就労継続支援B型の仕事内容や作業内容、1日の流れをわかりやすく解説します。対象者や利用条件、平均工賃、利用手続きに加え、就労継続支援A型や就労移行支援との違いも比較。事業所選びのポイントや工賃を上げる方法、利用するメリット・デメリットまで詳しく紹介します。
1. 就労継続支援B型とは?対象者やサービス内容を徹底解説
就労継続支援B型は、一般企業や就労継続支援A型で働くことが難しい方が、職員の支援を受けながら作業に取り組める福祉サービスです。毎日決まった時間に働くことが難しい方や、体調を整えながら少しずつ作業に慣れていきたい方などが利用しています。
事業所では、商品の袋詰めや検品、清掃、食品加工の補助、パソコン入力など、さまざまな作業が行われています。職員に作業の進め方を教えてもらったり、その日の体調に合わせて作業量を調整したりしながら取り組みます。企業先へ出向いて作業する施設外就労を行っている事業所もあります。
厚生労働省でも、一般企業などで働くことが難しい方へ作業の機会を提供し、就労に必要な知識や能力を身につけるための支援を行うサービスとして示されています。
B型では、利用者と事業所が原則として雇用契約を結びません。そのため、作業によって受け取るお金は一般企業の給料ではなく「工賃」と呼ばれます。商品の販売や企業から受けた仕事による売上から、材料費などの必要経費を差し引き、残った金額をもとに工賃が支払われます。
利用日数や作業時間は、本人の体調や生活状況に合わせて事業所と相談します。週に数日から始める方もいれば、午前中だけ利用する方もいます。体調が安定してきたら、少しずつ利用日数や作業時間を増やすこともできます。
B型事業所で受けられる支援は、作業の説明だけではありません。定期的に通うことで生活リズムを整えたり、体調や人間関係の悩みを職員へ相談したりできます。一般就労を希望している方には、今後の働き方や必要な準備について一緒に考える支援も行います。 作業だけを目的にするのではなく、本人が無理なく通い続けられる方法を一緒に考えることも、就労継続支援B型事業所の大切な役割です。
1-1. 就労継続支援B型の対象者と利用条件をわかりやすく紹介
就労継続支援B型は、一般企業や就労継続支援A型で働くことが難しい方が、職員の支援を受けながら作業に取り組む障害福祉サービスです。毎日決まった時間に働くことが難しい方や、体調を確認しながら少しずつ作業に慣れていきたい方などが利用しています。
利用できるかどうかは、障害名や年齢だけを見て決まるわけではありません。市区町村は、現在の体調や日常生活の様子、これまでの就労経験、本人が必要としている支援を確認したうえで支給決定を行います。
たとえば、以前は一般企業で働いていたものの、体力や心身の状態が変化し、勤務を続けることが難しくなった方が利用しています。就労移行支援を利用しても一般就労に結びつかなかった方や、週に数日、短い時間から作業を始めたい方も対象になることがあります。
一般企業で働いた経験がない方でも、本人の状態や支援の必要性によって利用できる場合があります。職員に作業手順を確認しながら取り組みたい、体調に合わせて作業量を調整したいといった希望も、利用を検討する際の大切な情報になります。([厚生労働省][1])
利用を希望する場合は、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口へ申請します。支給決定を受けると、障害福祉サービス受給者証が交付され、利用する事業所と契約を結びます。
障害者手帳を持っていない方でも、医師の診断書や自立支援医療受給者証などによって申請できることがあります。必要な書類や手続きは自治体によって異なるため、手帳がない方や利用できるか分からない方は、市区町村の窓口や相談支援事業所へ早めに相談すると安心です。
1-2. 就労継続支援B型事業所で受けられる主なサービス一覧
就労継続支援B型では、利用者に仕事を用意して工賃を支払うだけでなく、通所や作業を続けるための支援も行います。支援の内容は事業所によって異なりますが、作業面と生活面の両方について職員へ相談できます。
作業を始めるときは、職員が手順や注意点を説明します。初めての仕事では、完成した見本を見せたり、一つの作業を短い工程に分けたりして、取り組みやすい方法を考えます。細かな作業が難しい場合は道具を用意し、疲れやすい方には作業時間や量を調整します。
作業中に手が止まっているときや、いつもよりミスが増えているときは、職員が声をかけて体調や困っていることを確認します。作業が早くできることだけを求めるのではなく、本人が続けやすい進め方を一緒に考えることも支援の一つです。
利用開始時には、睡眠や食事、体調の変化について確認する事業所もあります。欠席や遅刻が増えたときは、生活リズムや利用時間が本人の状態に合っているかを話し合います。人間関係や家庭での困りごとについて相談を受ける場合もあります。
体調の変化が続いているときは、本人の同意を得たうえで医療機関と情報を共有します。生活上の課題がある場合は、相談支援事業所や家族と連絡を取り、誰がどのような支援を行うのかを話し合うこともあります。
一人での通所が難しい方や、公共交通機関を利用しにくい方のために、送迎を行っている事業所もあります。昼食を提供している事業所もありますが、送迎範囲や食事代、利用条件はそれぞれ異なります。
在宅での作業支援や、企業先へ出向いて仕事を行う施設外就労を取り入れている事業所もあります。一般就労を希望する方には、履歴書の作成、面接練習、求人の探し方について支援する場合があります。
事業所を選ぶときは、工賃額だけで決めず、希望する仕事があるか、体調が悪い日に相談できるかを見学や体験利用で確認します。送迎や昼食、在宅支援を希望する場合は、実際に利用できる条件も聞いておくと安心です。

2. 就労継続支援B型の仕事内容と1日の作業の流れを詳しく解説
就労継続支援B型では、軽作業から食品加工、パソコンを使った仕事まで、事業所ごとにさまざまな作業が用意されています。どの仕事を行うかは、事業所が取引している企業や地域の産業、利用者の希望や得意なことによって変わります。
企業から受けた商品の袋詰めやシール貼り、検品、部品の組立などは、就労継続支援B型でよく行われている仕事内容です。清掃、農作業、食品加工の補助など、体を動かす仕事を取り入れている事業所もあります。
パソコンを使う作業では、商品の撮影、画像のトリミング、商品情報の入力、インターネットへの出品などを行います。書類のデータ入力やチラシ作成を担当する場合もあります。パソコン操作が初めての方には、職員が入力方法や作業手順を説明します。
1日の過ごし方は、事業所によって多少異なります。通所後は職員が睡眠や体調を確認し、その日に担当する作業を決めます。体調がすぐれない場合は、作業量を減らしたり、座ってできる仕事へ変更したりすることもあります。
作業を始める前には、職員から手順や注意点の説明を受けます。初めての仕事では完成した見本を見たり、職員と一緒に練習したりしてから取り組みます。午前中に一度休憩を取り、昼食後に午後の作業を行う流れが一般的です。
作業後は、完成した数量や困った点を職員と確認します。使用した道具や作業場所を片づけ、その日の体調や作業の様子を記録して終了します。 利用時間や通所日数は、利用者によって異なります。午前中だけ利用する方や、週に2日ほどから始める方もいます。体調が安定してきたら少しずつ利用時間を延ばすなど、職員と相談しながら自分に合った通い方を決められます。
2-1. 就労継続支援B型事業所で行われている作業内容と業務の特徴
就労継続支援B型の仕事には、企業から依頼を受けて行う作業のほか、事業所で商品を作って販売する仕事や、企業先へ出向いて働く施設外就労があります。実際の仕事内容は、事業所の設備や地域の企業とのつながりによって変わります。
企業から受ける仕事では、商品の袋詰めやラベル貼り、部品の組立などがよく行われています。完成した商品に傷や汚れがないかを確認したり、発送に使う箱を組み立てたりする作業を担当する場合もあります。
自主製品を扱う事業所では、パンや菓子、弁当などを作り、店舗や地域のイベントで販売します。布小物やアクセサリーなどの雑貨を製作し、インターネットで販売しているところもあります。
農作業を行う事業所では、野菜の栽培や収穫だけでなく、形や大きさを分けて袋に詰めるところまで担当します。そのほか、建物の清掃、リサイクル品の仕分け、古着や中古CDなどの商品確認、撮影、出品作業を行う事業所もあります。
一つの商品が完成するまでの仕事を、複数の利用者で分担することもあります。たとえば、中古商品を販売する場合は、商品の状態を確認する人、写真を撮る人、商品情報を入力する人、梱包する人に役割を分けます。
どの工程を担当するかは、本人の希望や得意なこと、体調を確認しながら決めます。細かな作業が得意な方には検品やシール貼り、パソコン操作が好きな方には入力や出品作業を提案することがあります。
作業の速さだけでなく、手順を守って丁寧に取り組めたか、分からないときに職員へ相談できたかも確認します。体調がすぐれない日は負担の少ない工程へ変更し、作業に慣れてきたら別の仕事へ挑戦するなど、本人の状態に合わせて役割を見直していきます。
3. 一般企業との違いを比較!就労継続支援B型で働くメリット・デメリット
一般企業で働く場合と就労継続支援B型を利用する場合では、契約の形や受け取るお金が異なります。
一般企業では会社と雇用契約を結び、労働者として働きます。会社が定めた勤務日や担当業務に沿って働くことが基本で、給与には最低賃金が適用されます。出勤時間や休暇、仕事の進め方については、会社の就業規則を守らなければなりません。
就労継続支援B型では、原則として事業所と雇用契約を結びません。作業によって受け取るお金は給料ではなく、工賃と呼ばれます。最低賃金は原則として適用されず、事業所の売上や工賃の計算方法、利用日数などによって支給額が変わります。
B型を利用するメリットは、本人の体調や生活状況に合わせて通い方を相談できることです。午前中だけ利用したり、週に2日ほどから始めたりする方もいます。毎日決まった時間に働くことが難しい時期でも、職員と相談しながら作業時間を決められます。
作業手順が分からないときや、体調がすぐれないときに、その場で職員へ相談できることもB型の特徴です。作業量を減らす、座ってできる仕事へ変更する、早めに休憩を取るといった対応を相談できます。
決まった曜日に通うことで、起床や外出の習慣がつく方もいます。職員やほかの利用者と話す機会ができ、人と関わる練習につながる場合もあります。作業や通所が安定してきた方は、就労継続支援A型への移行や一般企業への就職について相談することもできます。
一方で、B型は一般企業に比べて収入が低くなりやすい点に注意が必要です。工賃額や仕事内容は事業所ごとの差が大きく、希望している仕事が必ず用意されているとは限りません。利用日数や作業時間を増やしても、工賃が大きく上がらない場合もあります。
事業所を選ぶときは、工賃額だけで判断せず、実際にどのような作業をするのかを見学や体験利用で確かめます。困ったときに職員へ相談できるか、自宅から無理なく通えるかも確認し、自分の体調や希望に合う事業所を選ぶことが大切です。
4. 就労継続支援B型の給料(工賃)の仕組みと平均月額金額を解説
就労継続支援B型で作業をすると、事業所から「工賃」が支払われます。一般企業の給料と似ていますが、制度上は同じものではありません。
B型では、利用者と事業所が原則として雇用契約を結びません。そのため、工賃に最低賃金は適用されず、事業所ごとに定めた工賃規程や計算方法に沿って金額が決まります。
工賃のもとになるのは、商品の販売や企業から受けた作業によって得た収入です。そこから材料の購入費、商品の仕入れ代、販売にかかった手数料などを差し引き、残った金額を利用者へ配分します。売上が増えても経費が多ければ、工賃が同じように増えるとは限りません。
厚生労働省が公表した令和6年度の全国平均工賃月額は、2万4,141円でした。令和5年度の2万2,649円から、1,492円増えています。([厚生労働省][2])
なお、平均工賃月額の計算方法は令和5年度実績から変更されています。そのため、令和4年度以前の数字と比べるときは、同じ条件で算出された金額ではない点に注意が必要です。
2万4,141円は、全国のB型事業所を集計した平均であり、利用者一人ひとりの支給額を示すものではありません。実際に受け取る工賃は、事業所の計算方法や利用日数、作業時間によって変わります。
たとえば、時間額で工賃を計算する事業所では、1時間当たりの金額に作業時間を掛けて支給額を出します。日額方式では、利用した日数に応じて計算します。作業した数量や完成件数をもとに金額を決める事業所もあります。
同じ月に同じ日数を利用しても、事業所が違えば受け取る工賃が異なることがあります。仕事の単価や売上、必要経費、利用者への配分方法がそれぞれ違うためです。
事業所を見学するときは、平均工賃月額だけでなく、「1時間または1日当たりいくらか」「月に何日利用すると、どの程度の工賃になるか」を聞いておくと安心です。実際の支給例や支払日も確認しておけば、利用後の収入をイメージしやすくなります。
4-1. 工賃(給料)はどのように計算される?工賃ルールと支払い方法
就労継続支援B型の工賃は、事業所が定める工賃規程に沿って計算されます。計算方法や1時間当たりの金額は全国共通ではないため、同じ日数を利用しても、事業所によって受け取る金額が異なることがあります。
作業した時間を基準にするのが時間額方式です。1時間300円の事業所で、1日4時間の作業を月15日行った場合、工賃の目安は1万8,000円になります。欠席や早退があれば、実際に作業した時間に応じて支給額が変わります。
利用した日数をもとに計算する日額方式もあります。1日当たりの工賃が1,000円で、月に15日利用した場合は1万5,000円です。事業所によっては、午前だけ利用した日と一日利用した日で金額を分けていることもあります。
出来高方式では、完成した数量や件数を工賃へ反映します。たとえば、袋詰めした商品の数や、入力を終えたデータの件数に、事業所が定めた単価を掛けて計算します。どの作業が出来高の対象になるのか、1個または1件当たりいくらになるのかは、工賃規程で確認します。
完成数を計算に使っていても、作業量だけで支給額を決めない事業所もあります。利用者全体へ一定額を配分したうえで、作業時間や完成数を加味するなど、複数の方法を組み合わせる場合があります。
工賃規程には、計算方法のほか、工賃の締め日や支払日などが定められています。たとえば、月末までの作業分を集計し、翌月の決められた日に支払うといった形です。指定した銀行口座へ振り込む事業所もあれば、工賃明細を渡して現金で支払うところもあります。
利用を始める前には、工賃が時間額、日額、出来高のどの方法で計算されるのかを聞いておきます。交通費や昼食代などが工賃から差し引かれるのか、欠席や遅刻をした日の扱いがどうなるのかも確認が必要です。
見学や契約時に、月に何日、1日何時間利用した場合の支給例を聞いておくと、実際に受け取る工賃をイメージしやすくなります。
4-2. 就労継続支援B型の工賃が高い事業所はココが違う!特徴と工夫
就労継続支援B型の工賃は、利用者が長い時間作業すれば必ず上がるものではありません。事業所が継続して仕事を確保し、必要経費を差し引いた後に、工賃として配分できる利益を残せているかが大きく影響します。
工賃が高い事業所では、企業から単発の仕事を受けるだけでなく、毎月一定量の仕事を発注してもらえる取引先を確保しています。仕事量が安定すると、翌月以降の売上や工賃を見込みやすくなります。
受注する際は、作業にかかる時間や必要な職員数、資材費などを確認します。長い時間がかかるのに単価が低い仕事を続けると、売上があっても工賃として残る金額は増えません。採算が合わない場合は、取引先と作業単価や納品条件を相談します。
納期と品質を安定させることも、継続受注には欠かせません。納品の遅れや検品ミスが続けば、次の依頼を受けにくくなります。作業手順を統一し、完成後に誰が確認するのかを決めておくと、ミスを減らしやすくなります。
一社からの仕事に売上を頼りすぎないことも大切です。取引先の都合で発注が止まると、その月の工賃原資も減ってしまいます。袋詰め、検品、清掃、パソコン業務など、複数の仕事を確保している事業所は、受注量の変化に対応しやすくなります。
企業先へ出向いて作業する施設外就労を取り入れる事業所もあります。作業内容や契約条件によっては、事業所内の軽作業より高い収入を得られる場合があります。ただし、利用者の体調や移動手段、現場での支援体制も確認しなければなりません。
自主製品を販売している事業所では、作ることだけでなく、実際に売れる商品にする工夫が必要です。売れ行きが伸びない場合は、原価に合った価格になっているか、包装が分かりやすいかを見直します。地域の店舗やイベントに加え、インターネットで販売する方法もあります。
インターネット販売では、商品の撮影、説明文の入力、在庫の確認、梱包、発送準備までを利用者の作業にできます。一つの商品を複数の工程に分ければ、それぞれの得意な仕事を担当しやすくなります。
作業工程の見直しも工賃へ影響します。部品を同じ位置に置ける治具や、写真入りの手順書を用意すると、作業の間違いややり直しを減らせます。同じ時間で納品できる数量が増えれば、利用者へ配分できる工賃も確保しやすくなります。
工賃が高い事業所は、利用者へ無理に作業量を求めるのではなく、仕事の単価、受注量、販売方法、作業手順を見直しています。安定して通える支援を続けながら、事業所全体の売上を増やす取り組みが工賃向上につながります。

5. 収入アップのためにできること:工賃を上げる5つの方法
就労継続支援B型で工賃を増やすには、利用者が作業に慣れることだけでなく、事業所が安定した仕事を確保し、取り組みやすい作業環境を整えることも欠かせません。ここでは、利用者の立場から確認できる5つの方法を紹介します。
①得意な作業や続けやすい工程を見つける
細かな作業が得意な方は、検品やシール貼りなどで力を発揮しやすくなります。パソコン操作が好きな方であれば、商品情報の入力や画像のトリミングが向いているかもしれません。
得意な工程を担当すると、作業手順を覚えやすくなり、ミスややり直しを減らせる場合があります。苦手なことや疲れやすい作業も職員へ伝え、続けやすい仕事を一緒に探します。
②体調を崩さない範囲で通所を安定させる
時間額や日額で工賃を計算する事業所では、利用した時間や日数が支給額へ影響します。安定して利用できる日が増えると、月の工賃が増えることがあります。
ただし、収入を増やすために利用日数を急に増やし、体調を崩してしまっては継続できません。まずは決めた曜日に通うことから始め、体調が安定してから利用時間や日数を見直します。
③新しい作業を覚えて仕事の幅を広げる
同じ作業を続けるだけでなく、別の工程を覚えることも工賃アップにつながる場合があります。たとえば、袋詰めだけでなく検品まで担当したり、商品の確認に加えて撮影やデータ入力を覚えたりする方法です。 担当できる工程が増えると、仕事量が変わったときにも別の作業へ入りやすくなります。新しい仕事へ挑戦するときは、職員から手順を教えてもらい、少しずつ練習します。
④希望する仕事内容や働き方を職員へ伝える
「パソコンを使う仕事をしてみたい」「午後になると疲れやすい」「細かな作業のほうが集中できる」といった希望は、職員へ具体的に伝えます。
本人の希望が分からなければ、職員も担当する工程を調整しにくくなります。定期的な面談やモニタリングの機会を使い、希望する作業や利用時間、今後身につけたいことを相談します。
⑤事業所の工賃実績と計算方法を確認する
工賃額は、事業所によって差があります。見学時には平均工賃月額だけでなく、時間額や日額、出来高のどの方法で計算しているのかを確認します。
月に何日、1日何時間利用した場合に、どの程度の工賃になるのかを聞いておくと比較しやすくなります。仕事が毎月安定してあるか、どのような作業を担当できるかも確認しておきます。 工賃が高くても、作業内容や利用時間が本人に合わなければ、通所を続けることが難しくなる場合があります。見学や体験利用を通じて、工賃の金額だけでなく、仕事内容や職員の支援、通いやすさも確かめることが必要です。
5-1. 工賃向上計画やスキルアップ研修の活用方法
B型事業所が工賃を上げるには、現在の売上や経費を確認し、どの仕事を伸ばすのかを決める必要があります。その方針と目標をまとめるのが工賃向上計画です。
計画を作るときは、まず前年度の平均工賃月額を確認します。次に、作業ごとの売上から材料費や販売手数料などを差し引き、どの仕事が実際に工賃へつながっているのかを調べます。
売上が多く見える仕事でも、材料費や作業時間がかかりすぎていれば、工賃として残る金額は少なくなります。作業別に数字を分けて確認すると、続ける仕事と見直す仕事を判断しやすくなります。
目標は「工賃を上げる」と書くだけでは、進み具合を確認できません。「半年以内に新しい取引先を2社開拓する」「作業Aの材料費を5%減らす」など、期限と数値を入れて決めます。企業から受けている仕事の単価が低い場合は、作業時間や納品数を示して取引条件を相談します。自主製品の売れ行きが良くない場合は、価格や包装、販売する場所を見直します。施設外就労を始める場合は、仕事の内容だけでなく、移動方法や現場での支援体制も確認します。
計画を作った後は、毎月の売上と工賃額を記録し、目標との差を確認します。数字が伸びていないときは、受注量が足りないのか、単価が低いのか、必要経費が増えているのかを調べます。原因が分かれば、次に見直す内容も決めやすくなります。
利用者が担当できる仕事を増やすには、作業練習や研修も役立ちます。商品出品の仕事では、写真の撮り方や商品情報の入力方法を練習します。店舗で販売する事業所では、あいさつや接客、商品の受け渡し方を学ぶこともあります。
新しい工程へ入るときは、職員が手順を説明し、見本を使いながら練習します。最初から一人で任せるのではなく、短い工程から始め、慣れてから担当範囲を広げます。
工賃を上げるために、本人が希望していない仕事や、体調に合わない訓練を無理に行うことは避けます。「パソコン作業を覚えたい」「細かな作業を続けたい」など、本人の希望を確認したうえで研修内容を決めます。
研修後は、覚えた作業を実際に担当できているかを確認します。新しい工程を担当したことで仕事量が増えたか、工賃に反映されたかも面談や記録で振り返ります。計画と研修を別々に進めず、実際の仕事と工賃へ結びつけて確認することが必要です。
6. 就労継続支援A型・B型・就労移行支援の違いを専門家が比較・解説
就労継続支援A型、B型、就労移行支援では、利用する目的や事業所での過ごし方が異なります。どのサービスが合うかは、現在の体調や働いた経験、一般企業への就職を希望する時期によって変わります。
就労継続支援A型では、利用者と事業所が雇用契約を結びます。利用者は労働者として働くため、最低賃金が適用され、事業所から給与が支払われます。雇用契約で定められた勤務日や時間に沿って通所し、担当する仕事を行います。
A型は、一般企業で働くことに不安があるものの、決められた時間に通所し、雇用契約に基づいて働ける方に向いています。勤務を続けるための支援を受けながら、食品加工、清掃、軽作業、パソコン業務などに取り組みます。
就労継続支援B型では、原則として雇用契約を結びません。作業によって支払われるお金は給与ではなく、工賃です。最低賃金は適用されず、事業所の売上や工賃規程、利用日数などによって金額が決まります。
B型では、午前中だけ利用したり、週に数日から始めたりすることがあります。職員へ体調を相談し、作業時間や作業量を調整しながら取り組めるため、毎日決まった時間に働くことが難しい方も利用しています。
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方が利用するサービスです。事業所で仕事をして収入を得ることよりも、就職に向けた準備や訓練が中心になります。
訓練内容は事業所によって異なりますが、パソコン操作、ビジネスマナー、履歴書の作成、面接練習などを行います。職場実習へ参加したり、職員と求人を探したりしながら、一般企業への応募を進めます。
就労移行支援の利用期間には原則として上限があります。限られた期間の中で就職活動を進めるため、すぐに一般就労を目指すのか、まずは通所や作業に慣れたいのかを考える必要があります。
毎日決まった時間に働き、給与を受け取りたい場合はA型が選択肢になります。体調に合わせて短時間から作業を始めたい場合は、B型を検討します。一般企業への就職に向けて訓練や応募の支援を受けたい場合は、就労移行支援が合う可能性があります。
制度名だけで決めず、見学や体験利用を通じて、実際の仕事内容や利用時間、職員の支援を確認します。判断に迷うときは、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所へ相談し、現在の状態に合うサービスを検討します。

7. 就労継続支援B型の利用手続きや必要書類をわかりやすくまとめ
就労継続支援B型の利用を考え始めたら、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所へ連絡します。「B型を利用できるか分からない」「自分に合う事業所を探したい」といった段階でも相談できます。
気になる事業所がある場合は、直接連絡して見学を申し込みます。見学では、実際の作業場所や仕事内容、利用時間、送迎の有無などを確認します。体験利用ができる事業所であれば、作業の進め方や職員へ相談しやすい雰囲気かどうかも確かめられます。
事業所探しと並行して、市区町村へ障害福祉サービスの利用申請を行います。申請後は、現在の体調や日常生活の様子、これまで働いた経験について担当者から聞き取りがあります。週に何日利用したいか、どのような支援を希望しているかも伝えます。
聞き取りの内容をもとに、サービス等利用計画案を作成します。相談支援事業所へ作成を依頼する方法のほか、本人や家族がセルフプランを提出できる場合もあります。
市区町村が利用を認めると、障害福祉サービス受給者証が交付されます。受給者証には、利用できるサービスの種類や支給量、有効期間などが記載されています。手続きの詳しい進め方は、厚生労働省の事務処理要領をもとに各自治体が定めています。([厚生労働省][4])
申請時には、申請書と本人確認書類のほか、障害の状況を確認できる書類を提出します。障害者手帳を持っている方は手帳を提示し、手帳がない場合は医師の診断書や自立支援医療受給者証などを使えることがあります。
必要な書類は市区町村ごとに違います。診断書が必要な場合は医療機関での作成に日数がかかることもあるため、窓口へ事前に確認しておくと書類の不足を防げます。
受給者証が届いたら、利用するB型事業所と契約を結びます。契約時には、利用日や利用時間、工賃の計算方法、欠席時の連絡方法などについて説明を受けます。
その後、本人の希望や体調、取り組みたい作業について職員と話し合い、個別支援計画を作成します。支援内容を確認して同意した後、決めた日から利用を開始します。
相談から受給者証の交付までにかかる期間は、自治体や申請内容によって異なります。利用を始めたい時期が決まっている場合は、見学や書類準備に必要な日数も考え、余裕を持って窓口へ連絡します。
8. よくある質問Q&A:就労継続支援B型の給料・収入や相談先
Q.B型では給料を受け取れますか?
作業をすると、事業所からお金を受け取れます。ただし、一般企業で支払われる給料ではなく「工賃」と呼ばれます。
B型では原則として雇用契約を結ばないため、工賃には最低賃金が適用されません。実際の金額は、事業所の工賃規程や利用日数、作業時間などによって決まります。
Q.工賃は毎月同じですか?
毎月同じとは限りません。時間額や日額で計算する事業所では、利用した日数や作業時間が少ない月は、工賃も下がることがあります。
完成した数量をもとに計算する事業所では、作業数によって支給額が変わります。毎月一定額を支払うところや、複数の計算方法を組み合わせているところもあります。
Q.全国平均はいくらですか?
令和6年度の全国平均工賃月額は、2万4,141円です。([厚生労働省][2])
この金額は、全国の就労継続支援B型事業所を集計した平均です。利用者一人ひとりの支給額を示すものではなく、実際に受け取る工賃は事業所や利用状況によって異なります。
Q.障害者手帳がなくても利用できますか?
障害者手帳を持っていなくても、利用できることがあります。医師の診断書や自立支援医療受給者証などで障害や病気の状態を確認し、市区町村が利用の可否を判断します。
利用できるか分からない場合は、市区町村の障害福祉担当窓口へ相談すると、申請に使える書類や手続きについて案内してもらえます。
Q.どこへ相談すればよいですか?
就労継続支援B型の利用手続きについては、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所へ相談します。事業所探しやサービス等利用計画の作成についても相談できます。
一般企業への就職について相談したい場合は、ハローワークや障害者就業・生活支援センターが窓口になります。
利用してみたいB型事業所が決まっている場合は、事業所へ直接連絡して見学を申し込む方法もあります。見学時には、仕事内容や工賃、利用時間、送迎の有無などを確認できます。
9. 就労継続支援B型の給料や収入に関するまとめと今後の展望
就労継続支援B型は、毎日決まった時間に働くことが難しい方が、体調や生活状況に合わせて通所できる障害福祉サービスです。職員へ相談しながら作業時間や作業量を調整し、自分の状態に合った仕事へ取り組みます。
仕事内容は事業所によって異なります。商品の袋詰めや検品を行うところもあれば、食品加工や清掃、農作業を取り入れているところもあります。商品の撮影や情報入力、インターネットへの出品など、パソコンを使う作業を行う事業所もあります。
B型で作業をして受け取るお金は、一般企業の給料ではなく工賃です。原則として雇用契約を結ばないため、工賃には最低賃金が適用されません。
令和6年度の全国平均工賃月額は、2万4,141円でした。([厚生労働省][2]) この金額は全国のB型事業所を集計した平均であり、利用者一人ひとりの支給額を示すものではありません。
実際に受け取る工賃は、利用した時間や日数だけでは決まりません。事業所が採用している時間額、日額、出来高などの計算方法や、作業による売上によっても変わります。同じ日数を利用しても、事業所が違えば支給額が異なることがあります。
工賃を増やすためには、事業所が毎月安定して仕事を確保する必要があります。一度きりの受注に頼らず、継続して仕事を依頼してもらえる企業を増やすことが売上の安定につながります。
作業時間が長いのに単価が低い仕事については、納品数や必要な職員数、材料費を確認します。採算が合わない場合は、取引先と作業単価や契約条件を相談することも必要です。
自主製品を販売している事業所では、商品を作るだけでなく、売れる方法を考えなければなりません。原価に合った価格になっているか、手に取りやすい包装になっているかを確認し、地域の店舗やイベント、インターネット販売などへ販路を広げます。
工賃額は事業所を選ぶ際の一つの基準ですが、それだけで通いやすさは判断できません。工賃が高くても、作業内容や利用時間が本人の状態に合わなければ、通所を続けることが難しくなる場合があります。
見学や体験利用では、実際にどのような作業を行うのかを確認します。体調が悪い日に作業量を調整できるか、困ったときに職員へ相談できるかも見ておきます。
就労継続支援B型を選ぶときは、平均工賃だけでなく、工賃の計算方法、仕事内容、利用時間、職員の支援を確認することが必要です。本人が続けやすい環境の中で経験を積み、希望する働き方につなげられる事業所を選びます。

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