障がいがあり仕事を探していると、「どこで求人を探せばいい?」「一般求人と障害者雇用のどちらが自分に合う?」「仕事内容だけで決めて大丈夫?」と迷うことがあります。
仕事探しでは、求人の数をたくさん見ることだけが重要なのではありません。自分ができること、苦手なこと、働ける時間、必要な配慮、通勤方法などを整理し、その条件と求人を照らし合わせることが大切です。
また、すぐに一般企業へ就職する方法だけでなく、ハローワークや就労移行支援などを利用しながら就職を目指す方法、就労継続支援A型・B型などで働く経験を積む方法もあります。
この記事では、障がいのある方が仕事を探すときの基本的な進め方、求人の探し方、障害者雇用、職場選び、合理的配慮、見学や応募前に確認したいポイントまで具体的に解説します。
この記事で分かること
- 仕事を探す前に整理したいこと
- 障がいのある方の求人の探し方
- 障害者雇用求人を見るポイント
- ハローワークや支援機関の使い方
- 合理的配慮の考え方
- 自分に合う職場を選ぶポイント
目次
1.仕事探しの前に整理すること
仕事を探し始めると、すぐに求人サイトを開きたくなるかもしれません。しかし、求人を見る前に自分の働き方を整理しておくと、仕事を選びやすくなります。
特に確認したいのは、「何ができるか」だけではありません。苦手なこと、働ける時間、通勤できる範囲、必要な支援なども重要です。
1-1.得意・苦手を整理する
最初に、これまで経験した仕事、学校生活、福祉サービスでの作業などを振り返ってみましょう。
- 一人で集中する作業が得意
- パソコンへの入力が得意
- 同じ作業を繰り返すことが苦にならない
- 人と話す仕事が好き
- 急な予定変更が苦手
- 複数の指示を同時に受けると混乱する
- 大きな音が続く場所では集中しにくい
「パソコンが得意」といった大きな言葉だけでなく、「文字入力はできる」「Excelへのデータ入力ならできる」のように具体的にすると、求人との相性を判断しやすくなります。
苦手なことも同じです。「コミュニケーションが苦手」ではなく、「初対面の人へ自分から質問することが難しい」「口頭だけで複数の指示を受けると覚えにくい」など、具体的に整理します。
1-2.働ける条件を整理する
自分に合う仕事を探すには、仕事内容だけでなく働く条件も整理します。
- 週に何日働けるか
- 1日何時間なら続けられそうか
- 何時から勤務できるか
- 立ち仕事・座り仕事のどちらが合うか
- 通勤に何分程度かけられるか
- 電車やバスを利用できるか
- 休日や通院日の調整が必要か
「できるだけ長く働きたい」という希望があっても、最初から無理な条件を選ぶと継続が難しくなる場合があります。
現在の生活リズムや体調を確認し、まず継続できそうな条件から考えてみましょう。
1-3.必要な配慮を考える
仕事をするときに何らかの配慮が必要な場合は、「何が苦手か」だけでなく「どうすれば働きやすくなるか」まで整理します。
例えば、「口頭の指示が苦手」という場合でも、文章や手順書で指示を確認できれば取り組める場合があります。
- 手順を文章や写真でも確認したい
- 複数の指示は一つずつ伝えてほしい
- 定期的に休憩を取りたい
- 通院日の勤務について相談したい
- 急な予定変更は事前に知らせてほしい
「配慮してください」だけでは企業も対応方法を考えにくいため、自分が働きやすくなる具体的な方法を整理しておくことが大切です。

2.障がい者向け求人の探し方
障がいのある方が仕事を探す方法は一つではありません。自分だけで探す方法のほか、ハローワークや支援機関と一緒に探す方法もあります。
2-1.ハローワークで探す
ハローワークには、障がいのある求職者について専門的に相談できる窓口があります。
求人を検索するだけでなく、希望する仕事内容や働き方を相談したり、応募について相談したりすることができます。
「どんな仕事を探せばよいか分からない」という段階でも、自分の希望やこれまでの経験を整理するところから相談してみる方法があります。
2-2.求人サイトで探す
一般の求人サイトや障害者雇用に特化した求人サイトを利用して探す方法もあります。
求人サイトは、自宅で多くの求人を比較できる点が便利です。ただし、「障害者歓迎」「配慮あり」といった言葉だけで判断せず、仕事内容や勤務条件を確認してください。
気になる求人が見つかったら、仕事内容、勤務時間、勤務地、必要な経験、配慮について相談できるかなどを一つずつ確認します。
2-3.支援機関と一緒に探す
一人で求人を選ぶことが難しい場合は、就労支援機関などと一緒に仕事を探す方法もあります。
自分では「この仕事ならできそう」と思っていても、支援者と話すことで勤務時間や通勤など別の課題に気づく場合があります。
反対に、自分では難しいと思っていた仕事でも、作業方法や配慮を確認すると選択肢になることもあります。
3.障害者雇用と一般求人の違い
仕事を探す際には、障害者雇用の求人と一般求人の両方を目にすることがあります。
障害者雇用の求人では、応募時や採用後に障害特性や必要な配慮について企業と相談しながら働くことを想定している求人があります。
一方、一般求人でも障がいのある方が応募できる場合があります。ただし、応募条件や障害の開示、必要な配慮についてどのように相談するかは求人や本人の状況によって異なります。
「障害者雇用だから必ず働きやすい」「一般求人の方が良い」と一律に決めるのではなく、自分が希望する仕事内容や必要な配慮と合っているかを確認することが大切です。
求人の名称より中身を確認する
同じ障害者雇用の求人でも、仕事内容、勤務時間、職場環境、支援体制は異なります。「障害者雇用」という言葉だけで決めず、実際にどのように働くのかを確認しましょう。
4.求人票で確認したいポイント
求人票を見るときは、給与だけで判断しないことが大切です。
- 具体的な仕事内容
- 雇用形態
- 勤務日数
- 勤務時間
- 休憩時間
- 勤務地
- 通勤方法
- 必要な経験や資格
- 試用期間などの条件
- 配慮について相談できるか
特に仕事内容は、「事務補助」「軽作業」など大きな分類だけでは分からないことがあります。
事務補助でも、データ入力が中心なのか、電話対応があるのか、来客対応があるのかで必要な力は異なります。
軽作業でも、座って行う検品と、荷物を運ぶ仕事では身体的な負担が大きく異なります。
求人票だけでは分からない場合は、応募前や面接時に具体的な仕事内容を確認しましょう。

5.自分に合う仕事を選ぶ方法
求人条件を満たしていることと、自分に合う仕事であることは同じではありません。
長く働くことを考えるなら、仕事内容、勤務条件、通勤、職場環境などを合わせて確認します。
5-1.仕事内容を具体的に見る
まず「自分にできる仕事か」だけでなく、「毎日続けられそうな仕事か」という視点で考えます。
例えば、パソコン入力が得意でも、一日中電話対応をしながら入力する仕事では負担が大きい場合があります。
反対に、一つずつ決められた作業を進める仕事なら、集中しやすい場合もあります。
自分が得意な作業と、実際に行う仕事をできるだけ細かく比較することがポイントです。
5-2.勤務時間と通勤を確認する
仕事内容が自分に合っていても、勤務時間や通勤に無理があると続けにくくなる場合があります。
例えば、仕事は6時間でも、往復の通勤に2時間かかれば、自宅を出てから帰宅するまでの負担はさらに大きくなります。
朝のラッシュ時間帯に電車へ乗れるか、駅から職場まで歩けるか、帰宅後に食事や入浴などの生活を続けられるかまで考えてみましょう。
5-3.職場環境も確認する
同じ仕事でも、職場環境によって働きやすさは変わります。
- 人の出入りが多いか
- 大きな音がするか
- 作業場所が固定されているか
- 一人で行う仕事かチーム作業か
- 質問する相手が決まっているか
- 休憩する場所があるか
自分がどのような環境なら集中しやすいかを整理しておくと、職場選びに活かせます。
6.合理的配慮とは
障がいのある方が働く際には、障害特性などによって仕事を行ううえで支障となることについて、企業と合理的配慮を相談することがあります。
合理的配慮は、本人が希望したことがすべてそのまま認められるという意味ではありません。本人の困りごとや必要な対応を確認し、企業側の状況も踏まえて話し合います。
例えば、次のような方法が考えられる場合があります。
- 口頭だけでなく文章でも指示を確認する
- 作業手順を一つずつ伝える
- 通院について勤務日を相談する
- 作業場所について相談する
- 休憩方法について相談する
大切なのは、「障害があるので配慮してほしい」だけで終わらず、「どのような場面で困り、どのような方法なら仕事ができるか」を具体的に伝えることです。
例えば、「大きな音が苦手です」だけでなく、「大きな機械音が続く場所では集中しにくいため、比較的静かな場所で作業できるか相談したい」と伝えると、企業側も検討しやすくなります。
7.職場見学で確認したいこと
職場見学ができる場合は、求人票では分からない部分を確認する機会として活用しましょう。
- 実際の作業場所
- 一日の仕事の流れ
- 誰から指示を受けるか
- 職場の音や人の多さ
- 休憩場所
- トイレや設備
- 駅やバス停からの距離
- どのような服装で仕事をするか
見学では「きれいな職場だった」「雰囲気が良かった」という印象だけでなく、自分が実際に働いている場面を想像してみましょう。
例えば、仕事中に分からないことが出たとき、誰に質問すればよいのかが明確かどうかも重要です。
見学後には、「働きたいと思ったか」だけではなく、「不安だった点」「確認できなかった点」をメモしておくと、その後の応募判断に役立ちます。
8.応募前に準備すること
応募したい求人が見つかったら、求人条件と自分の希望をもう一度確認します。
- なぜこの仕事を希望するのか
- これまでどのような経験をしたか
- どのような作業が得意か
- どの程度の勤務時間なら続けられるか
- どのような場面で支援が必要か
- 必要な配慮をどう説明するか
面接では「何でもできます」と答える必要はありません。できることと、難しい場合にどのような工夫をしているかを整理して伝える方が、実際の働き方を企業と確認しやすくなります。
例えば、「複数の口頭指示を一度に受けると忘れることがありますが、メモを取り、一つずつ確認すれば作業できます」と具体的に説明する方法があります。
自分だけで整理することが難しい場合は、ハローワークや就労支援機関などへ相談してみましょう。

9.就職支援を利用する方法
就職活動は一人ですべて進める必要はありません。働く準備や応募、就職後の定着を支援するさまざまな仕組みがあります。
9-1.就労移行支援
就労移行支援は、一般企業などへの就労を希望する方に対して、就労に必要な知識や能力を高めるための訓練、求職活動、職場開拓などの支援を行う障害福祉サービスです。
実際の支援内容は事業所によって異なりますが、就職する前に働く準備を整えたい場合の選択肢の一つです。
9-2.ジョブコーチ
ジョブコーチ(職場適応援助者)は、職場での仕事や人間関係などに課題がある場合に、本人と企業の双方へ支援を行う仕組みです。
本人への支援だけではなく、企業側に仕事の教え方や支援方法を助言することもあります。
利用できる時期や方法などは状況によって異なるため、地域障害者職業センターなどへ確認します。
9-3.就労定着支援
就職した後に、仕事や生活上の困りごとについて相談・調整が必要になる場合があります。
一定の要件を満たす場合は、就労定着支援を利用できることがあります。
就職はゴールではありません。働き始めてから困ったことを相談できる場所を確認しておくことも、仕事探しの段階で考えておきたいポイントです。
10.すぐに一般就労が難しい場合
仕事を探していても、「週5日はまだ不安」「長時間勤務は難しい」「しばらく仕事から離れていたので自信がない」という場合があります。
その場合、一般企業への就職だけを選択肢にする必要はありません。
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結び、支援を受けながら働く障害福祉サービスです。詳しくは就労継続支援A型をご覧ください。
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、生産活動などに取り組みながら、自分の状態に合わせた働き方を考える障害福祉サービスです。詳しくは就労継続支援B型をご覧ください。
A型・B型を含め、どのサービスが自分に合うか分からない場合は、福祉サービスの比較ページも参考にしてください。
大切なのは、「一般就労できるか、できないか」の二択で考えるのではなく、現在の状態から次にどのような働き方を目指すかを考えることです。
11.大阪市で仕事を探す場合
大阪市で仕事を探す場合も、勤務地だけでなく、自宅から実際に通勤できるかを確認しましょう。
大阪市内は鉄道やバスなど複数の交通手段がありますが、乗り換えや朝の混雑によって負担が変わります。
求人を見る際には、自宅から職場までの所要時間だけでなく、次の点も確認するとよいでしょう。
- 何回乗り換えるか
- 勤務開始時刻に合わせて何時に家を出るか
- 混雑する時間帯か
- 最寄り駅から職場まで何分歩くか
- 雨の日でも通えるか
仕事内容は合っていても、毎日の通勤で疲れすぎると継続が難しくなることがあります。可能であれば、応募前や見学時に実際の時間帯で職場付近まで行ってみる方法もあります。
大阪市内で就労継続支援事業所を探している場合は、だいこん畑の事業所一覧もご確認ください。
12.仕事探しのよくある質問
どこで求人を探せばいいですか?
ハローワーク、一般の求人サイト、障害者雇用向け求人サイト、就労支援機関など複数の方法があります。一つに絞らず、自分に使いやすい方法を組み合わせて探すこともできます。
障害者雇用の方が働きやすいですか?
一律にはいえません。障害者雇用の求人でも仕事内容や職場環境は企業によって異なります。障害者雇用かどうかだけでなく、仕事内容、勤務時間、配慮、通勤などを確認しましょう。
自分に向いている仕事が分かりません
最初から職種を一つに決める必要はありません。過去に取り組みやすかった作業、苦手だった場面、集中できる環境などを整理し、求人の仕事内容と比較してみましょう。支援者と一緒に整理する方法もあります。
障害について企業へ伝える必要がありますか?
応募方法や希望する働き方によって異なります。ただし、仕事をするうえで配慮が必要な場合は、どのような場面でどのような配慮が必要かを整理し、企業との相談方法を考えることが大切です。
合理的配慮は何でもお願いできますか?
希望した内容がすべてそのまま提供されるという制度ではありません。本人が仕事をするうえで困っていることを伝え、企業側と具体的な対応方法を話し合います。
仕事が長続きするか不安です
勤務時間、通勤、仕事内容、生活リズムなどを一度に無理なく続けられるか確認しましょう。また、就職後に相談できる職場の担当者や支援機関を確認しておくと、困ったときに相談しやすくなります。
一般就労以外にも働く方法はありますか?
あります。本人の状況によって、就労継続支援A型・B型などの障害福祉サービスを利用する方法があります。利用条件や働き方が異なるため、自分の状態や希望に合わせて検討します。
まとめ
障がいのある方の仕事探しでは、求人をたくさん見ることよりも、まず自分の働き方を整理し、その条件と求人を比較することが大切です。
- 仕事を探す前に得意・苦手を具体的に整理する
- 勤務時間や通勤など継続できる条件を確認する
- ハローワークや求人サイト、支援機関を活用する
- 障害者雇用という名称だけで職場を判断しない
- 求人票では実際の仕事内容まで確認する
- 必要な配慮は具体的な方法まで整理する
- 職場見学では実際に働く場面をイメージする
- 就職後に利用できる支援も確認しておく
- 一般就労以外の働き方も選択肢に入れる
「自分にできる仕事は何だろう」と考えるだけでは、なかなか答えが見つからないこともあります。その場合は、「どの作業なら取り組みやすいか」「どのような環境なら続けやすいか」「何があれば困りごとを減らせるか」と一つずつ整理してみましょう。
自分に合う仕事とは、単にできる仕事ではなく、仕事内容、勤務時間、通勤、職場環境などを含めて無理なく続けられる仕事です。
一人で仕事探しを進めることが難しい場合は、ハローワークや就労支援機関などへ相談しながら、自分に合う働き方を探していきましょう。
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