就労継続支援B型事業所について調べていると、「施設外就労」という言葉を見かけることがあります。名前だけを見ると、一般企業へ就職して働くような印象を受けるかもしれません。
施設外就労は、B型事業所が企業などから請け負った仕事に、利用者と職員が事業所外の作業場所で取り組む支援方法です。一般企業へ直接就職する働き方ではなく、B型事業所を利用しながら職員の支援を受けて作業します。
「知らない場所で作業できるだろうか」「周りの人についていけるだろうか」「途中で体調が悪くなったらどうなるのか」と不安に感じる方も少なくありません。施設外就労は、誰もがすぐに参加するものではなく、本人の希望や体調、普段の作業状況を確認したうえで検討します。
この記事では、施設外就労の仕組み、具体的な仕事内容、一日の流れ、参加するメリット、工賃との関係、不安を感じたときに受けられる支援について紹介します。大阪市で就労継続支援B型事業所を探している方や、事業所外での仕事に興味がある方は参考にしてください。
1.B型事業所の施設外就労とは
1-1. 事業所の外にある企業や作業場所で働く
施設外就労では、B型事業所の利用者が職員の支援を受けながら、企業、市場、工場、倉庫などへ出向いて作業します。作業場所は事業所によって異なり、青果物の袋詰め、商品の検品、食品製造の補助、清掃など、地域の企業から依頼を受けた仕事に取り組みます。
普段の事業所内作業と比べると、人の出入り、音、作業スペース、仕事の流れが異なります。そのため、施設外就労は仕事をこなすだけでなく、自分がどのような環境なら落ち着いて作業できるかを知る機会にもなります。
1-2. 一般企業への就職とは異なる
施設外就労の作業場所が一般企業の中にあっても、その企業へ就職したわけではありません。利用者は引き続きB型事業所を利用し、事業所が請け負った仕事に取り組みます。企業から直接雇用されるのではなく、作業の説明や体調面の支援は利用している事業所が行います。
企業の従業員と同じ場所で作業することはありますが、求められる役割や責任まで同じになるわけではありません。初めての作業は職員と確認しながら進め、困ったことがあれば職員を通して調整します。
1-3. 事業所職員の支援を受けながら作業する
施設外就労では、職員が作業場所へ同行し、作業手順の説明、作業量の調整、休憩の声かけなどを行います。利用者だけを外部の作業場所へ送り出し、あとは企業に任せるという形ではありません。
たとえば、袋詰めの数量を間違えやすい場合は見本を置く、長時間立つことが難しい場合は座ってできる工程を検討するなど、本人の状態に合わせて進め方を考えます。体調が悪くなったときは、休憩を取る、早めに事業所へ戻る、その日の作業を中止するといった対応を行います。
1-4. 通常の事業所内作業との違い
事業所内作業は、場所や職員に慣れているため、比較的落ち着いて取り組みやすい環境です。施設外就労では、決められた集合時間に合わせて準備し、職員やほかの利用者と移動して、作業先のルールに沿って行動します。
作業そのものが同じ袋詰めや検品でも、周囲に企業の従業員がいるだけで緊張する方もいます。反対に、普段とは違う場所の方が気持ちを切り替えやすく、集中しやすい方もいます。参加前に見学できる場合は、作業内容だけでなく、音、人の多さ、休憩場所、移動距離も見ておくと判断しやすくなります。

2.施設外就労ではどのような仕事をする?
2-1. 野菜や商品の袋詰め
施設外就労でよく行われる仕事の一つが、野菜や商品の袋詰めです。決められた個数や重さを確認して袋に入れ、口を閉じ、必要に応じてラベルやシールを貼ります。商品によっては、向きをそろえたり、傷んだものが混ざっていないか確認したりする工程もあります。
単純に見える作業でも、数量を数える、商品を丁寧に扱う、仕上がりを確認するなど、いくつかの動作が必要です。最初は一つの工程だけを担当し、慣れてから別の工程に進むこともあります。
2-2. 食品製造の補助
食品を扱う現場では、食材を容器に入れる、包装する、完成した商品を並べるといった製造補助を行います。作業前には手洗いや消毒を行い、帽子、マスク、手袋、エプロンなどを着用します。
食品関連の作業では、速さよりも衛生面の確認が優先されます。手袋を交換するタイミングや、商品を置いてよい場所など、細かな決まりがあるため、最初に職員と一緒に確認します。分からなくなったときに作業を止めて聞けることも、仕事を続けるうえで必要な力です。
2-3. 検品・仕分け
検品では、商品に傷や汚れがないか、包装が破れていないか、数量が合っているかを確認します。仕分けでは、種類、サイズ、出荷先などの基準に沿って商品を分けます。
細かな違いに気づきやすい方や、同じ作業を落ち着いて続けられる方に向くことがあります。一方で、集中が続きにくい場合は、確認する数を区切ったり、途中で別の工程に替わったりする方が取り組みやすいこともあります。
2-4. 清掃作業
清掃作業では、床の掃除、机や棚の拭き取り、ゴミの回収、備品の補充などを行います。作業前と作業後の違いが分かりやすく、終わった場所を一つずつ確認できるため、達成感を持ちやすい仕事です。
ただし、立ったまま動く時間が長い現場もあります。足腰に不安がある場合は、担当する範囲や休憩の取り方を事前に相談しておく必要があります。
2-5. 倉庫や工場での軽作業
倉庫や工場では、商品の箱詰め、部品の仕分け、シール貼り、梱包、出荷準備などを行います。作業手順が決まっている仕事が多く、一つずつ順番を確認しながら進めます。
現場によっては機械音が大きい、室温が変化しやすい、人や荷物の動きが多いといった特徴があります。仕事内容だけでなく、作業環境が自分に合うかどうかも参加を考える際の大切なポイントです。
3.施設外就労の一日の流れ
3-1. 事業所へ集合する
施設外就労の日は、まず事業所へ集合する形が一般的です。到着後に職員が睡眠、食事、服薬、体調などを確認します。いつもより疲れている、腹痛がある、不安が強いといったときは、この段階で伝えます。
体調によっては、施設外就労へ行かず事業所内作業に変更することもあります。「予定していたから必ず行かなければならない」と考えず、その日の状態を正直に伝えることが継続利用につながります。
3-2. 職員と一緒に作業場所へ移動する
体調と持ち物を確認したら、職員やほかの利用者と一緒に移動します。事業所の車を使う場合もあれば、徒歩や公共交通機関を利用する場合もあります。
乗り物に酔いやすい、長く歩くと痛みが出る、人混みが苦手といった事情は、参加前に伝えておきましょう。作業時間だけでなく、往復の移動を含めて無理なく参加できるかを考えます。
3-3. 作業内容と注意事項を確認する
作業場所に着いたら、その日に担当する仕事と注意事項を確認します。同じ作業先でも、扱う商品や数量が日によって変わることがあります。前回と同じだと思い込まず、職員の説明を聞いてから始めます。
説明だけでは分かりにくい場合は、見本を見せてもらう、手順を紙に書いてもらう、一工程ずつ確認するといった方法があります。自分が理解しやすい伝え方を職員に知ってもらうことも支援の一部です。
3-4. 休憩を取りながら作業する
作業中は、決められた時間に休憩を取ります。疲れや痛みが強くなった場合は、次の休憩まで我慢せず職員へ伝えます。短時間休むことで作業へ戻れることもあれば、その日の作業を終える方がよいこともあります。
施設外就労では、作業を続ける力だけでなく、自分の体調の変化に気づき、早めに伝える練習もできます。無理をして翌日以降に体調を崩すより、安定して参加できる方法を見つけることが優先されます。
3-5. 事業所へ戻って振り返りを行う
作業が終わったら、職員と一緒に事業所へ戻り、その日の様子を振り返ります。「袋詰めは落ち着いてできた」「周囲の音が気になった」「午後になると疲れが強くなった」など、感じたことをできる範囲で伝えます。
振り返りは反省会ではありません。次回も同じ作業を続けるか、作業時間を短くするか、別の工程を試すかを考えるための時間です。
4.施設外就労に参加するメリット
4-1. 実際の職場に近い環境を経験できる
事業所内では落ち着いて作業できていても、外部の現場では人の動きや音が増え、集中のしやすさが変わることがあります。施設外就労では、実際の職場に近い環境を経験し、自分に合う働き方を考える材料を増やせます。
参加してみて初めて、「立ち仕事より座って行う検品の方が合う」「静かな場所より少し動きのある場所の方が集中できる」と分かることもあります。
4-2. 働くための体力や集中力を身につけられる
移動して作業し、休憩後にもう一度仕事へ戻るという一日の流れを経験することで、働くための体力や集中力を少しずつ整えられます。最初から一日参加する必要はなく、短時間や週一回から始める方法もあります。
前回よりも無理なく参加できた、作業後の疲れが少なくなったなど、小さな変化を職員と確認しながら進めます。
4-3. 時間を意識して作業する練習になる
施設外就労では、集合、出発、作業開始、休憩、終了の時間が決まっています。前日に持ち物を準備する、出発時間から逆算して起きるなど、仕事に合わせた生活の流れを練習できます。
時間管理が苦手な方は、予定表を使う、スマートフォンのアラームを設定する、職員と前日に確認するなど、自分に合う方法を探します。
4-4. 仕事の選択肢が広がる
事業所内では経験できない仕事に取り組むことで、自分の得意不得意が見えやすくなります。食品の袋詰めが楽しいと感じる方もいれば、検品のように一つのことへ集中する作業が合う方もいます。
反対に、実際に試したことで、においや音が負担になる、長い移動が難しいと分かることもあります。それも失敗ではなく、次に選ぶ仕事を考えるための情報です。
4-5. 自信につながる場合がある
最初は職員と一緒に確認していた作業を、一人で最後までできるようになることがあります。数量の間違いが減った、分からないときに自分から質問できた、決められた時間に集合できたといった経験も自信につながります。
大きな成果だけでなく、前回よりできたことを具体的に振り返ることで、自分の変化を感じやすくなります。

5.施設外就労に向いている人
5-1. 事業所内の作業に慣れてきた
事業所内の作業を一定時間続けられるようになり、生活リズムや通所が安定してきた方は、施設外就労を検討しやすい時期です。ただし、事業所内作業に慣れたからといって必ず参加する必要はありません。本人が興味を持っているかどうかも大切です。
5-2. 外部の作業場所に興味がある
市場や企業での仕事を見てみたい、普段とは違う作業に挑戦したいという気持ちがある方は、見学から相談してみるとよいでしょう。興味があっても不安が強い場合は、作業場所を見るだけ、短い時間だけ参加するなど段階を分ける方法があります。
5-3. 決められた時間に行動できる
集合や移動があるため、ある程度時間を意識する必要があります。ただし、一人で完璧に管理できることが参加条件ではありません。職員と予定を確認し、準備の仕方を一緒に決めることで参加できる方もいます。
5-4. 職員の指示を確認できる
外部の作業場所では、衛生や安全に関するルールがあります。説明を聞くことに加え、分からないときに確認することが重要です。一度で覚えられなくても、見本や手順書を使いながら進められます。
5-5. 将来の就労に向けて経験を増やしたい
一般就労や就労継続支援A型を将来の目標にしている方にとって、施設外就労は外部の仕事環境を知る機会になります。一方で、一般就労を目指していない方でも、作業の幅を広げたい、気分転換になる仕事を見つけたいという目的で参加できます。
6.施設外就労で感じやすい不安
6-1. 知らない場所へ行くことが不安
初めて行く場所では、入口、作業場所、休憩室、トイレの位置が分からないだけでも緊張します。事前に写真を見る、職員と見学する、一日の予定を書いた紙を持つことで、不安が軽くなる方もいます。
6-2. 企業の人と関わることが心配
企業の担当者と何を話せばよいか不安になる方もいます。基本的な仕事の調整は職員が行います。利用者が一人で企業とのやり取りを任されるわけではありません。挨拶や返事が難しい場合も、無理のない方法を職員と練習できます。
6-3. 作業についていけるか不安
周囲の動きが速いと、自分だけ遅れているように感じることがあります。しかし、施設外就労は企業の従業員と速さを競う場ではありません。正確にできる工程を担当する、作業量を区切るなど、本人が続けやすい方法を考えます。
6-4. 途中で体調が悪くなった場合
頭痛、腹痛、めまい、強い不安などが出たときは、同行している職員へ伝えます。休憩して様子を見る、作業を中止する、事業所へ戻るなど、その場の状態に合わせて対応します。起こりやすい症状や服薬の状況は、参加前に共有しておくと安心です。
6-5. 移動による疲れが心配
作業時間は短くても、移動を含めると負担が大きくなることがあります。作業先までの所要時間、歩く距離、階段の有無、交通手段を確認し、帰宅後や翌日にどの程度疲れが残るかも振り返ります。
7.施設外就労で受けられる支援
7-1. 職員が同行する
職員は利用者と一緒に作業場所へ行き、作業中の様子を確認します。企業との連絡や作業内容の調整も事業所が行うため、利用者が一人で責任を抱えることはありません。
7-2. 作業手順を説明してもらう
作業の説明は、口頭だけでなく、見本、写真、手順書などを使って行うことがあります。説明を聞きながら一度やってみて、間違いやすい部分を職員と確認します。
7-3. 作業量を調整する
体力や集中力は一人ひとり異なります。同じ時間参加していても、担当する数量や工程まで同じにする必要はありません。疲れが強い日は作業量を減らし、慣れてきたら少し増やすなど、継続できる範囲で調整します。
7-4. 困ったときに相談する
言葉で説明することが難しい場合は、職員へ合図を送る、メモを見せる、あらかじめ決めたカードを使う方法もあります。相談の仕方も含めて、本人が使いやすい方法を一緒に考えます。
7-5. 終了後に振り返りを行う
振り返りでは、作業の出来不出来だけでなく、移動の疲れ、人の多さ、音、休憩の取りやすさも確認します。続けることが負担になっている場合は、参加頻度や作業先を見直します。

8.施設外就労の工賃は高くなる?
8-1. 施設外就労と工賃の関係
就労継続支援B型では、雇用契約に基づく給料ではなく、生産活動の収入などを基に工賃が支払われます。施設外就労へ参加しただけで、自動的に工賃が高くなるわけではありません。
8-2. 仕事内容や作業時間による違い
工賃の計算方法は事業所によって異なります。作業時間や利用日数を基準にする事業所もあれば、仕事内容や生産実績を反映する事業所もあります。施設外就労と事業所内作業で計算方法が同じかどうかも確認が必要です。
8-3. 事業所ごとの工賃規程
見学時には、月額の平均だけでなく、工賃をどのように計算しているかを聞いておきましょう。欠席、遅刻、早退、短時間利用の場合にどうなるかも、利用開始後の行き違いを防ぐために確認しておきたい点です。
8-4. 参加前に確認しておきたいこと
施設外就労を検討するときは、移動時間が作業時間に含まれるか、交通費や昼食代の負担があるか、作業着などを自分で準備する必要があるかも確認します。工賃だけでなく、参加に必要な費用を含めて考えることが大切です。
9.だいこん畑で行う施設外の作業
9-1. 市場内での袋詰めや検品
だいこん畑では、事業所や作業先に応じて、青果物や商品の袋詰め、検品、仕分けなどに取り組んでいます。市場内では商品が運ばれ、出荷の準備が進む中で作業するため、事業所内とは違う仕事の流れを感じられます。
9-2. 協力先での食品関連作業
協力先では、食品の袋詰めや加工補助などを行うことがあります。衛生面のルールを確認し、職員と一緒に手順に沿って進めます。食品を扱う仕事が初めての方も、いきなり複数の工程を任されるのではなく、取り組みやすい作業から始めます。
9-3. 職員が同行する場合の支援
作業開始前には、その日の体調と担当内容を確認します。作業中は、手順の説明、休憩の声かけ、作業量の調整を行い、困ったことがあれば職員が間に入ります。外部の場所に慣れるまで時間が必要な方にも、様子を見ながら支援します。
9-4. 参加前の見学や相談
施設外就労に興味がある方は、見学時に仕事内容、移動方法、作業時間、休憩場所、服装、工賃について確認してください。「人が多い場所は苦手」「長く立つと痛みが出る」など、気になることを具体的に伝えると、参加方法を検討しやすくなります。
9-5. 本人の体調や希望に合わせた判断
施設外就労は、全員が参加しなければならない活動ではありません。本人が希望しているか、体調が安定しているか、移動を含めた負担が大きすぎないかを確認して決めます。参加後に合わないと感じた場合は、事業所内作業へ戻る、別の作業を試す、しばらく休むといった選択もできます。
10.まとめ|施設外就労に興味がある方は見学時に相談しよう
B型事業所の施設外就労は、職員の支援を受けながら、企業、市場、倉庫など事業所の外で仕事を経験する取り組みです。一般企業へ就職することとは異なり、利用者はB型事業所を利用したまま作業します。
仕事内容は、袋詰め、食品製造の補助、検品、仕分け、清掃、梱包などさまざまです。実際の仕事に近い環境を経験できる一方、知らない場所への移動、人の多さ、作業の速さ、体調面に不安を感じることもあります。
不安があるから参加できないと決める必要はありません。見学だけ行う、短い時間から試す、職員と一緒に手順を確認するなど、段階を分けて検討できます。反対に、体調や希望に合わないときは、施設外就労へ参加しない選択もあります。
だいこん畑では、一人ひとりの体調、生活リズム、作業経験、希望を確認しながら、無理のない利用方法を一緒に考えています。大阪市で就労継続支援B型事業所を探している方や、施設外就労について詳しく知りたい方は、見学や相談の際にお尋ねください。

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