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就労継続支援B型

統合失調症のある方がB型事業所を選ぶポイント|作業内容や支援体制を解説

統合失調症のある方が就労継続支援B型事業所を選ぶ際に確認したい、通所ペース、作業内容、休憩環境、服薬による眠気への配慮、職員への相談方法を解説します。障害者手帳がない場合の相談先や、見学・体験利用で確認したいポイントも紹介します。

目次

  • 1.統合失調症のある方もB型事業所を利用できる
  • 2.統合失調症のある方が通所で抱えやすい不安
  • 3.B型事業所で受けられる主な支援
  • 4.統合失調症のある方が取り組みやすい作業の例
  • 5.事業所選びで確認したい支援体制
  • 6.通所日数と作業時間の決め方
  • 7.見学・体験利用で確認したいこと
  • 8.家族がB型事業所を探す場合のポイント
  • 9.だいこん畑で相談できること
  • 10.まとめ|本人が安心して通える事業所を選ぼう

1.統合失調症のある方もB型事業所を利用できる

1-1.B型事業所の対象となる人

就労継続支援B型は、障がいや体調の影響で、一般企業で雇用契約を結んで働くことが難しい方を対象とした障害福祉サービスです。作業や生産活動に取り組みながら、生活リズムを整えたり、人との関わりに少しずつ慣れたりする場として利用されています。統合失調症の診断があるという理由だけで利用が決まるわけではありません。今の体調、これまでの就労経験、生活の様子、本人が望む過ごし方などを踏まえ、自治体が利用の必要性を判断します。

統合失調症のある方のなかには、症状が落ち着いている時期でも、毎日決まった時間に出勤することや、長時間集中し続けることに負担を感じる方がいます。周囲の話し声が気になる、緊張が続くと急に疲れる、薬の影響で午前中は動きにくいなど、困りごとの現れ方は人それぞれです。B型事業所は雇用契約を結ばないため、利用日数や作業時間について、本人の状態を見ながら相談しやすいという特徴があります。

ただし、「B型ならどこでも同じように通える」というわけではありません。週1日や短時間から始められる事業所もあれば、利用の目安となる曜日や時間を設けている事業所もあります。大切なのは、診断名だけで行き先を決めるのではなく、自分が疲れにくい時間帯、落ち着ける環境、相談しやすい支援方法を具体的に考えることです。

なお、2025年10月からは、新たに就労継続支援B型の利用を希望する方のうち、就労経験がある方、50歳以上の方、障害基礎年金1級を受給している方などの要件に該当しない場合、原則として「就労選択支援」を利用し、本人に合った働き方や必要な支援を整理する仕組みが始まっています。近隣に就労選択支援事業所がない場合など、取扱いが異なることもあるため、具体的な手続きは、お住まいの自治体や相談支援事業所へ確認してください。

1-2.障害者手帳がない場合

B型事業所を利用する際、障害者手帳が必ず必要とは限りません。医師の診断書や意見書、自立支援医療受給者証など、障がいの状態を確認できる書類によって申請できる場合があります。ただし、必要となる書類や確認方法は自治体や本人の状況によって異なります。詳しくは、お住まいの地域の区役所・市役所の障がい福祉窓口へ確認してください。

1-3.必要に応じて主治医へ相談する

統合失調症の治療中にB型事業所の利用を検討する場合、必要に応じて主治医へ相談することがあります。これは、病名だけで利用を制限するためではなく、通所や作業が現在の治療方針と合っているか、どのような配慮が必要かを確認するためです。たとえば、朝は薬の影響で眠気が強い、疲労がたまると症状が不安定になりやすい、人の多い場所では緊張が高まるなど、支援に役立つ情報があります。

診察の際には、「週に何日くらいから始めたいか」「1日何時間ほどを考えているか」「どのような作業を希望しているか」を具体的に伝えると相談しやすくなります。通所開始後も、体調に変化があれば主治医や支援者へ共有し、日数や作業量を見直すことが大切です。医療と福祉が別々に動くのではなく、本人の同意を得ながら必要な情報をつなぐことで、安定した利用につながります。

2.統合失調症のある方が通所で抱えやすい不安

2-1.疲れやすく集中が続かない

統合失調症のある方からは、「始めの1時間はできるのに、その後は頭が働かなくなる」「帰宅すると何もできないほど疲れる」といった声が聞かれることがあります。症状だけでなく、緊張、睡眠不足、服薬の影響が重なっている場合もあります。集中が切れることを本人の努力不足として扱うのではなく、どのくらいの時間なら安定して取り組めるかを見つける視点が必要です。

見学や体験では、休憩を取りたいときに伝えられるか、作業量を途中で減らせるか、疲れた様子に職員が気づいてくれるかを見ておきましょう。最初から長時間に挑戦すると、数日は頑張れても、後から疲れが出て休みが続くことがあります。まずは「少し余力を残して終われる時間」から始め、その状態が続いてから時間を延ばすほうが、結果的に通所は安定しやすくなります。

2-2.人の声や周囲の音が気になる

作業場の話し声、物を置く音、機械音、出入りする人の動きなどが気になり、集中しにくくなる方もいます。音に敏感な状態は日によって変化することがあり、普段は問題がなくても、睡眠不足や疲労がある日に負担が強くなる場合があります。

見学では、静かな時間帯だけで判断せず、実際に作業が行われている時間の雰囲気を確認することが重要です。席の位置を調整できるか、比較的静かな作業を選べるか、必要時に別の場所で休めるかを尋ねてみましょう。イヤーマフや耳栓などの使用については、安全面や作業内容との兼ね合いがあるため、自己判断で使うのではなく事業所と相談します。周囲の音を完全になくすことは難しくても、負担を減らす方法を一緒に考えてくれる事業所かどうかが選択のポイントです。

2-3.体調や精神状態に波がある

統合失調症のある方の体調や精神状態は、毎日同じとは限りません。よく眠れて落ち着いて作業できる日がある一方で、不安が強い、考えがまとまらない、外出の準備に時間がかかるという日もあります。こうした波を前提にせず、欠席や遅刻だけを取り上げる支援では、本人がますます連絡しづらくなってしまいます。

利用前に、調子が悪い日の連絡方法を具体的に決めておくと安心です。電話が難しいときはメールやメッセージでもよいのか、遅れて参加できるのか、途中で帰る相談ができるのかを確認してください。体調不良が続く場合は、通所を優先しすぎず、主治医や支援者と相談して治療や生活の立て直しを先に行うことも必要です。

2-4.薬の影響で眠気が出る

抗精神病薬などの服薬により、眠気、だるさ、起床のしづらさを感じる方がいます。薬の種類や量、服用時間によって影響は異なり、本人だけでは「病気の症状なのか、薬の影響なのか」を判断しにくいこともあります。服薬を自己判断で中止したり減らしたりせず、困っていることを主治医や薬剤師へ相談してください。

事業所では、午前中の眠気が強い場合に開始時間を調整できるか、座って行える作業があるか、こまめな休憩が取れるかを確認します。作業中の眠気には安全上の注意も必要です。刃物や機械を使う作業、立ち仕事などでは事故につながる可能性があるため、その日の状態を職員へ伝え、作業変更を相談できる体制が望まれます。

2-5.対人関係に緊張する

新しい場所に行くだけで緊張し、「何を話せばよいか分からない」「迷惑をかけたらどうしよう」と考え続けてしまう方もいます。通所前から気疲れし、事業所に着くころにはすでに疲れを感じている方もいます。B型事業所は人が集まる場所ですが、常に会話を求められるわけではなく、黙って作業へ取り組める時間を大切にしている事業所もあります。

見学では、職員が答えを急かさず待ってくれるか、説明が分かりやすいか、困ったときに誰へ声をかければよいかを見てください。利用開始直後から交流を広げる必要はありません。まずは挨拶、作業終了の報告、休憩の相談など、必要なやり取りができれば十分です。人との距離の取り方を尊重してくれるかどうかは、長く通ううえで大きなポイントになります。

3.B型事業所で受けられる主な支援

3-1.本人のペースに合わせた作業

B型事業所では、本人の体調や得意・不得意を確認しながら作業を組み立てます。同じ作業であっても、担当する工程や作業量を調整できる場合があります。たとえば、袋詰めのすべてを一人で担当するのではなく、数量を数える、袋へ入れる、封をする、完成品を確認するといった工程に分ける方法です。

統合失調症のある方にとって、見通しの立つ手順や、終了の目安が分かる作業は取り組みやすい傾向があります。ただし、向いている作業は人によって異なります。単純な繰り返し作業が安心できる方もいれば、同じ作業が続くと集中しにくい方もいます。体験利用を通じて、自分が落ち着いて取り組める作業と、負担になりやすい作業を確認することが大切です。

3-2.体調確認と声かけ

通所したときの表情や話し方、前日の睡眠、食事、服薬後の眠気などを確認し、その日の作業を決めることもB型事業所の支援です。毎回詳しく説明することが負担な方には、「今日は良い・普通・しんどい」の三段階で伝えるなど、簡単な方法を決めておくと伝えやすくなります。

一方で、声かけが多すぎると落ち着かない方もいます。集中しているときはそっとしておいてほしい方もいれば、定期的に確認してもらうほうが安心できる方もいます。どのような関わり方が合うかを本人と職員で話し合い、途中で変えられることが大切です。体調の話が周囲に聞こえないよう、場所や声量に配慮されているかも確認しておきましょう。

3-3.休憩時間や作業量の調整

決められた休憩だけでなく、「少ししんどいので5分休みたい」と伝えられるかどうかは重要です。我慢して最後まで作業すると、その日は終えられても、翌日に起きられなくなることがあります。疲れ切る前に短く休むほうが、結果として利用を続けやすくなる方もいます。

作業量も、毎日同じである必要はありません。調子のよい日は多めに取り組み、しんどい日は工程を減らすなど、その日の状態に合わせた調整ができると安心です。ただし、何でも減らせばよいわけではありません。「今日はここまでならできそう」と本人と相談し、無理のない範囲で達成感を得られるようにすることも支援の役割です。

3-4.医療機関や支援者との連携

本人の同意がある場合、主治医、訪問看護、相談支援専門員、家族などと情報を共有することで、通所を支えやすくなります。事業所で見られた変化と、家庭や診察時の様子が異なることもあるため、複数の視点をつなぐことが役立ちます。

連携する際は、何を誰に伝えるのかを本人に説明し、必要な範囲にとどめることが大切です。病名や症状を本人の許可なく広く共有するものではありません。体調が崩れたときの連絡先、受診を勧める目安、緊急時の対応などをあらかじめ決めておくと、本人も家族も安心しやすくなります。

3-5.定期的な個別支援計画の見直し

B型事業所では、本人の希望や課題をもとに個別支援計画を作成し、定期的に見直します。「週2日通う」「作業中に困ったことを職員へ伝える」「生活リズムを整える」など、目標は本人の状態に合わせて設定します。一般就労だけが目標とは限りません。安定した外出、居場所づくり、生活の充実、作業習慣の維持も大切な目標です。

計画を作った後に体調や希望が変わることもあります。目標が合わなくなったときは、達成できなかったと考えるのではなく、現在の状況に合わせて修正します。本人が内容を理解し、自分の希望を伝えられるよう説明してくれる事業所を選びましょう。

4.統合失調症のある方が取り組みやすい作業の例

4-1.手順を確認しやすい軽作業

袋詰め、シール貼り、検品、仕分け、梱包などは、工程を区切りやすく、完成の基準も示しやすい作業です。口頭説明だけでなく、見本や写真付きの手順書があると、「次に何をするのか」が分かりやすくなり、一度に多くのことを覚える負担を減らせます。

ただし、「軽作業」という言葉だけで簡単だと判断するのは早いでしょう。細かな手先の動き、正確さ、立ち続ける体力、一定の作業速度を求められる場合があります。見学では作業名を聞くだけでなく、実物を見たり、可能なら短時間体験したりしてください。間違いがあったときに責めるのではなく、どこで分かりにくかったかを一緒に確認してくれる職員かどうかも見ておきたい点です。

4-2.繰り返し取り組める作業

同じ工程を繰り返す作業は、慣れるにつれて見通しが持ちやすくなります。作業のたびに新しい判断を求められることが少ないため、緊張を抑えて集中できる方もいます。一定数を終えるごとに確認する方法を取り入れると、ミスを早めに修正できます。

一方で、単調さが強いと疲れや眠気を感じる方もいます。作業を固定するだけでなく、午前と午後で工程を変える、短い休憩を入れるなどの調整ができると続けやすくなります。

4-3.自分のペースで集中しやすい作業

人との会話や共同作業が負担になりやすい方には、個別の作業スペースで進められる仕事が合う場合があります。商品の確認、データ入力、画像のトリミング、部品の検品などは、担当範囲が明確であれば一人で集中しやすい作業です。

ただし、完全に一人で抱え込む環境では、困ったときに質問できなくなることがあります。必要なときに職員へ合図できる、質問のタイミングが決まっているなど、安心して確認できる仕組みがあるかを確認しましょう。

4-4.座って取り組める作業

疲れやすさ、ふらつき、眠気などがある場合、座ってできる作業は身体的な負担を減らせます。姿勢を変えられるか、机や椅子の高さが合っているか、長時間同じ姿勢にならないかも確認します。

座り作業でも集中力は消耗します。身体的に楽だから長時間できるとは限りません。作業時間と休憩のバランスを見ながら、無理のない範囲を探すことが必要です。

4-5.パソコンを使った入力・確認作業

パソコンでの商品情報入力、画像確認、簡単なデータ整理などを行うB型事業所もあります。対面での会話が少なく、決められた手順で進められる作業は、パソコンが好きな方に合う場合があります。

経験がなくても練習から始められる事業所がありますが、入力速度や操作経験を求められることもあります。画面を長く見ることで疲れる、情報量が多いと混乱する場合もあるため、体験時に作業時間や説明方法を確認しましょう。だいこん畑β住之江店では、中古CDの確認、撮影、画像のトリミング、商品情報の入力、梱包、出荷準備などの作業を行っています。

5.事業所選びで確認したい支援体制

5-1.体調が変化したときの対応

利用中に不安が強くなった、考えがまとまらなくなった、そわそわして座っていられないなど、普段と違う様子が見られたときの対応を確認しておきましょう。静かな場所へ移る、作業をいったん止める、早退する、家族や支援者へ連絡するなど、いくつかの選択肢があると安心です。

統合失調症についての知識があることはもちろんですが、それだけで十分とは限りません。本人にとっての「調子を崩す前のサイン」を一緒に探し、いつもと違う様子があれば決めつけずに声をかけてくれる姿勢が重要です。

5-2.服薬による眠気への配慮

眠気が強い日に作業の開始時間や内容を変更できるか、危険を伴う作業を避けられるかを確認します。服薬内容そのものを事業所が決めることはできませんが、日中の状態を記録し、本人が診察時に伝えやすいよう整理する支援は可能です。

眠気を「やる気がない」と捉えず、体調の一部として扱ってくれるかを見てください。同時に、安全のために必要な確認や作業制限を説明してくれることも大切です。

5-3.休憩しやすい環境

休憩室の有無だけでなく、実際に落ち着いて休める場所かを確認します。人の出入りが多い、会話が続いている、作業場と同じ音が聞こえる環境では、十分に休めない方もいます。

一人で過ごせる場所が常に用意されているとは限りませんが、空いている席や別室を利用できるか、外の空気を吸うために短時間離席できるかなど、現実的な対応を聞いてみましょう。

5-4.職員への相談方法

困ったときに誰へ相談すればよいかが分からないと、不安を抱えたまま作業を続けることになります。担当職員が決まっているか、担当者が不在のときは誰に声をかけるか、面談を希望する方法などを確認してください。

口頭で相談することが難しい方は、メモや連絡帳、メッセージなど別の方法を使えるか尋ねましょう。相談内容を他の利用者の前で話さず、プライバシーに配慮してくれることも重要です。

5-5.緊急時の連絡体制

急な体調悪化や事故が起きた場合の連絡先、家族や医療機関への連絡手順を事前に確認します。本人が「この状態なら誰へ連絡してほしいか」を伝え、事業所側と共有しておくと対応がスムーズです。

緊急時の対応は、本人の意思を尊重しながらも安全を優先する必要があります。連絡先や服薬情報は変更されることがあるため、定期的に更新しましょう。

6.通所日数と作業時間の決め方

6-1.週1日から始める場合

長いあいだ外出の機会が少なかった方や、新しい場所への緊張が強い方は、週1日から始める方法があります。最初の目標は、たくさん作業することではありません。決まった曜日に起き、身支度をして、事業所まで移動し、短い時間を過ごして帰る。その一連の流れに慣れることから始めます。

週1日では慣れるまで時間がかかることもありますが、無理に増やす必要はありません。欠席が続く場合は、曜日や時間帯、移動方法が合っているかを見直します。

6-2.短時間利用から始める場合

午前だけ、午後だけ、あるいは1~2時間だけ利用する方法なら、どのくらいで疲れが出るかを確認しやすくなります。事業所で過ごす時間だけでなく、行き帰りの移動に使う体力も含めて考えてください。帰宅後に何時間も寝込む状態が続くなら、利用時間がまだ長い可能性があります。

短時間を安定して続けられたら、30分ずつ延ばす、作業を一つ増やすなど、小さな変更を試します。日数と時間を同時に増やすと負担の原因が分かりにくいため、一度に一つずつ変えると調整しやすくなります。

6-3.通院日との調整

定期通院や訪問看護などの予定を優先し、無理のない通所日を設定します。通院後は疲れやすい方もいるため、同日に利用するか別日にするかは本人の状態によって判断します。

通院があることを理由に利用を諦める必要はありません。事業所へ予定を伝え、曜日変更や振替が可能かを確認しましょう。

6-4.体調を見ながら日数を増やす

日数を増やす目安は、単に「休まず通えたか」だけではありません。帰宅後に食事や入浴ができているか、睡眠が大きく乱れていないか、翌日まで疲れが残っていないかなど、生活全体を見て判断します。

調子のよい日に勢いで増やすのではなく、数週間の様子を見てから決めるほうが安全です。増やした後に負担が出たら、いったん元の日数へ戻して構いません。それは後退ではなく、自分に合うペースを探すための調整です。

7.見学・体験利用で確認したいこと

7-1.作業場所の音や人の多さ

ホームページの写真では、作業中の音、席の間隔、人の出入りまでは分かりません。見学では実際の作業場に入り、「ここで1~2時間過ごしたらどのくらい疲れそうか」を考えてみてください。可能であれば、自分が利用を希望する時間帯に訪れると、普段に近い雰囲気を確認できます。

音や人の多さが気になった場合は、静かな席、別工程、利用時間の調整ができるかを相談します。

7-2.作業手順の説明方法

口頭だけで説明するのか、見本や写真、手順書があるのかを確認します。分からないときに何度質問してもよい雰囲気か、職員が実際に一緒にやって見せてくれるかも大切です。

体験利用では、作業ができたかどうかだけでなく、「説明を理解しやすかったか」「困ったときに助けを求められたか」を振り返りましょう。

7-3.休憩場所の有無

休憩場所を見せてもらい、座れる人数、静かさ、過ごし方のルールを確認します。休憩中に会話へ参加する必要はありません。一人で過ごしたい希望を伝えられるかも確認します。

体調が悪くなったときに横になれるとは限らないため、どのような対応になるかを具体的に聞いておきましょう。

7-4.体調不良時の対応

見学時には、「朝から調子が悪い日はどう連絡するのか」「利用中に不安が強くなったらどこで休めるのか」「電話での欠席連絡が難しい場合はどうするのか」など、実際に起こりそうな場面を挙げて質問しましょう。遅刻や早退の扱いも先に分かっていると、利用後の不安を減らせます。

規則があること自体が悪いのではありません。規則の理由を説明し、本人の事情に応じた相談ができるかが重要です。

7-5.職員や利用者の雰囲気

職員が利用者へどのような言葉で説明しているか、急かしたり大きな声で注意したりしていないかを見ます。利用者同士の距離感や、作業中の落ち着きも確認しましょう。

一度の見学だけでは判断しにくい場合は、体験利用を複数回行う方法もあります。家族や支援者の印象も参考になりますが、最終的には本人が安心できるかを大切にします。

8.家族がB型事業所を探す場合のポイント

8-1.本人の希望を確認する

家族は先のことを心配するあまり、「週に何日通うか」「どの作業をするか」を本人より先に決めたくなることがあります。しかし、本人が納得しないまま始めると、通所そのものへの抵抗が強くなりかねません。まずは、本人が今困っていること、外へ出ることへの不安、どのような場所なら行けそうかを聞いてみてください。

すぐに答えが出ない場合は、複数の事業所を見学し、比べながら考える方法があります。

8-2.無理に利用を勧めない

体調が不安定な時期に強く通所を勧めると、家族関係がぎくしゃくしたり、本人が支援機関との関わりを避けたりすることがあります。相談だけしてみる、資料を一緒に見る、建物の前まで行ってみるなど、本人が受け入れられる小さな段階から始めても構いません。

一方で、長く自宅にいることを責めず、本人が困っていることを聞く姿勢が大切です。

8-3.家族だけで相談できるか確認する

本人がまだ見学に行く気持ちになれない場合、家族だけで事業所へ相談できることがあります。家族相談では、利用条件、作業内容、支援体制、今後の進め方を確認できます。

ただし、家族だけで利用を決定することはできません。本人への説明と意思確認を丁寧に行いましょう。

8-4.主治医や相談支援専門員と連携する

主治医は治療面から、相談支援専門員は生活や福祉サービス全体の視点から助言できます。家族だけで抱え込まず、本人の同意を得ながら支援者と情報を共有してください。

家族が疲れている場合は、家族自身の相談先を持つことも大切です。支える側に余裕がなくなると、本人への声かけが強くなりやすいため、支援機関を活用しましょう。

9.だいこん畑で相談できること

9-1.体調に合わせた通所ペース

だいこん畑は、大阪市内で就労継続支援B型事業所を運営しています。B型事業所の利用を検討している方は、だいこん畑β北田辺店、だいこん畑β住之江店、だいこん畑β帝塚山店などへ、見学や利用についてご相談いただけます。初めから長時間・多日数を前提にするのではなく、「まずはこの曜日の、この時間なら行けそう」という現実的なところから相談できます。

利用できる曜日や時間、送迎の有無などは事業所ごとに異なるため、見学時に具体的にご確認ください。

9-2.本人に合った作業選び

だいこん畑のB型事業所では、店舗ごとに軽作業やパソコン作業などを用意しています。だいこん畑β北田辺店では、袋詰め、検品、シール貼り、仕分け、梱包などが中心です。だいこん畑β住之江店では、中古CDの状態確認、撮影、画像のトリミング、商品情報の入力、梱包、出荷準備などに取り組みます。作業名だけで決めず、実際の環境や説明方法も含めて本人に合うかを確かめます。

見学や体験利用では、作業の難しさだけでなく、職員へ質問しやすいか、疲れたときに休憩を相談できるかも確認します。

9-3.見学・体験利用

利用前に見学や体験を行うと、写真や文章だけでは分からない空気感を確かめられます。一人で行くことが不安な場合は、家族、相談支援専門員、訪問看護師などに同行してもらう方法もあります。

体験後は、「作業ができたか」だけで判断しないことが大切です。説明は分かりやすかったか、休憩を申し出やすかったか、帰宅後にどのくらい疲れたかまで振り返ると、実際に通い続けられそうかを考えやすくなります。

9-4.家族や支援機関からの相談

本人からの相談だけでなく、家族や支援機関からの問い合わせにも対応しています。「本人に合う作業があるか」「まだ利用の意思が固まっていないが相談できるか」「医療機関と連携できるか」など、気になる点をお伝えください。

利用の可否は自治体の支給決定や事業所の受け入れ状況によって異なりますが、まず状況を整理することで次の行動が見えやすくなります。

10.まとめ|本人が安心して通える事業所を選ぼう

10-1.症状名だけでなく、通いやすさと支援の相性を確認する

統合失調症のある方がB型事業所を選ぶときは、診断名よりも、日々どのような場面で負担を感じるかを整理することが出発点になります。疲れやすさ、音への敏感さ、睡眠の乱れ、薬による眠気、人と接するときの緊張などを振り返り、利用時間を調整できるか、休みたいときに伝えられるか、体調が変わったときに対応してもらえるかを確認してください。

もちろん作業内容も大事です。しかし、やってみたい作業があることと、安心して通い続けられることは同じではありません。見学や体験では、作業場の音、人の多さ、職員の説明の仕方、休憩場所、帰宅後の疲れ方まで見ておくと、事業所との相性が分かりやすくなります。

体調に波があれば、予定どおりに通えない時期もあります。日数を減らすことや、一度休んで立て直すことは失敗ではありません。主治医、相談支援専門員、家族、事業所職員と相談しながら、その時点の状態に合う利用方法へ調整していくことが、長く続けるための近道です。大阪市でB型事業所を探している方は、だいこん畑の見学・体験利用もご相談ください。本人の希望と体調を伺いながら、無理のない一歩を一緒に考えます。

参考資料


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