「働きたい気持ちはあるけれど、仕事を始めるのが怖い」「また失敗するのではないか」「長く仕事から離れていて、社会復帰できるか不安」と感じていませんか。
働くことへの不安は、人間関係、過去の仕事での経験、体調、生活リズム、仕事から離れていた期間など、さまざまなことが関係して生まれます。「働かなければ」と思うほど不安が強くなり、何から始めればよいのか分からなくなる方もいます。
社会復帰を考えるときも、最初から一般企業への就職やフルタイム勤務を目標にする必要はありません。生活リズムを整える、短時間外出する、誰かに相談する、就労支援事業所を見学するなど、現在の状態に合わせて小さな段階から始める方法があります。
この記事では、「働くのが怖い」と感じる主な原因を整理したうえで、無理なく社会復帰するための進め方や、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などの支援について紹介します。大阪市で就労支援の利用を考えている方も、自分に合った働き方を考える参考にしてください。
この記事で分かること
- 働くのが怖いと感じる主な理由
- 仕事に対する不安を整理する方法
- 無理なく社会復帰するための進め方
- 働くことに不安がある方が利用できる就労支援
- 就労継続支援A型とB型の違い
- 大阪市で就労支援を利用するまでの流れ
目次
1.働くのが怖いと感じる主な理由
「働くのが怖い」と感じる理由は人によって異なります。仕事そのものが嫌なのではなく、職場の人間関係や失敗への不安、過去の経験、体調、生活リズムなどが関係している場合もあります。
複数の不安が重なっているケースも珍しくありません。たとえば、「朝起きられるか不安」「職場の人とうまく話せるか不安」「仕事を覚えられるか不安」という気持ちが重なると、実際に働く前から大きな負担を感じることがあります。
最初に大切なのは、「働けるか、働けないか」と二つに分けて考えることではありません。自分が何に不安を感じているのかを一つずつ整理すると、必要な支援や自分に合った環境を考えやすくなります。
1-1.人間関係への不安
働くことへの不安の中でも、人間関係を心配する方は少なくありません。「上司や同僚とうまく話せるだろうか」「嫌われたらどうしよう」「分からないことを質問できるだろうか」と考えるうちに、仕事そのものまで怖く感じることがあります。
特に、以前の職場で人間関係に悩んだ経験がある場合、新しい職場でも同じことが起こるのではないかと慎重になりやすくなります。周囲に気を遣いすぎて疲れてしまう方や、大人数の環境が苦手な方にとっては、仕事内容より職場環境の方が重要になることもあります。
人間関係が不安な場合は、求人票やホームページだけで判断せず、実際の職場や事業所を見てみることも大切です。見学ができる場合は、利用者同士の距離感、職員の声掛け、困ったときに相談しやすい雰囲気かどうかなどを確認すると、自分が通う姿をイメージしやすくなります。
1-2.過去の仕事でのつらい経験
以前の職場で強く叱られた、人間関係で孤立した、仕事量が多く体調を崩したなどの経験があると、「また同じことになるのではないか」と考えることがあります。
過去の経験そのものを変えることはできませんが、これから働く環境や働き方を変えることはできます。以前と同じ勤務時間、仕事内容、職場環境に戻ることだけが社会復帰ではありません。
たとえば、以前はフルタイム勤務だった方でも、今の状態では短い時間から始める方が続けやすいことがあります。人との関わりが負担だった場合は、比較的個人で進めやすい作業がある場所を探す方法もあります。
「以前できていたから、同じようにできなければならない」と考える必要はありません。現在の体調や生活状況を基準にして働き方を考えることが大切です。
1-3.失敗することへの不安
「仕事を覚えられなかったらどうしよう」「ミスをして迷惑をかけたらどうしよう」と考えることも、働くのが怖くなる理由の一つです。
仕事から離れていた期間が長い場合や、新しい仕事内容に挑戦する場合は、特にこの不安が大きくなることがあります。しかし、新しい職場で最初からすべてを理解して働ける人は多くありません。分からないことを確認しながら少しずつ仕事を覚えていく期間が必要です。
就労支援事業所では、本人の経験や得意・不得意を確認しながら、取り組みやすい作業から始める場合があります。最初から難しい仕事を目標にするのではなく、「決められた時間に通えた」「一つの作業を覚えられた」といった経験を積み重ねることも、働くことへの自信につながります。
1-4.体調や生活リズムへの不安
働くことを考えたときに、「朝起きられるだろうか」「決まった時間に通えるだろうか」「最後まで作業を続けられるだろうか」と心配になる方もいます。
仕事から離れている期間が続くと、起床時間や就寝時間が不規則になったり、日中に活動する時間が少なくなったりすることがあります。また、体調に波がある場合は、毎日同じ時間に活動すること自体が負担になることもあります。
このような場合は、最初から「週5日働く」ことだけを目標にせず、現在どのくらい活動できるのかを確認してみましょう。利用するサービスや事業所によっては、本人の状態を確認しながら利用方法を相談できる場合があります。

2.働きたいのに動けないときの考え方
「働きたい」と思っているのに行動できないと、「自分は怠けているのではないか」「周りは働いているのに自分だけ進めていない」と考えてしまうことがあります。
しかし、「働きたい」という気持ちと「怖い」という気持ちは同時に存在することがあります。働く意思がないのではなく、不安の方が大きいために行動へ移せないケースもあります。
このようなときは、いきなり「就職するかどうか」を決めるのではなく、何が不安なのかを書き出してみる方法があります。
- 朝起きることが不安
- 電車やバスで通うことが不安
- 人との会話が不安
- 仕事を覚えることが不安
- 長時間働くことが不安
- 体調を崩さないか不安
不安を分けて考えると、「通勤方法を確認する」「短い時間から試す」「見学で職場の雰囲気を見る」など、具体的な対応を考えやすくなります。
3.無理に働き始めなくてもよい理由
「早く働かなければ」「収入を得なければ」と焦り、不安が大きい状態のまま仕事を始めようとすることがあります。しかし、自分の状態に合わない働き方を選ぶと、通勤や人間関係、仕事内容が大きな負担となり、続けることが難しくなる場合があります。
特に、長く仕事から離れていた場合は、働くことだけでなく、朝起きること、外出すること、決まった場所へ通うこと、人と関わることなど、さまざまな変化が一度に起こります。
そのため、社会復帰では「どれだけ早く働けるか」だけではなく、「無理なく続けられるか」という視点も重要です。
ポイント
社会復帰は、以前と同じ働き方に戻ることだけではありません。現在の体調、生活リズム、得意なこと、苦手なことを確認しながら、自分が続けやすい働き方を探すことも社会復帰の一つです。
4.社会復帰に向けてできること
働くことに不安がある場合、求人へ応募することだけが第一歩ではありません。現在の状態に合わせ、小さな行動から始めることができます。
4-1.生活リズムを確認する
まずは、現在の起床時間、就寝時間、食事の時間、日中に活動できている時間などを確認してみましょう。
最初から完璧な生活を目指す必要はありません。「午前中に起きる日を増やす」「同じくらいの時間に朝食をとる」「日中に30分程度活動する」など、取り組みやすいことから始めます。
就労支援事業所を見学するときも、開始時間に無理なく到着できそうか、利用後に疲れが残りすぎないかなどを考えてみると、実際に利用した場合のイメージを持ちやすくなります。
4-2.外に出る機会をつくる
自宅で過ごす期間が長い場合は、いきなり毎日通勤・通所することが大きな負担になることがあります。そのような場合は、短い外出を増やすところから始める方法があります。
近所を散歩する、買い物へ行く、図書館や公共施設へ行くなど、目的は大きなものでなくても構いません。決まった時間に外へ出る経験を重ねると、通所や通勤に必要な生活リズムをイメージしやすくなります。
外出そのものに不安がある場合は、就労支援事業所への相談や見学も、社会との接点を増やす一つの機会として考えられます。
4-3.自分に合う作業を考える
「仕事」という言葉を聞くと、自分にできる仕事がないように感じることがあります。しかし、就労支援事業所で行われている作業は施設によって異なります。
軽作業、袋詰め、検品、シール貼り、梱包、製造補助、パソコンを使った入力作業など、さまざまな仕事があります。
大切なのは、「何でもできるようになること」ではありません。細かい作業が得意なのか、体を動かす方が取り組みやすいのか、パソコン作業が好きなのかなど、自分に合いそうな作業を見つけることも働く準備になります。
4-4.相談や見学から始める
「働くことを考え始めたら、すぐ利用を申し込まなければならない」と考える必要はありません。
まずは相談をして、自分が不安に感じていることを話すだけでも構いません。また、事業所を見学すれば、ホームページだけでは分からない作業環境や職員の雰囲気を見ることができます。
自分がその場所で過ごしている姿をイメージできるかどうかも、事業所選びの一つの判断材料になります。

5.働くのが怖い方が利用できる就労支援
一般企業へすぐ就職することに不安がある場合、障がい福祉サービスとして提供されている就労支援を利用できることがあります。
代表的なサービスには、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型があります。それぞれ利用目的や働き方が異なるため、「どの制度が一番よいか」ではなく、自分の現在の状態や目標に合っているかを確認することが大切です。
5-1.就労移行支援
就労移行支援は、一般企業などへの就職を目指す方が、必要な準備や訓練、就職活動に関する支援を受けるサービスです。
職場で必要となるコミュニケーションやビジネスマナー、履歴書作成、面接準備などについて支援を受けられる場合があります。
「一般就労を目指したいが、今すぐ求人へ応募することには不安がある」という場合に、就職へ向けた準備期間として検討する方法があります。
5-2.就労継続支援A型
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結び、支援を受けながら働く福祉サービスです。
雇用契約に基づいて働くため、労働時間や勤務日数などの勤務条件を確認したうえで利用します。働いた時間に応じて賃金が支払われることもA型の大きな特徴です。
「一般企業で働くことにはまだ不安があるものの、支援を受けながら雇用契約に沿って働きたい」という方にとって、選択肢の一つになります。
ただし、A型であれば誰でも同じ働き方ができるわけではありません。事業所によって仕事内容、勤務時間、勤務日数、支援内容などが異なるため、見学時に具体的な条件を確認することが大切です。
5-3.就労継続支援B型
就労継続支援B型は、事業所との雇用契約を結ばず、生産活動などを通じて働く経験を積みながら支援を受ける福祉サービスです。
「毎日決まった時間に働くことにはまだ不安がある」「まずは自分の状態を確認しながら作業を始めたい」といった場合に、B型の利用を検討することがあります。
事業所によって作業内容や利用時間、利用日数、工賃などが異なります。自分が無理なく通えそうか、興味のある作業があるか、困ったときに相談しやすいかなども確認してみましょう。
6.A型とB型はどう選べばよい?
就労継続支援A型とB型を検討するとき、大きな違いの一つになるのが雇用契約の有無です。
| 比較項目 | A型 | B型 |
|---|---|---|
| 雇用契約 | あり | なし |
| 受け取るお金 | 賃金 | 工賃 |
| 基本的な働き方 | 雇用契約や勤務条件に沿って働く | 本人の状態に合わせて生産活動などに取り組む |
| 検討するときの視点 | 支援を受けながら雇用契約を結んで働きたい | まずは自分のペースで作業経験を積みたい |
A型とB型にはそれぞれ役割があり、「どちらの方が優れている」というものではありません。
現在の体調、生活リズム、週に何日通えそうか、どの程度の時間働けそうか、希望する仕事内容、将来的にどのような働き方を目指したいかなどを確認しながら検討します。
違いを詳しく確認したい方は、福祉サービス比較ページも参考にしてください。
7.就労支援の見学で確認したいこと
就労支援事業所は、同じA型・B型でも仕事内容や雰囲気が異なります。そのため、ホームページを見るだけで決めず、可能であれば実際に見学してみることをおすすめします。
見学するときは、次のような点を確認してみましょう。
- どのような作業があるか
- 1日の流れはどうなっているか
- 利用時間や勤務時間はどのくらいか
- 休憩はどのように取るか
- 職員へ相談しやすい雰囲気か
- 自宅から無理なく通えるか
- 利用者がどのような雰囲気で作業しているか
仕事内容だけではなく、「ここなら通えそう」と感じられるかどうかも大切です。
見学時にすべてを決める必要はありません。分からないことや不安なことは職員へ質問し、必要であれば家族や相談支援専門員などと一緒に検討していきましょう。
8.大阪市で就労支援を利用する流れ
大阪市で就労継続支援A型・B型などの障がい福祉サービスを利用する場合は、本人の状況や希望を確認しながら手続きを進めます。
大まかな流れは次のとおりです。
- 就労支援について情報を集める
- 気になる事業所へ相談・見学を申し込む
- お住まいの区の窓口などへ相談する
- 必要に応じて障がい福祉サービスの利用申請を行う
- サービス等利用計画など必要な手続きを進める
- 支給決定後、受給者証が交付される
- 利用する事業所と契約する
- 利用を開始する
利用するサービスや本人の状況によって必要な手続きは異なります。最初から制度や申請方法をすべて理解しておく必要はありません。
「自分がA型・B型の対象になるのか分からない」「受給者証について分からない」といった場合も、市区町村の窓口や相談支援事業所、利用を検討している事業所などへ相談しながら進めることができます。
詳しい流れについては、利用・応募までの流れもご覧ください。
確認しておきたいこと
障がい福祉サービスの利用対象や申請方法、利用者負担などは、本人の状況や利用するサービスによって異なります。実際に利用を検討するときは、お住まいの市区町村や相談支援事業所、利用予定の事業所へ確認してください。

9.働くのが怖いときの相談先
「働きたいけれど何から始めればよいか分からない」「自分が働ける状態なのか分からない」という場合は、一人で結論を出す必要はありません。
働くことについて相談できる場所はいくつかあります。
- 市区町村の障がい福祉に関する窓口
- 相談支援事業所
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
- 地域若者サポートステーション
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援A型・B型事業所
相談したからといって、すぐに就職やサービス利用を決める必要はありません。今困っていることや不安に感じていることを話し、自分にどのような選択肢があるのかを知るところから始めることもできます。
また、家族や支援者が一緒に相談することもできます。「本人だけで事業所へ問い合わせることが不安」という場合は、家族、相談支援専門員、医療機関などと相談しながら進めていく方法もあります。
まとめ
「働くのが怖い」と感じる背景には、人間関係への不安、過去の仕事での経験、失敗への心配、体調、生活リズム、仕事から離れていた期間など、さまざまな理由があります。
大切なのは、無理に不安をなくそうとすることではなく、自分が何に不安を感じているのかを一つずつ確認することです。
- 働くのが怖い理由を整理してみる
- 現在の体調や生活リズムを確認する
- 外出など小さな行動から始める
- 自分に合いそうな仕事内容を考える
- 就労支援事業所へ相談・見学してみる
- 必要に応じてA型・B型などの就労支援を検討する
社会復帰には一つの決まった方法があるわけではありません。すぐ一般就労を目指す方もいれば、就労移行支援を利用して準備をする方、A型で支援を受けながら働く方、B型で作業経験や生活リズムを整えるところから始める方もいます。
「働きたい気持ちはあるけれど、まだ不安がある」という段階でも相談できます。まずは事業所を見学し、仕事内容や実際の雰囲気を知るだけでも、これからの働き方を考える材料になります。
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