就労継続支援A型・B型などの仕事を探していると、「清掃作業」という仕事内容を目にすることがあります。「掃除なら自分にもできそう」と感じる方がいる一方で、「体力が必要そう」「トイレ清掃もする?」「覚えることは多い?」と不安に思う方もいるでしょう。
清掃作業といっても、床を掃く、机を拭く、ゴミを回収する、共用部分を整えるなど仕事内容はさまざまです。事業所や作業場所によって担当する範囲も異なるため、「清掃作業だから誰にでも向いている」「障がいのある方に適した仕事」と一括りにすることはできません。
大切なのは、実際の作業内容を細かく確認し、自分の得意なこと、苦手なこと、体力、作業時間、必要な支援と合っているかを見ることです。
この記事では、障がい者就労支援で行われる清掃作業の仕事内容、作業を通じて身につけられること、向いている人の特徴、苦手な場合の工夫、事業所見学や体験で確認したいポイントまで具体的に解説します。
この記事で分かること
- 就労支援で行われる清掃作業の仕事内容
- 清掃作業に必要な力や身につくこと
- 清掃作業が向いている人の考え方
- 苦手な作業がある場合の工夫
- 就労継続支援A型・B型での働き方
- 見学や体験で確認したいポイント
目次
1.就労支援の清掃作業とは
障がい者就労支援で行われる清掃作業とは、事業所内や企業、施設などの環境をきれいに保つ仕事です。
仕事内容は事業所によって異なり、建物全体を清掃する場合もあれば、床掃除や拭き掃除など一部の作業だけを担当する場合もあります。
就労継続支援事業所では、仕事を単に「掃除する」という大きな単位で渡すのではなく、作業を細かく分けたり、手順を確認したりしながら取り組むことがあります。
例えば、「共用部分を清掃する」という仕事でも、ほうきで床を掃く、モップをかける、手すりを拭く、ゴミを回収する、終了後に確認するという複数の工程に分けられます。
自分がどの工程なら取り組みやすいのか、どの工程では支援が必要なのかを確認できることも、就労支援の中で仕事を経験する意味の一つです。

2.清掃作業にはどんな仕事がある?
「清掃」と聞くと一つの仕事のように感じますが、実際には複数の作業があります。何を担当するかは作業場所や事業所によって異なります。
2-1.床の掃除
床清掃では、ほうきや掃除機、モップなどを使って床の汚れやゴミを取り除きます。
一見簡単に見えますが、「どこから始めるか」「どの方向へ進むか」「掃除が終わった場所を再び歩かないか」など、効率よく作業するための手順があります。
掃除機やモップを長時間使う場合は体力が必要になることもあるため、作業時間や休憩の取り方を確認しておくとよいでしょう。
2-2.机や備品の拭き掃除
机、棚、ドア、手すりなどをクロスで拭く作業もあります。
拭き残しがないよう、上から下、右から左など、一定の順序で作業すると確認しやすくなります。
同じ動作を繰り返す仕事が取り組みやすい方にとっては、作業手順を覚えることで安定して進めやすくなる場合があります。
2-3.ゴミの回収・分別
決められた場所のゴミ箱を確認し、ゴミ袋を交換したり、ゴミを決められた場所へ運んだりする仕事です。
作業場所によっては、燃えるゴミ、資源ごみなどを分別する必要があります。どこに何を捨てるかを最初に確認しておくことで、作業しやすくなります。
ゴミ袋を持って移動する作業では、重さや移動距離も確認しておきましょう。重い物を運ぶことが難しい場合は、担当範囲を相談できるか確認することも大切です。
2-4.トイレや水回りの清掃
仕事によっては、トイレ、洗面台など水回りの清掃を担当することがあります。
洗剤や清掃道具を使い分ける場合もあるため、使用方法を覚える必要があります。また、汚れやにおいが苦手な方にとっては負担になることもあります。
清掃の求人や事業所を選ぶ際は、「清掃作業あり」という情報だけで判断せず、トイレ清掃を含むのかなど、担当範囲を具体的に確認しておきましょう。
2-5.建物の共用部分の清掃
廊下、階段、玄関、エレベーター周辺など、多くの人が利用する場所を清掃する仕事もあります。
施設を利用している人がいる時間帯に作業する場合は、周囲を確認しながら作業する必要があります。
「清掃中です」と声をかけたり、人が通るときに作業を一度止めたりするなど、安全に配慮しながら進めます。
3.清掃作業の一日の進め方
清掃作業の流れは作業場所によって異なりますが、仕事を始める前に担当場所や手順を確認し、終了後に仕上がりを確認するという流れが基本になります。
- その日の担当場所を確認する
- 必要な清掃道具を準備する
- 決められた手順で清掃する
- ゴミや使用した道具を片づける
- 清掃した場所を確認する
- 終了したことを職員などへ報告する
複数人で清掃する場合は、「自分は床」「別の人は机」というように担当を分けることもあります。
最初からすべての作業を一人でできる必要はありません。初めて担当する場所では、職員から手順の説明を受けたり、一緒に作業したりしながら覚えていくことがあります。
慣れてきたら、担当する範囲を少しずつ増やしたり、自分で終了確認まで行ったりすることもあります。どこまで一人で行うかは、本人の状況や仕事内容によって異なります。
4.清掃作業で身につくこと
清掃作業では、掃除の方法だけでなく、仕事を続けるために必要な習慣を身につける機会にもなります。
4-1.決めた手順で作業する力
清掃には「先にゴミを取る」「その後に床を拭く」など、一定の手順があります。
手順に沿って作業する経験は、清掃以外の仕事でも役立ちます。製造や軽作業でも、決められた順序で作業することが求められるためです。
4-2.時間を意識して働く力
仕事として清掃を行う場合は、「きれいになるまで何時間でも掃除する」のではなく、決められた時間の中で作業を進めます。
例えば、「10時30分までにこの場所を終える」といった目安を確認しながら働くことで、時間を意識する経験につながります。
時間内に終わらない場合も、焦って自己判断で作業を省くのではなく、担当者へ相談することが大切です。
4-3.報告・確認する習慣
仕事では、自分で判断できないことが出てくる場合があります。
例えば、「この汚れは落ちない」「置いてある物を動かしていいか分からない」「洗剤をどれにすればよいか分からない」といった場面です。
そのときに勝手に判断せず、職員や担当者へ確認することも仕事の一つです。こうした報告・連絡・相談の経験は、ほかの仕事にもつながります。
5.清掃作業が向いている人は?
清掃作業には「この障害なら向いている」といった決まった答えはありません。
障害名ではなく、本人の得意・不得意や実際の作業との相性を見ることが大切です。
例えば、次のような方は清掃作業を取り組みやすいと感じる場合があります。
- 作業手順が決まっている方が取り組みやすい
- 体を動かす仕事をしたい
- 同じ作業を繰り返すことが苦になりにくい
- 作業の前後が目で分かる方が取り組みやすい
- 一つずつ仕事を終わらせることが好き
- 人と長く会話する仕事より作業中心の仕事を希望している
ただし、当てはまらないから清掃ができないわけではありません。また、「掃除が好きだから仕事としての清掃にも必ず向いている」とも限りません。
家庭での掃除と仕事としての清掃では、求められる仕上がりや時間、作業手順が異なることがあります。仕事では一定の時間内に作業したり、決められた方法で仕上げたりする必要があります。
可能であれば見学や体験で実際の作業を確認し、「できるか」だけではなく「続けられそうか」を確認しましょう。
6.清掃が苦手でもできる?
清掃作業の中に苦手な工程があっても、作業方法を工夫することで取り組みやすくなる場合があります。
6-1.作業手順を見える化する
口頭で一度に複数の指示を聞くことが難しい場合は、手順書やチェック表を使う方法があります。
- ①ゴミを回収する
- ②机を拭く
- ③床を掃く
- ④モップをかける
- ⑤終了確認をする
このように順番が分かれば、「次に何をすればよいか」を確認しながら進められます。
写真入りの手順書や、終わった工程にチェックを付ける方法など、本人に合った確認方法を使うことも考えられます。
6-2.作業を小さく分ける
「この部屋を全部掃除してください」と指示されると、どこから手をつければよいか分からない場合があります。
その場合は、「まず机を拭く」「終わったら床を掃く」と工程を分けることで取り組みやすくなることがあります。
最初は一つの工程を担当し、慣れてからできる作業を増やす方法もあります。
6-3.体力に合わせて調整する
清掃には立ったまま行う作業や、歩く距離が長い作業、かがむ動作などが含まれる場合があります。
長時間続けることが難しい場合は、どの程度の作業時間なら無理なく取り組めるかを確認します。
体調面で配慮が必要な場合は、作業を始める前に事業所や支援者へ伝え、休憩や担当作業について相談しておくと安心です。
「できない作業」だけで判断しない
トイレ清掃は苦手でも床清掃は得意、長時間は難しくても短い時間なら集中できるなど、人によって取り組みやすい作業は異なります。清掃全体ができるかではなく、どの工程ならできそうかを確認してみましょう。

7.清掃作業で注意したいこと
清掃作業では、きれいにすることだけでなく安全に作業することも大切です。
- 洗剤の使用方法を守る
- 濡れた床で滑らないよう注意する
- 清掃道具を通路に置いたままにしない
- 重い物を無理に一人で運ばない
- 手袋など必要な保護具を使う
- 分からない汚れや薬剤は自分だけで判断しない
作業場所によって注意事項は異なります。特に洗剤や清掃機器を使用する場合は、事前に使い方を確認しましょう。
また、利用者や来客がいる施設では、周囲の人へ配慮しながら清掃することも必要になります。人が通る場所では、床が濡れていることを知らせたり、作業道具が通行の妨げになっていないか確認したりします。
8.A型・B型で清掃をする場合
清掃作業は、就労継続支援A型・B型の仕事内容として取り入れられることがあります。ただし、同じ清掃でも働き方は異なります。
A型では事業所と雇用契約を結び、雇用契約に基づいて勤務します。そのため、勤務時間や仕事内容などの条件を確認したうえで働きます。
B型では雇用契約を結ばず、生産活動などの一つとして清掃作業に取り組む場合があります。利用時間や作業の進め方は本人の状態や事業所によって異なります。
A型とB型の違いについては、福祉サービスの比較ページで確認できます。
A型を検討している方は就労継続支援A型、B型を検討している方は就労継続支援B型のサービスページもご覧ください。
9.一般就労につながることもある?
清掃作業の経験が、一般企業などで働くための経験につながる場合があります。
清掃職そのものを目指す場合だけではありません。決められた時間に出勤する、作業手順を守る、終了後に報告する、分からないことを確認するなど、働くうえで必要になる行動を経験できます。
また、清掃作業を経験することで、「体を動かす仕事が合っている」「一人で進める作業の方が集中しやすい」「同じ作業が続くと疲れやすい」といった自分の特徴に気づくこともあります。
こうした経験を、次に仕事を選ぶときの材料にすることもできます。
一般就労後に一定の条件を満たす場合には、就労定着支援を利用して、仕事や生活面の相談につなげられることもあります。
10.見学・体験で確認したいこと
清掃作業に興味がある場合は、求人名や「清掃あり」という説明だけで決めず、実際の作業内容を確認しましょう。
- どこを清掃するのか
- トイレ清掃はあるか
- どのような道具を使うか
- 一人で作業するか複数人で作業するか
- 立ち仕事はどのくらい続くか
- 重い物を運ぶ作業はあるか
- 屋内・屋外のどちらで作業するか
- 利用者やお客様がいる場所で作業するか
- 分からないとき誰に相談するか
- 苦手な工程がある場合に相談できるか
可能であれば、実際の道具を見たり、短時間でも作業を体験したりすると、自分との相性を判断しやすくなります。
「できるかどうか」だけでなく、「この仕事を続けたときに無理がないか」という視点で確認してみましょう。
10-1.体験後は疲れ方も振り返る
清掃作業を体験した後は、「作業ができたかどうか」だけで判断せず、作業中や帰宅後の疲れ方まで振り返ってみましょう。
例えば、30分の床清掃は問題なくできても、同じ姿勢や動作を2時間続けると疲れが強くなることがあります。また、作業そのものには集中できても、人の出入りが多い場所や大きな音がする環境では疲れやすい場合もあります。
体験後には、「どの作業が取り組みやすかったか」「どの場面で疲れたか」「説明は分かりやすかったか」「困ったときに質問できたか」などを振り返ると、自分に必要な支援が見えやすくなります。
一度の体験でうまくできなかったからといって、その仕事が合わないとは限りません。初めて使う道具や初めての場所では、緊張して普段より疲れることもあります。逆に、体験では問題なくできても、毎日続けると負担になる場合もあります。
そのため、見学や体験では「できた・できなかった」だけではなく、「どの程度の時間なら続けられそうか」「どのような説明や支援があれば取り組みやすいか」まで確認することが大切です。
11.大阪市で清掃の仕事を探す場合
大阪市で就労継続支援A型・B型の清掃作業を探す場合は、仕事内容だけでなく、通いやすさや勤務・利用時間も確認することが大切です。
例えば、清掃作業そのものは自分に合っていても、通勤に時間がかかりすぎると継続する負担が大きくなることがあります。
自宅からの距離、電車やバスの乗り換え、利用する時間帯の混雑なども含めて確認しましょう。
また、同じ「清掃」という仕事でも事業所によって作業内容は異なります。建物内の清掃が中心の場合もあれば、事業所内の清掃だけを担当する場合もあります。
仕事の内容が自分に合っていても、勤務・利用時間や通所方法が合わなければ継続が難しくなることがあります。仕事内容と通いやすさをセットで確認することが大切です。
だいこん畑の各事業所については、事業所一覧から確認できます。利用を決める前に仕事内容を知りたい場合は、見学時にお尋ねください。

12.清掃作業のよくある質問
清掃の経験がなくてもできますか?
未経験でも取り組める清掃作業はあります。ただし、具体的な仕事内容や求められる作業レベルは事業所によって異なります。初めての場合にどのように教えてもらえるかも確認しましょう。
トイレ清掃は必ずありますか?
必ずあるわけではありません。担当する清掃場所は事業所や仕事によって異なります。トイレ清掃が苦手な場合は、応募や見学の段階で仕事内容を具体的に確認してください。
体力に自信がなくてもできますか?
清掃内容によって必要な体力は異なります。長時間歩く仕事や立ち仕事が多い場合もあれば、比較的限られた場所を担当する場合もあります。作業時間や休憩方法まで確認したうえで判断しましょう。
一人で清掃する仕事ですか?
一人で担当する場合もあれば、複数人で役割を分けて作業する場合もあります。人とのやり取りが苦手な場合や、一人になることに不安がある場合は、作業体制を事前に確認してみましょう。
清掃作業から一般就労を目指せますか?
清掃の仕事そのものを一般就労で続ける場合もあれば、清掃作業を通じて身につけた勤務習慣や報告・確認などの経験を別の仕事に活かす場合もあります。本人の希望や状態に合わせて次の働き方を検討します。
清掃が自分に合うか分かりません
仕事内容の説明だけでは判断しにくいため、見学や体験を活用する方法があります。何ができたかだけではなく、疲れ方、作業の分かりやすさ、職員へ質問しやすかったかなども振り返ってみましょう。
まとめ
障がい者就労支援で行われる清掃作業には、床掃除、拭き掃除、ゴミ回収、水回りの清掃、共用部分の清掃などさまざまな仕事があります。
- 清掃作業はいくつもの工程に分けられる
- 仕事内容は事業所や作業場所によって異なる
- 障害名だけで向き・不向きを決めるものではない
- 手順書やチェック表で取り組みやすくなる場合がある
- 体力や苦手な作業について事前に相談することが大切
- 仕事の手順、時間管理、報告・確認なども経験できる
- 見学や体験では帰宅後の疲れ方まで確認する
- 実際の作業との相性を確認してから仕事を選ぶ
「清掃なら簡単そう」「清掃は自分には無理」と最初から決める必要はありません。実際にどのような清掃をするのかを確認し、自分が取り組みやすい工程や必要な支援を整理することが大切です。
仕事を選ぶときは、できる作業だけでなく、勤務・利用時間、通いやすさ、疲れ方、相談しやすさまで含めて考えてみましょう。見学や体験を利用すると、自分に合う働き方をより具体的に考えやすくなります。
大阪市で就労継続支援事業所を
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自分に合う働き方を
だいこん畑で
一緒に考えませんか?
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大阪市内で就労継続支援A型・B型の
事業所を運営しています。
体調や生活リズム、得意なこと、
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