目次
仕事を離れていた期間が長い方からは、このような相談がよくあります。数か月の休職を経て退職した方もいれば、体調を崩してから数年、10年以上仕事をしていない方もいます。家ではある程度動けていても、決まった時間に起きて身支度をし、電車やバスに乗り、人のいる場所で作業するとなると、話は別です。
長いブランクのあとに必要なのは、いきなり就職活動を始めることとは限りません。求人へ応募する前に、日中に外へ出る日をつくる、決めた時間まで作業してみる、体調が悪い日に連絡する、といった練習が役立つことがあります。
就労継続支援B型事業所は、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが現時点では難しい方に、作業や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。利用者は職員と相談しながら、体調や生活状況に合う通所日数、時間、作業内容を考えていきます。
この記事では、仕事のブランクが長い方が働き始めにくい理由、B型事業所で練習できること、見学時に確かめたい点、利用開始までの流れを説明します。一般就労だけを急いで目標にするのではなく、今の自分に合う一歩を考えるための参考にしてください。
- 1.仕事のブランクが長いと、なぜ働き始めにくいのか
- 2.10年働いていなくても、社会とのつながりはつくり直せる
- 3.就労継続支援B型事業所とは
- 4.B型事業所で行う「働く練習」
- 5.仕事が続かなかった方が、利用開始後に気をつけたいこと
- 6.自分に合うB型事業所を選ぶための確認項目
- 7.B型事業所を利用するまでの流れ
- 8.B型事業所を利用したあとの選択肢
- 9.大阪市で働く練習を始めたい方へ
- 10.よくある質問
- 11.まとめ
「働きたい気持ちはある。でも、朝から毎日通えるかと聞かれると答えに詰まる」
1.仕事のブランクが長いと、なぜ働き始めにくいのか
1-1.「仕事ができるか」より通勤前の準備で疲れることがある
長く仕事から離れていると、作業そのものより、家を出るまでの準備が負担になることがあります。起床、洗顔、着替え、朝食、持ち物の確認を済ませ、決めた時間に出発する。仕事をしていた頃には自然に行っていたことでも、しばらく予定の少ない生活が続くと、順番どおりに進めるだけで疲れてしまう場合があります。
特に睡眠時間が安定していない方は、「今日は起きられたから大丈夫」と考えて予定を増やすと、翌日に強い疲れが出ることがあります。働く準備を考えるときは、一度だけ早起きできたかではなく、週に何回なら同じ流れを繰り返せそうかを見る必要があります。
B型事業所を見学するときも、事業所にいる間だけで判断しないようにしましょう。帰宅後に横にならず過ごせたか、翌朝に疲れが残っていないかまで確認すると、現在の自分に合う通所時間を考えやすくなります。
1-2.人のいる場所で過ごす感覚が戻るまで時間がかかる
自宅で一人で過ごす時間が長いと、人が出入りする場所にいるだけで落ち着かなくなることがあります。会話をしていなくても、周囲の物音、視線、人の動きが気になり、帰宅後にどっと疲れる方もいます。
これは、意欲が足りないからではありません。刺激の少ない環境に慣れていたところへ、複数の音や情報が入ってくるためです。初めての場所で説明を聞き、知らない人と同じ部屋で作業すれば、普段より疲れやすいのは自然なことです。
見学や体験利用では、「ほかの利用者と話せたか」だけでなく、作業場の音量、席の間隔、休憩場所、職員への声のかけやすさも確かめてください。静かな席を希望できるか、体調が悪くなったときに少し離れて休めるかなど、環境面の確認が継続利用につながります。
1-3.過去の退職経験が次の行動を止めてしまう
以前の仕事を欠勤が続いて辞めた方、職場の人間関係で体調を崩した方、仕事を覚える前に退職した方は、「また同じことになるのでは」と考えやすくなります。求人を見ても、応募後の失敗を先に想像し、画面を閉じてしまうことがあります。
ただし、仕事が続かなかった理由をすべて本人の能力だけで説明することはできません。朝の通勤時間が体調に合っていなかった、口頭だけの指示が理解しにくかった、質問できる相手が決まっていなかった、休憩を取るタイミングがわからなかったなど、環境との組み合わせが影響している場合があります。
B型事業所では、作業をしながら「どの説明ならわかりやすいか」「何時間で疲れが強くなるか」「困ったときにどのような声かけが必要か」を確認できます。過去を責めるためではなく、次に同じ負担を繰り返さないために振り返ることが役立ちます。
1-4.空白期間を説明することへの抵抗がある
長いブランクがあると、面接で空白期間をどう説明すればよいか悩みます。体調や家庭の事情について、どこまで話すべきかわからない方もいるでしょう。
B型事業所を利用する段階では、面接用のきれいな説明を準備する必要はありません。見学では、「体調を崩して退職したあと、家で過ごす期間が長くなった」「働きたいが、現在できる時間がわからない」といった伝え方で十分です。
利用を続ける中で、自分が苦手なこと、できるようになったこと、必要な配慮が整理されてきます。将来、A型事業所や一般就労へ進むときには、その経験をもとに空白期間の説明を考えられます。今の段階で完璧に説明できないことを理由に、相談を先延ばしにする必要はありません。

2.10年働いていなくても、社会とのつながりはつくり直せる
2-1.社会復帰を「就職できたか」だけで判断しない
社会復帰という言葉を聞くと、一般企業に就職し、週5日働く姿を思い浮かべるかもしれません。しかし、長いブランクがある方にとっては、決まった日に外出することや、家族以外の人とあいさつを交わすことも変化の一つです。
たとえば、月に一度の通院以外は外出していなかった方が、週2回B型事業所へ通えるようになったとします。一般就労ではなくても、起床時間が決まり、移動する機会が増え、作業の報告をする相手ができています。この変化は、その後の生活を考えるうえで小さくありません。
「まだ就職していないから何も変わっていない」と考えると、途中の前進が見えなくなります。今できていることを確認しながら、その次に試すことを考えるほうが、無理のない社会参加につながります。
2-2.利用日数を増やすことだけが目標ではない
B型事業所の利用を始めると、週2日から週3日へ、午前だけから一日利用へと増やすことが目標になりがちです。しかし、日数を増やしたあとに体調を崩し、欠席が続くなら、現在の負担が大きすぎる可能性があります。
一度増やした日数を減らすこともあります。午前中は安定しているものの、昼食後に強い疲れが出るため、しばらく午前利用へ戻す方もいます。反対に、通所日数は増やさず、一回の作業時間だけ少し延ばす方法もあります。
利用を始めても、体調や生活状況によって予定どおり進まないことがあります。体調や季節、通院、家庭の状況によっても変わります。変更が必要なときに職員へ相談し、無理のない形へ調整できること自体が、働き続けるための練習になります。
2-3.小さな変化を記録すると自分の状態が見えやすい
長いブランクのあとでは、自分がどの程度動けるのか本人にもわからないことがあります。そこで役立つのが、簡単な記録です。
通所した日、作業した時間、帰宅後の疲れ、睡眠時間を短く書いておくと、「週の後半に疲れやすい」「電車が混む時間は負担が大きい」「検品作業は集中しやすい」といった傾向が見えてきます。毎日細かく記録する必要はありません。○、△、×だけでも振り返りの材料になります。
職員との面談で記録を見ながら話すと、「何となくしんどい」だけでは伝えにくい状態を共有しやすくなります。自分に合う利用方法を探すための記録であり、できなかった日を責めるためのものではありません。
3.就労継続支援B型事業所とは
3-1.雇用契約を結ばず、作業や生産活動に取り組む福祉サービス
就労継続支援B型は、障害や病気などの影響により、一般企業や雇用契約に基づく働き方が現時点では難しい方を対象とした障害福祉サービスです。利用者は事業所で作業や生産活動に取り組み、その対価として工賃を受け取ります。
一般企業や就労継続支援A型とは異なり、原則として事業所との雇用契約は結びません。そのため、工賃は最低賃金が適用される給与とは仕組みが異なります。
雇用契約がないとはいえ、好きな時間に自由に出入りする場所ではありません。利用日や開始時間、作業手順、欠席時の連絡など、事業所ごとのルールがあります。一方で、本人の体調や障害特性に応じて、利用時間や作業内容を相談しやすいことがB型の特徴です。
就労継続支援B型の対象者や利用条件について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→「B型事業所の軽作業とは?袋詰め・シール貼り・検品の仕事内容を紹介」
3-2.利用できるかどうかは自治体が確認する
仕事のブランクが長いだけで、B型事業所の利用が決まるわけではありません。障害や病気の状態、これまでの就労経験、現在の生活、一般企業で働くことが難しい理由などを確認したうえで、市区町村が障害福祉サービスの支給決定を行います。
障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断書などにより状態が確認され、市区町村が必要性を認めた場合には利用できることがあります。必要な書類や手続きは状況によって異なるため、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口へ確認してください。
対象になるかわからない段階で、B型事業所へ相談しても構いません。事業所の見学をしたあと、自治体や相談支援事業所への相談方法を案内してもらえる場合があります。
3-3.A型事業所や一般就労との違い
一般企業では雇用契約を結び、勤務時間や仕事内容に応じた給与を受け取ります。就労継続支援A型でも雇用契約を結ぶため、最低賃金が適用され、一定の勤務日数や作業遂行が求められます。
B型事業所では雇用契約を結ばず、作業による収益などから工賃が支払われます。短い時間から始めたり、職員の支援を受けながら作業手順を確認したりしやすい一方、一般企業の給与と同じ収入を得られるサービスではありません。
どちらが上か下かで選ぶものではなく、現在の状態に合うかどうかで考えます。安定して勤務できる状態ならA型や一般就労が候補になります。まず通所習慣をつくりたい、作業中の疲れ方を確認したい場合は、B型事業所から始める方法があります。
就労継続支援A型について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
→「A型事業所で働くメリット・デメリットとは?「やめとけ」と言われる理由や向いている人も解説」
3-4.利用期間に一律の期限はない
B型事業所には、すべての利用者に共通する一律の利用期限はありません。長く安定して利用する方もいれば、通所や作業が安定したあとにA型事業所、就労移行支援、一般就労へ進む方もいます。
利用開始時には、本人の希望や現在の課題をもとに個別支援計画を作成します。「週2回通う」「作業終了時に報告する」「疲れが強くなる前に相談する」など、現状に合う目標を設定します。
目標は利用中に変わって構いません。最初は生活リズムを整えることが中心でも、利用が安定してから新しい作業や就職を考える場合があります。反対に、体調の変化に合わせて目標を見直すこともあります。
4.B型事業所で行う「働く練習」
4-1.決めた日に通所する
働く練習というと、作業の速さや技術を思い浮かべますが、最初は事業所まで通うこと自体が練習になります。前日に持ち物を準備し、朝起きて家を出る。交通機関を利用し、開始時間までに到着する。この一連の流れを繰り返すことで、生活の中に予定ができます。
遅刻や欠席が一度もない状態を最初から求める必要はありません。朝起きられなかった日には、前日の睡眠や服薬、予定の入れ方を職員と振り返ります。通所時間を少し遅らせる、連続した利用日を避けるなど、事業所と相談できる場合もあります。
通えなかった日を失敗として終わらせず、次回の通所に必要な調整を見つけることが、継続につながります。
4-2.作業を始め、休憩し、再開する
仕事では、作業を始める力だけでなく、休憩後に戻る力も必要です。集中しすぎて休憩を忘れる方もいれば、一度休むと気持ちを切り替えにくい方もいます。
B型事業所では、決められた時間に作業を始め、途中で休憩し、再び作業へ戻る流れを経験できます。最初は短時間でも、終了時刻まで取り組めたか、休憩後に再開できたかを見ることができます。
疲れたときに黙って席を離れるのではなく、職員へ一言伝えて休む練習も必要です。自分の状態を伝えられると、将来の職場でも無理を抱え込みにくくなります。
4-3.説明を聞き、わからない部分を確認する
作業の説明を一度聞いただけで覚えられないことは珍しくありません。長く仕事から離れていると、複数の手順を続けて聞くだけで頭がいっぱいになる場合があります。
そのようなときは、「一つずつ説明してほしい」「見本を置いてほしい」「手順を紙で確認したい」と伝えてみましょう。どの方法なら理解しやすいかを知ることは、作業を覚えることと同じくらい役立ちます。
質問することに抵抗がある方は、作業開始前に「わからなくなったら誰に聞けばよいですか」と確認しておくと声をかけやすくなります。質問ができずに間違いを重ねるより、途中で確認できるほうが仕事は安定します。
4-4.自分に合う作業を知る
B型事業所では、袋詰め、シール貼り、検品、仕分け、梱包、食品に関する作業、清掃、パソコン入力、商品の撮影や出品など、さまざまな作業が行われています。実際の内容は事業所によって異なります。
細かい確認が得意な方もいれば、同じ作業を続けると集中が切れやすい方もいます。座って行う作業より、少し体を動かす作業のほうが取り組みやすい場合もあります。
最初に選んだ作業が合わなくても、働くこと自体が向いていないとは限りません。作業の種類、説明方法、時間、周囲の音など、負担になっている要因を分けて考えます。体験利用では、作業の出来だけでなく、どの部分で疲れたかを確認してください。
4-5.報告・連絡・相談を練習する
仕事が続かなかった方の中には、体調不良や困りごとを言い出せず、限界まで我慢した経験がある方もいます。B型事業所では、作業が終わったことを報告する、遅れるときに連絡する、説明がわからないときに相談するといったやり取りを練習できます。
最初から上手に説明する必要はありません。「今日は集中しにくい」「手が痛い」「少し休みたい」と短く伝えるだけでも、職員は対応を考えやすくなります。
欠席連絡の方法は、利用開始前に確認しておきましょう。電話が苦手な場合は、事業所で認められている連絡方法があるか尋ねます。休まないことだけでなく、休む必要があるときに連絡できることも、安定した利用の一部です。

5.仕事が続かなかった方が、利用開始後に気をつけたいこと
5-1.調子のよい日に作業量を増やしすぎない
体調がよい日は、遅れを取り戻すように頑張りたくなることがあります。普段より多く作業し、「今日はできた」と感じても、帰宅後や翌日に疲れが強く出るなら、その作業量を繰り返すことは難しいかもしれません。
安定して働くには、一日の最大量より、翌週も続けられる量を知る必要があります。少し余裕があるところで作業を終えることに、物足りなさを感じる方もいます。しかし、翌日の生活が崩れない範囲を見つけることは、長く働くために欠かせません。
作業後の疲れを職員へ伝え、時間や量を調整しましょう。「できたから次は倍にする」ではなく、同じ状態を何回か続けられるかを見てから変更します。
5-2.欠席が続いたときは理由を一緒に整理する
利用開始後に休みが続くことはあります。そこで「やはり自分には無理だった」と利用をやめてしまう前に、何が負担だったかを整理してみましょう。
通所日が連続していた、作業時間が長かった、電車の混雑で疲れた、人の多い席が落ち着かなかった、通院の翌日に予定を入れていたなど、理由が見つかる場合があります。
本人だけでは原因がわからないこともあります。職員や相談支援専門員と話し、週の利用日を離す、開始時間を見直す、作業場所を変えるといった調整を検討します。休んだ事実だけで判断せず、続けやすい条件を探すことが必要です。
5-3.周囲の利用者の工賃や通所日数と比べすぎない
同じ事業所には、長く利用している方も、週5日通っている方もいます。作業が速い人を見て焦ったり、工賃の違いが気になったりすることがあるかもしれません。
しかし、利用開始時期、作業内容、利用時間、体調、目標はそれぞれ異なります。周囲に合わせて急に日数を増やすと、自分の生活が崩れることがあります。
比較するなら、利用開始前と現在の自分を見てください。朝に外出できる日が増えた、欠席連絡ができるようになった、質問する回数が増えたなど、作業数には表れにくい変化もあります。
5-4.合わない事業所を無理に利用し続けない
一度利用を始めた事業所が、必ず自分に合うとは限りません。作業内容、職員とのやり取り、作業場の音、通所距離などが負担になる場合があります。
困っている点を伝え、席や作業、利用時間を調整しても改善しないときは、別の事業所を検討することもできます。事業所を変えることは、働くことを諦めることではありません。
ただし、突然利用を中断する前に、相談支援専門員や自治体の窓口へ相談してください。受給者証やサービス等利用計画の変更が必要になる場合があります。
6.自分に合うB型事業所を選ぶための確認項目
6-1.通所を週に何回繰り返せる距離か
見学の日だけなら、少し遠い事業所にも行けるかもしれません。しかし、週に数回通う場合は、乗り換え、駅からの距離、混雑、雨の日の移動まで考える必要があります。
見学後は、事業所での滞在時間だけでなく、往復の移動を含めて疲れを確認しましょう。仕事内容に魅力があっても、通所だけで体力を使い切ると継続が難しくなります。
送迎を行う事業所もありますが、利用できる地域や時間は異なります。送迎が必要な場合は、問い合わせ時に住所や希望時間を伝えて確認してください。
6-2.作業内容だけでなく、説明のされ方を見る
ホームページに「軽作業」と書かれていても、実際の作業は事業所ごとに異なります。商品を数える、袋へ入れる、シールを貼る、傷を確認するなど、必要な力も違います。
見学では、職員がどのように説明しているかにも注目してください。口頭説明だけか、見本や手順書があるか、質問したときにもう一度説明してもらえるかは、作業の取り組みやすさに影響します。
体験利用ができる場合は、作業速度を評価する場だと考えすぎず、説明が理解しやすかったか、困ったときに声をかけられたかを確認しましょう。
6-3.体調が悪くなったときの対応を聞く
見学時は緊張しているため、元気に見えることがあります。その場で問題なく過ごせても、利用開始後に頭痛、強い疲れ、不安などが出る場合があります。
「途中で体調が悪くなったらどこで休めますか」「作業時間を短くする相談はできますか」「欠席が続いたときはどのように連絡を取りますか」と具体的に尋ねておくと安心です。
休憩場所の有無だけでなく、職員へ伝えやすい雰囲気かも見てください。支援内容が自分に合うかどうかは、調子のよい日の対応より、調子が崩れたときの対応に表れます。
6-4.将来の希望を急かされないか
一般就労を目指したい方もいれば、まず安定した日中活動を続けたい方もいます。見学の段階で将来の目標が決まっていなくても問題ありません。
事業所が本人の希望を聞かず、一律に就職だけを目標にしていないかを確認しましょう。反対に、将来一般就労を考えている場合は、就労移行支援やハローワークなど、外部機関との連携があるかを尋ねます。
現在の状態に合う目標を一緒に考え、変化に応じて見直せる事業所かどうかが重要です。
7.B型事業所を利用するまでの流れ
7-1.自治体、相談支援事業所、希望するB型事業所へ相談する
利用を考え始めたら、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口へ相談します。すでに相談支援専門員がいる場合は、相談支援事業所へ連絡してください。希望するB型事業所へ直接問い合わせ、見学から始めることもできます。
問い合わせでは、すべてを詳しく説明する必要はありません。「仕事のブランクが長く、短い時間から作業を始めたい」「B型を利用できるかわからないので相談したい」と伝えると、見学や手続きについて案内を受けられます。
通院中の方は、主治医や医療機関の相談員にも、働く練習を考えていることを伝えておくとよいでしょう。申請時に診断書などが必要になる場合があります。
7-2.見学で作業環境と利用条件を確認する
見学では、作業内容、利用時間、工賃、昼食、交通費、送迎、欠席連絡の方法などを確認します。質問内容を事前にメモしておくと、緊張しても聞き忘れを減らせます。
現在の状態については、取り繕わずに伝えて構いません。「朝が苦手」「人が多い場所では疲れやすい」「何時間作業できるかわからない」といった情報があると、事業所側も利用方法を提案しやすくなります。
一人で話を聞くことが不安なら、家族や支援者に同行してもらえます。見学当日に利用を決める必要はありません。帰宅後の疲れや印象も含めて検討してください。
7-3.体験利用で一日の流れを確かめる
体験利用では、作業だけでなく、到着から帰宅までの流れを確認します。開始時間に間に合ったか、説明を聞けたか、休憩後に作業へ戻れたか、帰宅後に疲れが残ったかを振り返ります。
初めての場所では普段より緊張するため、作業が遅くなったり、質問できなかったりすることがあります。一回で判断せず、可能であれば複数回体験し、少し慣れた状態も見てみましょう。
体験後に「作業はできたが、人の声が気になった」「午後までいると疲れた」など具体的に伝えると、席や時間の調整を相談できます。
7-4.障害福祉サービスの申請を行う
B型事業所を正式に利用するには、原則として市区町村へ障害福祉サービスの利用申請を行い、障害福祉サービス受給者証の交付を受けます。
申請後は、本人の生活状況、障害や病気の状態、利用を希望する理由などの聞き取りがあります。サービス等利用計画案は、相談支援事業所へ作成を依頼する方法と、本人や家族がセルフプランを作成する方法があります。
新たにB型事業所を利用する方は、年齢や就労経験などにより、就労選択支援によるアセスメントが関係する場合があります。必要な手続きは一人ひとり異なるため、自治体窓口の案内に沿って進めてください。
7-5.受給者証の交付後、事業所と契約する
支給決定後に受給者証が交付されたら、利用するB型事業所と契約を結びます。契約時には、利用日、時間、事業所のルール、工賃、利用者負担、欠席時の連絡方法などの説明を受けます。
説明を聞いてわからない点があれば、その場で確認してください。家族や支援者に同席してもらうこともできます。契約書や重要事項説明書は持ち帰り、後から確認できるよう保管します。
利用開始後は個別支援計画を作成し、現在の状態に合う目標を決めます。開始時の予定どおりに進まない場合は、面談で見直します。

8.B型事業所を利用したあとの選択肢
8-1.B型事業所で安定した生活と作業を続ける
B型事業所の利用後、必ずA型や一般就労へ移らなければならないわけではありません。生活リズムや体調を保ちながら、同じ事業所で作業を続けることも一つの選択です。
継続利用の中でも、担当できる作業が増えたり、職員への報告が自然にできるようになったりする変化があります。新しい作業へ挑戦する時期も、本人と職員で相談して決めます。
一般就労へ進まないから成長していない、ということではありません。本人が安定して社会とのつながりを持てることを優先する場合があります。
8-2.A型事業所や就労移行支援を検討する
決められた時間に通うことが安定し、雇用契約に基づく働き方を希望する場合は、就労継続支援A型を検討できます。一般企業への就職を具体的に目指す場合は、就労移行支援を利用する方法もあります。
移行を考えるときは、作業が速いかだけでなく、欠席時に連絡できるか、疲れを翌日までに回復できるか、必要な配慮を説明できるかも確認します。
次のサービスへ早く移ることより、移ったあとに続けられる状態が整っているかを見ることが必要です。
8-3.一般就労では「続けられる条件」を整理する
一般就労を目指す場合、求人の仕事内容や給与だけでなく、勤務時間、通勤距離、指示の受け方、休憩、通院との両立などを確認します。
B型事業所での経験から、「午前中のほうが集中しやすい」「見本があると作業しやすい」「人の多い場所では疲れやすい」といった特徴がわかれば、求人選びや面接での相談に役立ちます。
就職できる会社を探すだけでなく、自分が続けられる会社を探すことが、再び長いブランクをつくらないために重要です。
9.大阪市で働く練習を始めたい方へ
9-1.だいこん畑では、現在の状態から利用方法を考えます
大阪市内で就労支援を行う「だいこん畑」では、仕事のブランクが長い方、働く自信を失っている方、生活リズムから整えたい方の相談を受け付けています。
見学の際に、できることを多く見せる必要はありません。「朝起きられない日がある」「週に何日通えるかわからない」「以前の職場では質問できず困った」など、現在の状況をそのままお聞かせください。
利用できる曜日や時間、作業内容は、事業所の受け入れ状況や本人の状態を確認しながら相談します。B型事業所の利用対象になるかわからない場合も、自治体や相談支援事業所への相談を含めて確認していきます。
9-2.事業所ごとに場所や作業内容が異なる
だいこん畑は大阪市内に複数の事業所があり、所在地、サービス種別、作業内容が異なります。袋詰め、検品、シール貼りなどの軽作業のほか、事業所によって食品に関する作業、商品の撮影、パソコン入力、梱包、出荷準備などがあります。
興味のある作業だけでなく、自宅から通い続けられる場所か、作業場の雰囲気が合うかも確認してください。ホームページだけで判断せず、見学や体験利用を通して比べることをおすすめします。
作業経験がなくても、職員の説明を受けながら始めます。パソコン作業に興味はあるものの操作経験が少ない方、軽作業が自分に合うかわからない方も、見学時に相談してください。
大阪市内の各事業所については、以下のページで詳しく紹介しています。
- 大阪市東住吉区の就労継続支援B型事業所「だいこん畑β 北田辺店」
- 大阪市住之江区の就労継続支援B型事業所「だいこん畑β 住之江店」
- 大阪市住吉区の就労継続支援B型事業所「だいこん畑β 帝塚山店」
9-3.相談したからといって、すぐ利用を決める必要はない
問い合わせや見学をしたあと、必ず利用契約を結ばなければならないわけではありません。ほかの事業所を見学し、自分に合う場所を比べても構いません。
長いブランクがある方にとって、知らない事業所へ連絡すること自体が負担になる場合があります。電話で何を話せばよいかわからないときは、「ホームページの記事を見て、B型事業所の見学を希望しています」と伝えてください。
家族や支援者から問い合わせる方法もあります。まずは事業所の場所や雰囲気を知るところから始め、自分のペースで検討しましょう。
10.よくある質問
Q1.10年以上働いていなくても利用できますか?
10年以上仕事をしていないことだけを理由に、利用できないと決まるわけではありません。ただし、ブランクの年数だけで対象になるものでもありません。障害や病気の状態、現在の生活、一般企業で働くことが難しい理由などを市区町村が確認します。
対象になるかわからない場合は、自治体の障害福祉担当窓口、相談支援事業所、希望するB型事業所へ相談してください。
Q2.障害者手帳がなくても利用できますか?
障害者手帳が必須とは限りません。医師の診断書、自立支援医療受給者証、難病に関する受給者証などにより状態が確認でき、市区町村が必要性を認めた場合は利用できることがあります。
必要書類は状況や自治体によって異なります。申請前に担当窓口へ確認してください。
Q3.週1日や短時間から利用できますか?
週1日や短時間から相談できる事業所もありますが、すべての事業所が同じ対応をしているわけではありません。本人の体調、受給者証の支給量、事業所の方針や空き状況などによって変わります。
問い合わせ時に、現在外出できている回数や希望時間を伝え、相談してください。
Q4.作業が遅くても大丈夫ですか?
利用開始時から速さだけを求められるわけではありません。まず手順を確認し、間違いを減らしながら作業に慣れていきます。
ただし、事業所は生産活動を行う場所でもあります。職員の説明を聞き、現在できる範囲で作業へ取り組む姿勢は必要です。
Q5.体調不良で休むことがあっても利用できますか?
体調に波がある方も利用しています。休む必要があるときは無理をせず、事業所へ連絡してください。
欠席が続く場合は、利用時間や日数、作業内容が現在の状態に合っているかを職員や相談支援専門員と見直します。
Q6.B型事業所を利用したら就職しなければなりませんか?
必ず一般就労を目指す必要はありません。安定した日中活動や社会参加の場として継続利用する方もいます。
本人が希望し、通所や作業が安定した場合には、A型事業所、就労移行支援、一般就労などを検討できます。
Q7.工賃だけで生活できますか?
B型事業所の工賃は、雇用契約に基づく給与とは仕組みが異なります。工賃だけで生活費のすべてをまかなうことは難しい場合があります。
障害年金、生活保護、各種手当などを利用できる可能性があるため、生活費に不安がある方は自治体窓口や相談支援専門員へ相談してください。

11.まとめ
仕事のブランクが長い方が働き始めるとき、最初から履歴書を書いて就職活動を始めることだけが答えではありません。
まずは、決まった日に起きること、事業所へ通うこと、短い時間でも作業に取り組むことなど、小さな経験を積み重ねることが大切です。疲れたときに職員へ相談することも、働き続けるために必要な練習の一つです。
こうした経験を重ねる中で、「どのくらいの時間なら無理なく続けられるか」「どのような環境なら安心して取り組めるか」といった、自分に合った働き方が少しずつ見えてきます。
就労継続支援B型事業所では、雇用契約を結ばず、支援を受けながら作業や生産活動に取り組みます。週に何日通うか、どの作業から始めるかは、本人の状態や事業所の受け入れ状況を確認しながら決めていきます。
利用開始後に休みが続いたり、一度増やした利用日数を減らしたりすることもあります。働く準備は必ずしも一直線に進むものではありません。何が負担だったのかを整理し、時間や作業内容、通所方法を調整することが、次の働き方を考えるための大切な材料になります。
事業所を選ぶ際は、作業内容だけでなく、通いやすさ、説明のわかりやすさ、体調不良時の対応、職員へ相談しやすい雰囲気があるかを確認しましょう。見学や体験利用では、その場での印象だけでなく、帰宅後や翌日の疲れ具合まで確認すると、自分に合う事業所か判断しやすくなります。
「長いブランクがあり、いきなり働くことが不安」「週に何日通えるかわからない」という方も、まずは見学からご相談ください。
だいこん畑では、現在の体調や生活リズムに合わせて、利用日数や作業内容を一緒に考えています。長く働いていないことや、今できることがわからない状態でも構いません。
まずは事業所の雰囲気や作業内容を知るところから、一歩ずつ始めてみませんか。

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