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就労継続支援B型

発達障害の人に向いているB型事業所の仕事は?作業選びと配慮を解説

発達障害のある人に向いている就労継続支援B型の仕事を、袋詰め・検品・シール貼りなどの軽作業と、データ入力・商品撮影などのPC作業に分けて紹介します。ASD・ADHDの特性に応じた作業選び、職員に相談したい配慮、見学・体験で確かめたいポイント、だいこん畑の作業内容も解説します。

目次

  1. 1.発達障害の人もB型事業所を利用できる
  2. 2.発達障害の人が仕事で困りやすいこと
  3. 3.発達障害の人が取り組みやすい軽作業
  4. 4.発達障害の人が取り組みやすいPC作業
  5. 5.作業を続けやすくするための配慮
  6. 6.苦手な作業がある場合の対応方法
  7. 7.発達障害の人がB型事業所を選ぶポイント
  8. 8.見学・体験利用で確認したいこと
  9. 9.だいこん畑で取り組める作業
  10. 10.まとめ|得意なことを生かせる作業を見つけよう

1.発達障害の人もB型事業所を利用できる

1-1.ASD・ADHDなどがある人の利用

就労継続支援B型は、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい人に、作業や就労訓練の機会を提供する障害福祉サービスです。発達障害のある人も、支援の必要性が認められれば利用を検討できます。

発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症などがあります。ただし、診断名が同じでも仕事上の困り方は同じではありません。手順が決まった作業を正確に続けられる人もいれば、興味のある分野では高い集中力を発揮する人もいます。その一方で、急な予定変更、曖昧な指示、周囲の音、人とのやり取りに強い負担を感じることがあります。

B型事業所を選ぶときは、診断名だけで作業を決めず、「どのような説明なら分かりやすいか」「何分くらいなら集中を続けられるか」「どんな音や明るさが気になるか」を職員と確認することが欠かせません。

1-2.一般就労が難しい場合の選択肢

一般企業では、決められた時間に出勤すること、複数の仕事を切り替えること、周囲と相談しながら進めることなどが求められます。作業能力はあっても、職場の環境や指示の出し方が合わず、疲れが積み重なって退職に至る人もいます。

B型事業所では、体調や生活リズムを見ながら、短い時間や少ない日数から利用を始められる場合があります。最初は一つの工程を担当し、慣れてから作業の幅を広げる方法も取れます。働くことから長く離れていた人、朝の生活リズムを整えたい人、自分に合う仕事を探したい人にとって、無理のない形で作業経験を重ねられる場所です。

1-3.利用には自治体の支給決定が必要

B型事業所は一般的なアルバイトとは異なり、利用前に市区町村へ障害福祉サービスの申請を行います。支給決定後に交付される障害福祉サービス受給者証が必要です。

障害者手帳を持っていなくても、診断書や自立支援医療受給者証などにより支援の必要性が確認され、利用につながることがあります。必要書類や手続きの流れは自治体や本人の状況によって異なるため、障害福祉の担当窓口、相談支援事業所、利用を考えているB型事業所へ早めに相談しましょう。

2.発達障害の人が仕事で困りやすいこと

2-1.口頭だけの指示を理解しにくい

作業内容を長く口頭で説明されると、最初に聞いたことが抜けたり、どこから始めればよいか分からなくなったりすることがあります。「適当に分けてください」「きれいに仕上げてください」といった指示も、完成の基準が見えないため迷いやすい表現です。

このような場合は、「商品を10個数える」「袋に入れる」「シールを貼る」のように、一つずつ順番に伝えると理解しやすくなります。完成見本や写真付きの手順書があれば、聞き直すことへの不安も減らせます。

2-2.複数の作業を同時に進めるのが苦手

検品中に別の仕事を頼まれたり、作業の途中で電話対応を求められたりすると、元の作業へ戻る場所が分からなくなることがあります。本人のやる気の問題ではなく、情報を切り替える負担が大きい状態です。

一つの作業が終わってから次を伝える、優先順位を番号で示す、中断した場所に付箋を置くといった工夫で混乱を減らせます。見学時には、実際に困った場面を想像しながら、職員へ質問してみると安心です。

2-3.周囲の音や光が気になる

話し声、機械音、ドアの開閉音、蛍光灯の明るさ、人の動きなどが気になり、目の前の作業へ集中できない人もいます。周囲には小さく感じられる刺激でも、長時間続けば大きな疲れにつながります。

壁側の席に移る、作業人数の少ない場所を使う、休憩時に静かな場所で過ごすなど、環境を少し変えるだけで取り組みやすくなることがあります。音への対策として耳栓などを使いたい場合は、安全面も含めて事業所へ相談してください。

2-4.予定変更への対応が難しい

朝に聞いていた作業と違う仕事を急に頼まれると、気持ちを切り替えられず、不安が強くなることがあります。変更そのものより、変更後の流れが分からないことが負担になっている場合もあります。

「午前中は袋詰め、午後から検品へ変更します」「変更は今日だけです」と具体的に伝えてもらえると、次の見通しを持ちやすくなります。予定表を見える場所に置く方法も有効です。

2-5.集中し過ぎて疲れてしまう

好きな作業や細かな作業では、休憩を忘れるほど集中する人がいます。集中力は強みですが、作業中に疲れを感じにくく、帰宅後に動けなくなったり、翌日の通所が難しくなったりすることがあります。

「50分作業したら10分休む」など、疲れが強くなる前に休憩できるよう、事前にタイミングを決めておくと安心です。本人が作業を続けたいと言っていても、職員が表情や手の動きを見ながら声をかけることで、無理を重ねにくくなります。

3.発達障害の人が取り組みやすい軽作業

3-1.袋詰め

決められた商品を指定された数だけ袋へ入れる仕事です。工程を「数える」「袋へ入れる」「封をする」と分けやすく、終わった状態も目で確認できます。

個数を間違えやすい場合は、先に商品を10個並べてから袋へ入れる、仕切りのあるトレーを使うなどの方法があります。同じ動きを続けることが苦にならず、手順が決まっているほうが安心できる人には取り組みやすい作業です。

3-2.シール貼り

商品や袋の決められた位置にラベルを貼ります。貼る位置が枠で示され、完成見本が置かれていれば、判断に迷いにくい仕事です。細かなずれに気づきやすい人の丁寧さが生かされます。

一方で、わずかな傾きを気にして何度も貼り直し、作業が進まなくなることもあります。その場合は、職員と「この範囲なら完成」という基準を確認しておくと、必要以上にやり直さずに済みます。

3-3.検品

汚れ、傷、破損、印字のずれ、数量などを確認する仕事です。決められた基準に沿って一つずつ見ることが得意な人は、集中力を発揮しやすいでしょう。

「傷があるものを除く」という説明だけでは判断が難しいため、良品と不良品の実物や写真があると安心です。迷った商品を入れる確認箱を用意してもらえば、一つの判断で作業全体が止まることも防げます。

3-4.仕分け

商品を種類、色、大きさ、番号、送り先などに分けます。分類のルールが明確であれば、同じ基準で落ち着いて作業できます。箱や棚に写真や番号を貼っておくと、文字だけの説明より間違いを減らせます。

途中で分類方法が変わると混乱しやすいため、変更があるときは新しい見本を確認してから始めることが必要です。

3-5.梱包・出荷準備

商品を緩衝材で包み、箱へ入れ、封をして送り状を確認します。工程は多いものの、順番を固定してチェック表を使えば、一つずつ進められます。

最初から全部を担当するのではなく、箱を組み立てる、商品を入れる、封をするなど、一つの工程から練習する方法もあります。完成した荷物が目に見えるため、仕事が一区切りついたことを実感しやすい作業です。

3-6.ASDの特性がある方が取り組みやすい作業

ASD(自閉スペクトラム症)の特性がある方の中には、手順が決まった作業や、同じ工程を丁寧に繰り返す作業を得意とする方がいます。袋詰め、検品、シール貼り、データ入力などは、完成の基準や手順が分かりやすい場合、取り組みやすい作業の一つです。

ただし、作業内容だけでなく、指示の伝え方や作業環境も重要です。完成見本や手順書があるか、予定変更時に説明してもらえるかなど、自分が安心して取り組める環境かを見学や体験で確認しましょう。

4.発達障害の人が取り組みやすいPC作業

4-1.データ入力

紙や元データを見ながら、文字や数字を決められた欄へ入力します。同じ形式の入力を繰り返す作業が得意な人や、パソコン操作に抵抗が少ない人が取り組みやすい仕事です。

入力速度より、最初は正確さを優先します。入力後に元データと見比べる、確認済みの行へ印を付けるなど、自分で確認できる手順があるとミスを減らせます。

4-2.商品情報の登録

商品名、品番、価格、状態、説明文などを管理表やECサイトへ入力します。記載する項目が決まっているため、入力例があれば作業の形をつかみやすくなります。

商品の状態を文章にするなど、判断が必要な項目もあります。迷ったまま進めず、どの段階で職員へ確認するかを決めておくことが安心につながります。

4-3.写真撮影

ECサイトに掲載する商品の写真を撮ります。背景、商品の向き、カメラとの距離を固定すると、同じ品質の写真を撮りやすくなります。

撮影する角度が複数ある場合は、「正面・裏面・傷のある部分」のようにリストを用意すると撮り忘れを防げます。言葉より見本を見たほうが理解しやすい人にとって、完成例を確認しながら進められる作業です。

4-4.画像のトリミング

撮影した写真の不要な部分を切り取り、向きや大きさを整えます。細かな違いを確認することが得意な人は、丁寧さを生かせます。

ただし、余白を完全にそろえようとして時間がかかることもあります。画像サイズや余白の目安を数値で示してもらい、合格基準を共有しておくと作業を終えやすくなります。

4-5.ECサイトへの出品

写真の登録、商品情報の入力、価格の確認などを行います。一つの商品を出品するまでに複数の工程があるため、最初は写真だけ、入力だけと担当を分けるほうが取り組みやすいでしょう。

工程表にチェックを入れながら進めると、どこまで終わったかを見失いにくくなります。作業に慣れた後で担当範囲を広げれば、できることが増えた実感も持てます。

4-6.ADHDの特性に合わせた作業の工夫

ADHD(注意欠如・多動症)の特性がある方は、興味のある作業へ集中できる一方で、複数の作業を同時に進めたり、長時間同じ作業を続けたりすることに負担を感じる場合があります。

商品撮影、データ入力、商品登録、梱包など、工程が分かれていて達成状況を確認しやすい作業は取り組みやすいことがあります。作業リストやチェック表を活用し、職員と相談しながら自分に合う進め方を見つけることが大切です。

5.作業を続けやすくするための配慮

5-1.指示を一つずつ具体的に伝える

「これをお願いします」ではなく、「この商品を10個ずつ袋に入れてください」のように、対象、数量、方法を具体的に伝えてもらいます。一度に何個も頼まれると混乱する人には、一つの作業が終わってから次を伝える方法が合います。

5-2.写真や完成見本を使う

袋詰めなら完成した袋、検品なら良品と不良品、梱包なら箱へ入れた状態を見本にします。言葉で何度も説明されるより、目で確認できるものが一つあるほうが安心して作業できます。

5-3.手順と予定をできるだけ固定する

同じ作業は同じ順番で行い、道具の置き場所も決めておくと、作業を始めるたびに迷わずに済みます。予定変更がある日は、何が変わるのか、変更がいつまで続くのかを早めに伝えてもらいましょう。

5-4.落ち着いて作業できる席を相談する

人の出入りが多い場所や会話が聞こえやすい場所を避け、壁側や作業人数の少ない席を使えるか相談します。ただし、一人になると不安が強くなる人もいるため、本人が落ち着ける場所を体験しながら探すことが必要です。

5-5.休憩のタイミングを決める

疲れてから休むのではなく、時間を決めて休憩します。自分から申し出にくい人には、職員から声をかけてもらう方法があります。休憩中に会話をせず、一人で過ごせる場所があるかも確認しておくと安心です。

6.苦手な作業がある場合の対応方法

6-1.苦手な場面を具体的に伝える

「作業が苦手」とだけ伝えるより、「一度に三つ以上言われると忘れる」「大きな音が続くと手が止まる」と場面を具体的に説明したほうが、必要な配慮を考えてもらいやすくなります。自分で説明しにくい場合は、家族や相談支援専門員に同席してもらう方法もあります。

6-2.得意な工程から始める

梱包の一連の作業が難しくても、箱を組み立てる工程なら続けられることがあります。できる部分から始め、慣れてから次の工程へ進むほうが、失敗への不安を減らせます。

6-3.作業内容を変更する

実際に取り組んで初めて、合わないと分かる仕事もあります。シール貼りで細かなずれが気になり過ぎるなら仕分けへ、周囲の音が負担ならPC作業へ変更できないか相談しましょう。作業変更は利用を続けるための調整であり、我慢を続ける必要はありません。

6-4.作業量や利用時間を調整する

仕事内容は合っていても、量や時間が多過ぎると疲れが残ります。午前中だけ利用する、1日の作業数を減らす、休憩を増やすなど、現在の体調に合わせて調整します。安定してきた後で、本人と職員が相談しながら時間を延ばす方法もあります。

7.発達障害の人がB型事業所を選ぶポイント

7-1.作業内容が具体的に説明されているか

「軽作業があります」という説明だけでなく、何を袋へ入れるのか、どのような検品をするのか、PCでは何を入力するのかまで確認します。興味を持てる作業があるか、苦手な作業以外の選択肢があるかも見ておきましょう。

7-2.職員の指示が分かりやすいか

見学時の説明が速過ぎないか、質問に具体的に答えてくれるかを確認します。体験中に分からないことがあったとき、同じ質問をしても落ち着いて説明してもらえるかは、利用を続けるうえで大きなポイントです。

7-3.落ち着いて作業できる環境か

話し声、機械音、照明、人の出入り、席の間隔を確認します。短い見学では気にならなくても、1時間ほど作業すると疲れることがあります。可能であれば、実際の作業時間帯に体験して判断しましょう。

7-4.本人に合わせた調整ができるか

通所日数、作業時間、休憩、作業量を相談できるかを確かめます。全員が同じ時間に同じ量を行う事業所より、体調や理解度を見ながら調整してくれる環境のほうが続けやすい人もいます。

7-5.軽作業とPC作業を選べるか

複数の作業がある事業所では、体調や得意分野に応じて担当を相談しやすくなります。ただし、いつでも自由に選べるとは限りません。現在どのような仕事があり、どの作業から始められるかを見学時に聞いてください。

8.見学・体験利用で確認したいこと

8-1.実際の作業手順

説明を聞くだけでなく、可能であれば完成までの流れを見せてもらいます。工程はいくつあるか、見本はあるか、間違えた場合はどうするか、迷った商品をどこへ置くかを確認しましょう。

8-2.職員への質問方法

質問する職員が決まっているか、忙しそうなときはどうすればよいかを聞きます。声をかけることが苦手なら、メモや合図、質問カードなど別の方法を相談できるか確認します。

8-3.作業場所の音や明るさ

作業室の会話、機械音、BGM、照明の強さを体験します。音や光に敏感な人は、静かな席へ移れるか、休憩場所を変えられるかも聞いておくと安心です。

8-4.休憩場所

休憩室の広さや混雑、一人で静かに過ごせる場所があるかを見ます。休憩時間に会話へ参加する必要があるのか、自由に過ごしてよいのかも確認しておきましょう。

8-5.予定変更の伝え方

作業内容や担当職員が変わる場合、朝礼、予定表、個別の声かけなど、どのように伝えられるかを聞きます。自分に分かりやすい伝え方を相談できる事業所なら、急な変更への不安を減らしやすくなります。

9.だいこん畑で取り組める作業

9-1.袋詰め・検品・シール貼り

だいこん畑では、事業所や受注状況に応じて、袋詰め、検品、シール貼り、封入、梱包などの軽作業に取り組みます。作業は完成見本や手順を確認しながら進めます。初めて軽作業をする人は、一つの工程から始め、職員と一緒に作業の流れを覚えていきます。

各事業所の詳細内容をご確認ください。

9-2.食品に関係する作業

食品工場に関係する作業や、大葉などの検品、野菜の袋詰めといった仕事を行う事業所もあります。食品を扱うため、衛生面のルールや決められた手順を守る必要があります。細かな状態の違いを見つけることや、同じ手順を丁寧に続けることが得意な人は、その力を生かせます。

9-3.中古CDの出品作業

中古CDの状態確認、ラベルの処理、写真撮影、商品情報の入力、価格の確認、梱包など、出品から発送までに関係する作業があります。すべてを一人で担当するのではなく、写真、入力、梱包など、本人が取り組みやすい工程から始めます。

9-4.PC入力・写真加工・梱包

パソコンを使った商品情報の入力、画像のトリミング、管理表への記録などに取り組むことがあります。パソコン経験が少ない人も、文字入力や決められた範囲の画像加工から練習できます。作業内容は事業所や時期によって変わるため、見学の際に現在行っている仕事を確認してください。

10.まとめ|得意なことを生かせる作業を見つけよう

10-1.作業名だけでなく環境との相性を確認する

発達障害のある人に向いている仕事は、診断名だけでは決まりません。袋詰めが続けやすい人もいれば、同じ作業の繰り返しが負担になる人もいます。PC作業に集中できる人もいれば、画面を見続けることで強く疲れる人もいます。

仕事を選ぶ際は、作業内容だけでなく、指示の受け取りやすさ、周囲の環境、無理なく続けられる時間設定まで確認すると、自分に合う働き方を見つけやすくなります。見学や体験利用では、実際に手を動かし、「分からないときに聞けるか」「作業後に疲れが残り過ぎないか」を確かめてください。

だいこん畑では、軽作業やPC作業など、複数の仕事について相談できます。最初から自分に合う仕事を一つに決める必要はありません。取り組みやすい工程から始め、職員と振り返りながら、続けられる作業と働き方を探していきましょう。

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