「B型事業所を利用したいのに、相談支援専門員が見つからない」「担当者がいないと受給者証を申請できないのでは」と不安になる方は少なくありません。相談支援専門員に計画を作ってもらう方法が基本ですが、自治体の運用や本人の希望によっては、本人や家族が作成するセルフプランで手続きを進められる場合があります。
ただし、セルフプランを選ぶと、相談支援専門員によるサービス事業所間の調整や定期的なモニタリングは受けられません。手続きだけを早く進めるのではなく、自分や家族だけで利用後の調整ができるかも考えておく必要があります。この記事では、大阪市の手続きを中心に、相談支援専門員がいない場合の選択肢、セルフプランの書き方、受給者証が交付されるまでの流れを順番に説明します。
目次
- 1.相談支援専門員がいなくてもB型を利用できる場合がある
- 2.B型事業所の利用に必要なサービス等利用計画
- 3.計画相談支援を利用する場合の流れ
- 4.相談支援事業所が見つからない理由
- 5.セルフプランとは
- 6.大阪市でセルフプランを提出する場合の流れ
- 7.セルフプランに書く目標の例
- 8.相談支援専門員がいるメリット
- 9.B型事業所に相談できることとできないこと
- 10.まとめ|相談支援専門員がいなくても、まずは相談してみよう
1.相談支援専門員がいなくてもB型を利用できる場合がある
1-1.相談支援専門員とは
相談支援専門員は、障害福祉サービスを利用する人の希望や生活状況を整理し、必要なサービスの組み合わせを一緒に考える専門職です。就労継続支援B型だけを見るのではなく、生活介護、居宅介護、短期入所、共同生活援助など、本人が利用している、または今後必要になる可能性がある福祉サービス全体を見渡して支援します。
主な役割は、サービス等利用計画案の作成、支給決定後の事業所との連絡調整、サービス担当者会議の開催、定期的なモニタリングです。本人の体調や家庭環境、通院状況、将来の希望が変わったときには、計画を見直し、必要に応じてサービス量や内容の変更につなげます。利用者が自分の希望をうまく言葉にできない場合に、話を整理して行政や事業所へ伝えることも大切な役割です。
1-2.B型事業所の職員との違い
B型事業所の職員は、利用開始後の日々の作業や生活面を支援します。作業の説明、体調確認、作業量の調整、通所の相談、工賃に関する説明などは、利用するB型事業所が中心となって行います。一方、相談支援専門員は、特定のB型事業所だけに所属して支援する立場ではなく、本人の生活全体を見ながら複数のサービスや関係機関を調整します。
就労継続支援B型の対象者や仕事内容について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
- 就労継続支援A型・B型事業所「だいこん畑 事業所一覧」
そのため、B型事業所の職員がサービス等利用計画を正式に作成したり、区役所に代わって支給決定を行ったりすることはできません。ただし、見学や体験利用の相談、一般的な手続きの案内、本人の希望を整理するための情報提供などは可能です。相談支援専門員がいない場合でも、まずB型事業所へ問い合わせることで、次に相談すべき窓口が見つかることがあります。
1-3.利用を検討する時点で相談支援専門員が決まっていないこともある
障害福祉サービスの利用を考え始めた時点で、すでに相談支援専門員が決まっているとは限りません。これまで福祉サービスを使った経験がない人は、相談支援事業所の探し方自体が分からないことがあります。また、地域によっては相談支援専門員の不足や新規相談の受付停止などにより、依頼先がすぐに決まらない場合もあります。
相談支援専門員が見つからないからといって、B型事業所の利用を必ず諦めなければならないわけではありません。自治体の運用や本人の希望によっては、本人や家族がサービス等利用計画案を作成するセルフプランを提出し、支給決定を受ける方法があります。大切なのは、自分だけで判断して手続きを止めず、住んでいる自治体の障害福祉担当窓口へ早めに相談することです。

2.B型事業所の利用に必要なサービス等利用計画
2-1.サービス等利用計画とは
サービス等利用計画は、障害福祉サービスをどのように利用し、どのような生活を目指すのかを整理する計画書です。B型事業所の利用日数だけを書く書類ではありません。本人や家族の希望、現在困っていること、生活全体の課題、支援の方向性、利用するサービスの種類や量、達成したい目標などをまとめます。
一般的には、支給決定前に「サービス等利用計画案」を提出し、支給決定後に関係事業所の意見などを反映した「サービス等利用計画」を作成します。セルフプランの場合は、自治体が用意する様式などを使い、本人や家族が計画案を作成します。呼び方が似ているため混同しやすいですが、申請段階の計画案と、支給決定後の正式な計画を区別しておくと手続きが理解しやすくなります。
2-2.計画に記載される内容
計画には、本人が望む生活、現在の生活状況、解決したい課題、支援の総合的な方針、長期目標、短期目標、利用するサービスの内容や頻度などを記載します。B型事業所を利用する場合は、「働く練習をしたい」という希望だけでなく、通所を通じて何を整えたいのかを具体的にします。
- 生活リズムを整え、決まった時間に外出できるようになりたい
- 週1日から通所を始め、体調に合わせて日数を増やしたい
- 軽作業やパソコン作業を経験し、自分に合う仕事を知りたい
- 職員へ体調や困りごとを伝えられるようになりたい
- 将来的にA型事業所や一般就労も検討したい
目標は立派な内容にする必要はありません。今の状態から無理なく取り組める内容にすることが重要です。通所に不安がある人であれば、「毎週決まった日に家を出る」「午前中だけ参加する」といった目標でも構いません。
2-3.なぜ利用開始前に必要なのか
自治体は、申請者の心身の状態、生活環境、本人の利用意向、サービス等利用計画案などを確認し、どのサービスをどれくらい支給するかを決定します。B型事業所を利用したいという希望があっても、事業所と本人が契約するだけでは障害福祉サービスとして利用を開始できません。原則として、自治体へ申請し、支給決定を受け、受給者証の交付を受ける必要があります。
計画案は、本人に必要な支援と利用目的を自治体が確認するための資料になります。また、本人にとっても「なぜB型を利用したいのか」「どのくらいのペースなら続けられそうか」を整理する機会になります。見学時に感じたことや体験利用で分かったことを計画案へ反映すると、実際の利用につながりやすい内容になります。
2-4.定期的なモニタリングとは
計画相談支援を利用する場合、支給決定後も一定の期間ごとに相談支援専門員が利用状況を確認します。これをモニタリングといいます。計画どおりに通所できているか、本人が無理をしていないか、事業所で困っていることはないか、生活環境に変化がないかなどを確認し、必要に応じて計画を見直します。
モニタリングは、できていないことを指摘するためのものではありません。体調が悪化して通所日数を減らしたいときや、反対に通所が安定して日数を増やしたいときなどに、本人・家族・事業所・行政の認識をそろえる役割があります。セルフプランでは、指定特定相談支援事業者によるこのモニタリングを受けられないため、本人や家族が事業所や区役所へ状況を伝える意識がより重要になります。
3.計画相談支援を利用する場合の流れ
3-1.相談支援事業所を探す
計画相談支援を希望する場合は、指定特定相談支援事業所を探します。区役所の障害福祉担当窓口、基幹相談支援センター、地域の相談支援機関などへ相談すると、地域の事業所情報を案内してもらえる場合があります。B型事業所の見学を先に行っている場合は、見学先に「相談支援専門員がまだ決まっていない」と伝えておくと、一般的な探し方を案内してもらえることもあります。
連絡する際は、住んでいる地域、利用を希望するサービス、申請が新規か更新か、現在利用しているサービス、希望時期を簡潔に伝えます。相談支援事業所によって対象地域や受け付けている相談内容が異なるため、1か所で断られても、本人に問題があるとは限りません。
3-2.相談支援専門員と面談する
依頼先が決まったら、本人や家族と相談支援専門員が面談します。面談では、現在の生活、体調、通院、家族の支援状況、困りごと、得意なこと、B型事業所へ通う目的などを確認します。うまく話せるか不安な場合は、事前にメモを作っておくと安心です。
見学したB型事業所がある場合は、事業所名、作業内容、希望する利用日数、体験時の様子なども伝えます。本人が疲れやすい、朝に体調が整いにくい、人が多い場所が苦手といった点は、利用計画や事業所選びに関係するため、遠慮せず共有しましょう。
3-3.サービス等利用計画案を作成する
面談内容をもとに、相談支援専門員がサービス等利用計画案を作成します。完成した計画案は、内容を本人や家族が確認してから自治体へ提出します。希望と異なる表現や無理のある目標が書かれている場合は、修正をお願いして構いません。計画は専門員だけのものではなく、本人の生活を支えるためのものです。
B型事業所については、利用目的、希望する通所頻度、必要な配慮、ほかの支援との関係などが整理されます。たとえば、訪問看護を利用している人であれば、体調管理と通所をどのように両立するかを計画に反映することがあります。
3-4.受給者証の交付後に利用を開始する
自治体による確認や調査を経て支給決定されると、障害福祉サービス受給者証が交付されます。その後、利用予定のB型事業所へ受給者証を提示し、重要事項説明を受け、利用契約を結びます。契約前には、利用日、作業時間、送迎、昼食、工賃の計算方法、欠席時の連絡方法、費用負担などを確認しましょう。
計画相談支援を利用する場合は、支給決定後に相談支援専門員が事業所との調整やサービス担当者会議を行い、正式なサービス等利用計画を作成します。利用開始後もモニタリングが行われるため、通所が難しくなったときや支援内容を変えたいときに相談できます。

4.相談支援事業所が見つからない理由
4-1.新規相談の受付を停止している
相談支援事業所へ連絡しても、すぐに受け付けてもらえないことがあります。相談支援専門員は、計画の新規作成だけでなく、既存利用者のモニタリング、会議、関係機関との連絡調整なども行っています。担当件数が多い事業所では、新規受付を一時的に止めている場合があります。
「空きがない」と言われたときは、受付再開の見込み、待機登録の可否、ほかに相談できる事業所がないかを確認しましょう。同じ事業所へ何度も連絡し続けるより、区役所や基幹相談支援センターへ状況を伝え、別の候補を探すほうが手続きが進みやすいことがあります。
4-2.希望地域に事業所が少ない
相談支援事業所には対応地域があり、所在地が近くても自宅の地域を担当していない場合があります。また、訪問を中心に支援している事業所では、移動時間の関係で対象地域を限定していることがあります。自宅近くに事業所が少ない場合は、隣接区を含めて探せるか、オンラインや電話を活用した面談が可能かを確認します。
4-3.対象者や相談内容が合わない
事業所によって、主に支援している障害種別、年齢層、医療的ケアの有無、児童か成人かなどが異なる場合があります。B型事業所の利用相談を受け付けていても、現在の生活状況や利用中のサービスとの関係から、別の相談機関が適していると判断されることもあります。断られた理由を可能な範囲で確認し、次の相談先を尋ねることが大切です。
4-4.連絡しても空きがないと言われる
複数の事業所に連絡しても見つからない場合は、「本人が希望してセルフプランを選ぶ」のか、「相談支援専門員を希望しているが見つからず、やむを得ずセルフプランを検討する」のかを整理して自治体へ伝えます。セルフプランは便利な代替手段ですが、支援を必要としている人が十分な説明を受けないまま選ばされるものではありません。まずは相談支援を希望していることを明確にし、それでも利用開始を急ぐ事情がある場合にセルフプランの可否や手続きを確認しましょう。
5.セルフプランとは
5-1.本人や家族が作成する利用計画
セルフプランとは、指定特定相談支援事業者による計画相談支援を利用せず、本人や家族などがサービス等利用計画案を作成して自治体へ提出する方法です。相談支援専門員がいない場合でも、自治体がセルフプランを受け付け、ほかの要件を満たして支給決定されれば、B型事業所を利用できる可能性があります。
「セルフ」という言葉から、すべてを一人でしなければならないと感じるかもしれませんが、家族に記入を手伝ってもらったり、区役所で様式や記入方法を確認したりすることは可能です。B型事業所から、利用希望日数や作業内容などの情報を得て整理することもできます。ただし、最終的な受付や支給決定は自治体が行います。
5-2.セルフプランを利用できるか自治体に確認する
セルフプランの様式や提出方法、手続きの順序は自治体によって異なることがあります。インターネット上の一般的な情報だけで書き始めず、まず住んでいる自治体の窓口へ連絡し、「B型事業所を利用したいが相談支援専門員が決まっていない」「セルフプランで申請できるか」と確認しましょう。
大阪市では、本人が希望する場合、計画相談支援を利用せず、自ら作成したサービス等利用計画案を提出できると案内されています。一方、セルフプランで利用する場合、指定特定相談支援事業者による事業所間の調整やモニタリングを受けられない点にも注意が必要です。
参考:大阪市「計画相談支援」
5-3.セルフプランに記載する主な内容
セルフプランでは、本人の生活に対する希望、現在困っていること、支援の方針、長期目標と短期目標、利用したいサービス、利用頻度などを記載します。文章を難しくする必要はありません。本人の言葉を使い、読む人が現在の状況と希望を理解できる内容にします。
- 現在の生活:起床時間、外出頻度、通院、家での過ごし方
- 困りごと:生活リズム、体力、人との関わり、作業経験の少なさ
- 希望する生活:定期的に外出したい、作業を続けたい、自信をつけたい
- 利用したいサービス:就労継続支援B型、希望する日数や時間
- 必要な配慮:休憩、静かな席、作業説明、体調に応じた時間調整
利用日数については、希望だけでなく体調や生活状況も考慮します。最初から週5日を目標にして無理をするより、週1日や週2日から始め、安定したら増やす計画のほうが現実的な場合があります。
5-4.作成が難しい場合の相談先
書類の意味が分からない、目標を書けない、家族だけでは整理できない場合は、区役所の障害福祉担当窓口、基幹相談支援センター、地域の相談支援機関などへ相談します。医療機関のソーシャルワーカーや退院支援担当者がいる場合は、現在の体調や生活上の課題を整理する手助けを受けられることもあります。
見学中のB型事業所には、作業内容、利用時間、送迎の有無、利用開始後に受けられる支援などを確認できます。ただし、事業所が行政の判断を代行したり、必ず受給者証が交付されると約束したりすることはできません。役割の違いを理解し、必要に応じて複数の窓口を利用しましょう。
6.大阪市でセルフプランを提出する場合の流れ
6-1.区役所などの窓口へ相談する
大阪市で障害福祉サービスを申請する場合は、原則として住んでいる区の保健福祉センターへ相談します。最初の連絡では、「就労継続支援B型の利用を希望していること」「相談支援専門員が決まっていないこと」「セルフプランを検討していること」を伝えると話が進みやすくなります。
すでに見学したB型事業所がある場合は、その事業所名や希望する利用開始時期も伝えます。申請から利用開始までには、書類提出、聞き取り、支給決定、受給者証の交付、事業所との契約など複数の段階があります。見学日と利用開始日を混同せず、余裕をもって相談しましょう。
6-2.必要書類を確認する
申請時に必要となる書類は、利用するサービスや本人の状況によって異なります。本人確認書類、個人番号を確認する書類、障害の状態を確認する書類などが必要になる場合があるため、最新の様式と必要書類をお住まいの区の保健福祉センターへ確認してください。
セルフプランには大阪市が公開している様式と記入例があります。古い様式を保存している場合は、そのまま使わず、現在掲載されているものかを確認します。記入後はコピーやデータを手元に残しておくと、窓口での確認や更新時に役立ちます。大阪市の「計画相談支援」ページでは、サービス等利用計画案(セルフプラン)のExcel・PDF様式と記入例を確認できます。
6-3.利用したいサービスや目標を整理する
申請前に、B型事業所を利用する目的と希望する通所方法を整理します。たとえば、「生活リズムを整えるために週2日、午前から通所したい」「体調を確認しながら軽作業に取り組みたい」「人との関わりに慣れるため、少人数の環境を希望する」などです。
見学や体験をしている場合は、続けられそうだった作業、難しかったこと、必要だと感じた配慮をメモします。セルフプランは希望だけを書く書類ではなく、現在の状態から目標へ進むために、どのような支援が必要かを説明する書類です。
6-4.提出後の手続き
申請とサービス等利用計画案の提出後、区保健福祉センターが本人のサービス利用意向や生活状況などを確認し、支給内容を決定します。支給が決定すると、サービスの種類、支給量、利用者負担上限月額などが記載された受給者証が交付されます。
受給者証が届いたら、利用予定のB型事業所へ提示し、契約手続きを行います。契約書や重要事項説明書は、分からないまま署名せず、利用時間、欠席時対応、工賃、交通費、昼食代、送迎、個人情報の取扱いなどを確認します。利用開始後に希望と実際の支援が違うと感じたときは、事業所へ早めに相談しましょう。
6-5.自治体によって運用が異なる点に注意する
この記事では大阪市の案内を中心に説明していますが、セルフプランの様式、提出先、相談窓口、聞き取り方法などは自治体によって異なる場合があります。大阪市外に住んでいる人が大阪市内のB型事業所を利用したい場合も、申請先は原則として居住地の自治体です。利用したい事業所の所在地だけを基準に窓口を判断しないようにしましょう。
転居予定がある、生活保護を利用している、介護保険サービスを併用している、障害児通所支援から成人サービスへ移行するなどの場合は、通常と異なる確認が必要になることがあります。早い段階で自治体へ事情を伝えることが大切です。
7.セルフプランに書く目標の例
7-1.生活リズムを整えたい
長期目標の例は「日中活動へ継続して参加し、安定した生活リズムをつくる」です。短期目標は「週2日は決まった時間に起床し、午前中からB型事業所へ通う」「欠席するときは自分または家族から事業所へ連絡する」など、行動がイメージできる内容にします。
7-2.週1日から外出する習慣をつけたい
外出に不安が強い人は、「週1回、無理のない時間帯に通所し、事業所の環境に慣れる」を短期目標にできます。最初から長時間の作業を求めず、到着して職員と話す、短時間作業をする、休憩して帰宅するといった段階を考えます。
7-3.軽作業に慣れたい
「職員の説明を聞き、袋詰めや検品などの軽作業に取り組む」「自分に合う作業と苦手な作業を知る」といった目標が考えられます。作業量よりも、手順を理解する、分からないときに質問する、疲れたときに休憩を申し出ることを目標にしても構いません。
7-4.人との関わりに少しずつ慣れたい
人との会話が負担になる場合は、「通所時と帰宅時に職員へあいさつする」「困ったときに担当職員へ伝える」など、小さな目標から始めます。利用者同士の交流を無理に目標にする必要はありません。本人が安心して支援を受けるために必要な関わりから考えます。
7-5.将来的に通所日数を増やしたい
長期目標を「体調を整えながら週3日以上の通所を目指す」とし、短期目標を「まず週1日または週2日の通所を3か月続ける」とする方法があります。日数を増やすことだけを成功とせず、欠席が増えた場合は理由を確認し、時間帯や作業内容を調整することも計画の一部です。
目標は、本人の状態が変われば見直して構いません。セルフプランの場合でも、更新や支給量の変更が必要になったときは自治体へ相談します。目標を達成できなかったときに自分を責めるのではなく、現在の支援が合っているかを確認する材料として活用しましょう。

8.相談支援専門員がいるメリット
8-1.福祉サービス全体を調整してもらえる
B型事業所だけでなく、居宅介護、訪問看護、共同生活援助、短期入所など複数の支援を利用する場合、予定や役割が重ならないように調整する必要があります。相談支援専門員がいると、生活全体を見ながら各機関との連絡を進めてもらえます。
8-2.本人の希望を整理しやすい
「働きたいが体調が不安」「家族からは通所日数を増やすよう言われている」など、希望と不安が混ざっている場合に、第三者と話すことで優先順位を整理しやすくなります。本人の希望を中心にしながら、実現可能な目標へ落とし込める点がメリットです。
8-3.事業所との間に入ってもらえる
事業所へ直接言いにくい困りごとがあるとき、相談支援専門員が本人の話を聞き、必要に応じて事業所との話し合いを調整します。ただし、本人に代わって一方的に要求するのではなく、双方の状況を確認しながら支援方法を考える役割です。
8-4.生活環境が変わったときに相談できる
家族の入院、転居、体調の悪化、退院、グループホームへの入居など、生活環境が変わると必要なサービスも変わります。相談支援専門員が継続して関わっていると、これまでの経過を踏まえて相談でき、変更申請や関係機関との連絡を進めやすくなります。
セルフプランで利用を始めた後に計画相談支援を希望することも考えられます。大阪市では、セルフプランで支給決定を受けた後に計画相談支援を希望する場合、原則として次回の更新または変更申請時から利用すると案内しています。将来相談支援を利用したい場合は、希望する時期や手続きを早めに区役所へ確認しましょう。
9.B型事業所に相談できることとできないこと
事業所選びでは、作業内容や雰囲気、通いやすさを確認することも大切です。
- 就労継続支援A型・B型事業所「だいこん畑 事業所一覧」
9-1.利用方法や仕事内容の説明
B型事業所には、利用対象、開所日、作業時間、作業内容、工賃、昼食、送迎、通所時の持ち物などを相談できます。本人の体調や希望を伝えると、どのような作業から始められるか、休憩をどのように取れるかなどを説明してもらえます。
9-2.見学・体験の調整
利用前の見学や体験に対応しているB型事業所もあります。実施の有無や内容は事業所によって異なるため、事前に問い合わせて確認しましょう。見学では、作業場所の雰囲気、職員の説明、利用者の人数、休憩場所、通所経路などを確認します。体験では、実際の作業が自分に合うか、時間を過ごせそうか、どのような配慮が必要かを考えます。
9-3.手続きの一般的な流れの案内
事業所は、一般的な申請の流れや相談窓口を案内できます。相談支援専門員がいないことを伝えれば、区役所へ確認すべき内容や、見学後に整理しておく情報を教えてもらえる場合があります。ただし、必要書類や自治体の判断は個別に異なるため、最終確認は申請先へ行います。
9-4.正式な行政判断は区役所などが行う
B型事業所が「利用できます」と説明しても、それは事業所として受け入れを検討できるという意味であり、障害福祉サービスの支給決定を保証するものではありません。受給者証の交付、支給量、利用者負担上限月額などは自治体が決定します。
また、セルフプランの内容が適切かどうか、追加書類が必要か、いつ支給決定されるかについても、事業所では確定できません。事業所と自治体は役割が違うため、見学・体験と行政手続きを並行して進めることが大切です。
10.まとめ|相談支援専門員がいなくても、まずは相談してみよう
相談支援専門員が決まっていなくても、本人が希望し、自治体がセルフプランを受け付ける場合は、サービス等利用計画案を自分や家族で作成してB型事業所の利用申請を進められる可能性があります。大阪市でも、本人が希望する場合にセルフプランを提出できることが案内されています。
ただし、セルフプランでは、相談支援専門員による事業所間の連絡調整や定期的なモニタリングを受けられません。複数のサービスを利用している人、生活環境が変わりやすい人、家族だけで調整することが難しい人は、計画相談支援を利用するメリットが大きいと考えられます。相談支援を希望しているのに事業所が見つからない場合は、その状況を区役所や基幹相談支援センターへ伝えましょう。
B型事業所を検討している段階では、先に見学や相談を行うこともできます。作業内容、通所日数、体調への配慮、送迎などを確認し、自分に合いそうかを考えます。同時に、住んでいる区の保健福祉センターへ申請方法とセルフプランの可否を確認すると、手続きが進みやすくなります。
本人が電話をすることに不安がある場合は、家族から問い合わせても構いません。問い合わせ時には、本人の年齢、住んでいる区、障害福祉サービスの利用状況、相談支援専門員の有無、希望する通所日数などを分かる範囲で伝えます。すべてを決めてから相談する必要はありません。「何から始めればよいか分からない」という段階でも、まず窓口や事業所へ相談してみましょう。
だいこん畑では、就労継続支援B型の利用を検討している方や、ご家族・支援者からの見学・体験相談を受け付けています。相談支援専門員がまだ決まっていない場合も、現在の状況をお聞きしたうえで、一般的な手続きの流れをご案内します。まずは各事業所の作業内容や通所方法をご確認いただき、見学・体験についてご相談ください。
参考資料
- 厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
- 大阪市「計画相談支援」
- 大阪市「障がい福祉サービスの利用について」
- 厚生労働省「サービスの利用手続き」

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