な支援内容へ落とし込み、日々の支援に結び付けるための書類です。「何を書けばよいか分からない」「目標が毎回同じになる」と悩む職員も少なくありません。

この記事では、就労継続支援B型の個別支援計画書の記入例を、通所の安定・作業能力の向上・報告相談の3場面で紹介します。本人の希望、目標、職員の支援、評価方法を対応させ、作成からモニタリングまでの流れも確認できます。

記入例は説明用のモデルです。実際の計画は、本人の意向やアセスメント、サービス管理責任者による検討に基づいて個別に作成してください。

この記事で分かること

  • 個別支援計画の作成手順と記録しておく日付
  • 通所・作業・コミュニケーションの記入例
  • 長期目標・短期目標を具体的にする考え方
  • モニタリングの評価文と見直しの方法
  • 運営指導に備えた記録・書類の確認ポイント

1.B型の個別支援計画とは

個別支援計画は、就労継続支援B型の利用者が希望する生活や働き方と、事業所が提供する支援を結び付けるための計画です。作業の種類や通所日数を記載するだけではなく、本人が「何を目指し」、職員が「どのように支えるか」を共有します。

例えば同じ袋詰め作業に取り組む方でも、生活リズムの安定を目指す人、作業の得意分野を見つけたい人、将来的にA型や一般就労を検討したい人では、目標も支援方法も異なります。通所時間が短いことや作業速度だけを問題と捉えず、本人の希望と現在の状況から目標を考えます。

計画作成は事業所の任意のサービスではなく、指定基準に基づく手続きです。サービス管理責任者が中心となり、アセスメント、原案作成、個別支援会議、本人への説明・同意、交付、モニタリング、見直しへと進めます。

作成した計画が現場で使われていなければ、形式上の書類にとどまります。生活支援員や職業指導員が目標と配慮事項を確認できるようにし、担当職員が変わっても支援の方向性が大きくぶれない状態を目指します。

最初に押さえたい考え方

「本人の希望」「本人が行う取り組み」「職員が提供する支援」「評価方法」を分けて書くと、支援計画の内容が具体的になり、モニタリングでも振り返りやすくなります。

2.個別支援計画の作成手順

個別支援計画は、目標欄を埋めるところから始めるのではなく、本人を理解するための情報収集から始まります。一般的な作成の流れは次のとおりです。

  • 本人への面接・アセスメント:希望、体調、生活状況、得意なこと、困りごとを確認する
  • ニーズと課題の整理:本人の希望と、支援が必要な場面を区別する
  • 計画原案の作成:長期・短期目標、本人の取り組み、職員の支援を記載する
  • 個別支援会議:本人を含む関係者で原案を検討する
  • 説明・同意・交付:内容を分かる形で説明し、必要な記録を残す
  • 支援実施・モニタリング:日々の様子を確認し、必要に応じて見直す

2-1.アセスメントで確認すること

アセスメントでは、睡眠、食事、通院・服薬、通所手段、作業経験、集中できる時間、対人面の希望などを確認します。ただし、項目を聞き取るだけで終わらせないことが重要です。「午前中は体調が整いにくいが午後は集中しやすい」「口頭で複数の説明を受けると混乱しやすい」といった、支援につながる具体的な情報に整理します。

本人が「毎日通いたい」と話した場合も、理由を確かめます。工賃を増やしたいのか、外出の習慣を付けたいのか、人と話す機会を持ちたいのかで支援方法は違います。本人が話しにくいときは、二つの選択肢を示したり、日常の様子と照らし合わせたりして、急いで答えを求めないようにします。

2-2.会議・同意・交付の記録

原案は関係職員だけで決めず、本人の意向を反映して検討します。個別支援会議では、作成日や参加者だけでなく、本人が述べた希望、職員からの意見、原案の修正点を記録します。本人の参加や意思表明が難しい場合にも、意向を確認する工夫と経過を残す必要があります。

説明・同意・交付を行った日付、計画期間、次回モニタリング予定も管理します。本人以外の関係者へ情報を共有する際は、本人の意向や個人情報の取扱いに注意してください。契約後の作成時期や交付先などの詳細は、最新の指定基準・通知・指定権者の案内に沿って確認します。

3.B型個別支援計画書の記入例

ここからは、就労継続支援B型の個別支援計画書で使われる項目を、本人の希望→長期目標→短期目標→職員の支援→評価方法の順番で示します。3つの例は特定の利用者の実績ではなく、書き方を説明するためのモデルです。

3-1.通所と生活リズムの記入例

「週2日ほど利用しているが、体調に合わせて少しずつ通所を安定させたい」という希望を想定します。単に「毎日通所する」と設定すると本人にとって負担になる場合があるため、現在の状況に合う頻度と支援を考えます。

記載項目記入例
本人の希望体調に無理のない範囲で、週3日を目安に通所したい。
長期目標体調に合わせて通所と作業を続け、生活リズムを安定させる。
短期目標3か月間、週3日を目安に通所し、来所時に体調を職員へ伝える。
本人の取り組み通所時に体調を伝え、難しい日は早めに相談する。
職員の支援通所前後の体調を確認し、必要に応じて利用時間や休憩・作業量を相談して調整する。
評価方法通所状況、本人の負担感、体調に応じた相談の有無を確認する。

評価するときは欠席回数だけで判断しません。体調が悪い日に連絡できた、無理をせず利用時間を調整できた、といった本人の対処行動も確認します。通所日数の目標が負担になっている場合には、本人と相談して変更します。

3-2.作業能力・工賃に関する記入例

次は、袋詰め作業に慣れ、担当できる工程を少しずつ広げたい場合の例です。「工賃を上げる」という希望があるときも、作業量を無理に増やす目標にせず、本人が取り組める行動と事業所側の環境調整を記載します。

記載項目記入例
本人の希望袋詰め作業を覚え、できる仕事を増やしたい。
長期目標得意な作業を生かして、安定して生産活動へ参加する。
短期目標3か月間、手順書を見ながら袋詰めと検品の2工程に取り組む。
本人の取り組み作業手順を確認し、不明点は職員へ質問する。
職員の支援写真付き手順書を準備し、作業開始時に見本と注意点を確認する。疲労時は工程を調整する。
評価方法取り組めた工程、必要だった声かけ、本人の疲労感を記録する。

工賃の増額は利用者の努力だけで決まりません。仕事内容、受注単価、工賃規程なども影響します。したがって、計画書に記載した作業目標が達成できたからといって工賃が必ず増えると約束しないことが大切です。

3-3.報告・相談に関する記入例

「困ったときに職員へ声をかけにくい」という場合、漠然と「コミュニケーション能力を高める」と書くよりも、本人が希望する伝え方や職員が用意する手段を明確にします。

記載項目記入例
本人の希望作業で困ったときに、安心して職員へ伝えたい。
長期目標自分に合う方法で困りごとや希望を伝えられる。
短期目標3か月間、作業で分からないことがあった際に、声かけ・メモ・カードのいずれかで伝える。
本人の取り組み困ったときに自分が使いやすい方法を選んで伝える。
職員の支援声かけ以外にもメモやカードを用意し、本人の返答を待って内容を確認する。
評価方法相談できた場面、使いやすかった伝達方法、相談後の負担感を確認する。

本人が言葉で表現することだけを正解にしない工夫が必要です。話すことが負担になる場合には、指差しや筆談など別の手段を試します。本人の同意なく勝手に目標を強めないよう注意します。

4.長期・短期目標の書き方

長期目標は本人が目指す生活や働き方の方向性を、短期目標はそのために当面取り組む内容を表します。どちらも本人が理解し、納得できる言葉で記載することが基本です。長期・短期の期間は利用者の状態や計画期間を踏まえて設定します。

抽象的な書き方具体的な書き方
作業を頑張る通所時に手順を確認し、袋詰め作業に30分取り組む。
安定して通う本人と相談した週3日を目安に通所し、体調不良時は連絡する。
コミュニケーションを取る作業終了時に、声かけまたはメモで職員へ報告する。
自立を目指す準備する道具を手順書で確認し、自分で作業を始める機会を増やす。

回数や時間を書くことだけが目的ではありません。具体的な数字が本人の負担になることもあるため、「本人が無理なく実施できるか」「評価するときに確認できるか」を基準に設定します。数値を入れにくい場合も、実際の行動や支援場面が伝わるように書きます。

目標が達成できなかった際には、本人の意欲だけに原因を求めず、目標の難しさ、体調、作業環境、支援方法を確認します。前回の計画から内容が変わらないときは、単なるコピーではなく、継続が必要な理由をモニタリングに残します。

5.職員の支援内容を具体化する方法

個別支援計画では、本人が取り組むことと職員が行う支援を混同しないようにします。例えば「作業の手順を覚える」は本人の目標ですが、それを実現するために「写真付き手順書を作り、開始時に一緒に確認する」のは職員の支援です。

「見守る」「必要に応じて支援する」だけでは、担当者によって解釈が変わります。いつ、誰が、何を確認し、どのように対応するかまで具体化すると、支援が共有しやすくなります。ただし、本人が望まない頻度で介入することがないよう、希望を確認して調整します。

  • 体調面:作業開始前に体調を聞き取り、負担がある日は休憩や作業量を相談する
  • 作業面:工程を一つずつ説明し、見本や写真付き手順書を使う
  • 環境面:本人の希望を確認し、座席や音・刺激の少ない場所を検討する
  • 相談面:声かけだけでなく、筆談やメモなどの方法を用意する
  • 連携面:本人の意向を踏まえ、必要な情報を職員間で共有する

障害名だけで支援方法を一律に決めることも避けます。同じ診断名であっても、苦手な状況や希望する配慮は人によって異なります。本人の状態と、実際に試した支援の結果を見ながら調整します。

支援記録にも、例えば「作業開始前に手順書を確認。途中で質問があり、職員が工程を説明した後は作業を再開できた」と書けば、計画と日々の支援がつながります。一方「問題なく作業した」だけでは、どの支援が有効だったか分かりにくくなります。

6.モニタリング・評価の記入例

モニタリングは、目標を達成したかどうかに印を付ける作業ではありません。本人がどう感じているか、どの支援が役立ったか、続けることに負担がないかを確認し、次の計画につなげます。

6-1.評価文の具体例

書き方記入例
通所の評価週3日を目安とした通所について、体調による欠席はあったが、欠席時の連絡を行えていた。本人は現在の利用日数を継続したいと希望している。
作業の評価袋詰め工程は手順書を見ながら実施できた。検品は職員の確認を必要とする場面があり、次期も見本を使った支援を継続する。
相談の評価困りごとを口頭で伝えるのは難しい場面があったが、メモでの相談は行えていた。本人の希望を確認し、伝達方法を継続する。

この記入例は実績ではなく、評価文の書き方を示したものです。「できた」「できなかった」の二択ではなく、本人の発言、実施できたこと、必要な支援、次の対応をまとめています。

6-2.未達成の場合の見直し方

例えば「週3日通所する」という目標が達成できなかった場合、「未達成のため継続」とだけ書くと、次に何を変えるのか分かりません。朝の体調が整わないのか、通所時間が長いのか、作業内容が負担なのかを、本人と一緒に確認します。

そのうえで「当面は週2日の午後利用を続け、体調が安定したら本人と相談して変更を検討する」など、次の支援方針を明確にします。状況が変化した場合には、予定の見直し時期を待たずに計画の変更を検討してください。

モニタリング時には、日々の記録、本人の希望、職員の観察、必要に応じた関係機関からの情報を照らし合わせます。変更した計画については、必要な説明や同意・交付の手続きを行い、変更理由と経過を残します。

7.運営指導への備えとよくある質問

運営指導では、完成した個別支援計画書だけでなく、作成に至る過程や支援の実施状況も確認されます。アセスメント、原案、個別支援会議、説明・同意・交付、モニタリングの記録がつながっているかを日頃から確かめておくことが大切です。

元の記事でも、個別支援計画が未作成の場合や手続きが不十分な場合、減算対象となる可能性が説明されています。減算率や適用期間などの具体的な取扱いは改定・通知で確認が必要なため、実務では最新の報酬告示・留意事項通知と指定権者の案内を確認してください。

  • アセスメントの日付、実施者、本人の希望が記録されているか
  • 原案作成日、個別支援会議の開催日・参加者・意見が分かるか
  • 計画の説明・同意・交付を行った記録が残っているか
  • 計画の期間と、モニタリングや更新の予定を管理できているか
  • 計画上の支援が日々の記録にも反映されているか
  • 本人の状況が変わった際、必要な見直しを検討しているか

7-1.よくある質問

Q.本人が会議でうまく話せない場合は? 本人の参加や意思表明を支える方法を考えます。二択の質問、筆談、絵や写真などを使い、本人の意向を確かめます。参加が難しい事情がある場合には、対応と理由を記録し、適用されるルールを確認します。

Q.計画書に「工賃向上」を目標として書いてもよいですか? 本人の希望と状況に合うなら検討できます。ただし「工賃を上げる」だけで終わらせず、担当できる工程や支援内容を具体的にします。工賃の額を保証する表現は避けましょう。

Q.目標が達成できたら同じ計画を続けてもよいですか? 本人が継続を希望し、必要性がある場合は考えられますが、達成状況と継続する理由を確認します。新しい課題や希望があれば、本人と相談して見直します。

Q.作成・更新の期限はどう管理しますか? 利用者ごとに、アセスメント日、会議日、説明・同意日、交付日、計画期間、次回モニタリング予定日を一覧で管理し、担当者以外も確認できるようにします。

作成手順や制度について確認したい場合は、就労継続支援B型のサービス内容や計画相談支援の案内も参考になります。制度上の手続きは、国・自治体の最新資料に基づき運用してください。

まとめ

就労継続支援B型の個別支援計画書は、本人の希望と日々の支援をつなぐためのものです。「長期目標・短期目標」「本人の取り組み」「職員の支援内容」「評価方法」を対応させることで、計画を実践に活かしやすくなります。

  • 記入例はそのまま転用せず、本人の希望とアセスメント結果に合わせる
  • 作業や通所の目標だけでなく、職員が行う具体的な支援を記載する
  • モニタリングでは本人の感想と、支援の結果・見直し理由を残す

まずは現在の計画書を一つ選び、本人の目標と職員の支援が対応しているか確認してみてください。作成手続きの記録や更新予定も併せて整理すると、日々の支援と運営管理の両方に役立ちます。

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